芋井移動居酒屋「ポテトむらパブ」
2023年3月17日 | 活動内容:移住・交流 |
こんにちは、芋井地区担当の岸です。今回は、自分が発起人となって3月4日に開催した、芋井移動居酒屋「(愛称)ポテトむらパブ」というイベントについてご紹介させていただきます。
さて、この移動居酒屋とは、どういうものなのか−。開催の経緯からご説明させていただきます。
私の担当エリアである芋井地区は、昔ながらの農家の多い里山エリアと別荘分譲地の大きく二つのエリアで構成されています。このうち里山エリアの地域は、典型的な中山間地域の限界集落からなる過疎地域です。
そうした里山エリアに昨年末、ショッキングなニュースが流れました。地域唯一の小売店が閉店してしまったのです。地域内で店舗と言えるのは、毎週水曜日と木曜日に開催されるおやき屋さんのみ。通常営業しているお店は皆無になってしまいました。
移動居酒屋を発案するきっかけは、先の私のブログでご紹介させていただいた、芋井地区をより良くする活動組織「いもいリビングらぼ」のメンバーが、地域の課題や必要なモノやコトを尋ねるヒアリングにありました。数あるヒアリング結果の中に、こんな一言の記載がありました。
「芋井にも居酒屋があったらいいのになあ!」。この中高年の男性のつぶやかれた一言にハッとさせられました。とてもシンプルなつぶやきと言える回答ですが、ストレートで切実な地域ニーズだと思いました。
「ならば、不定期でもいいから、芋井の里山エリアに居酒屋を開けないか!?」との思いに駆られ、最初は、空き家に設備を構えて開催できないかと考えました。
ところが、ある時、ふとと妙案を浮かびました。先にご紹介した「リビングらぼ」のメンバーの一人である「村上裕紀子さんは、キッチンカーの自営業者さんで、ながの移動販売つなぎ局の主宰者じゃん!?」
村上さんは、数年前まで、長野県の西北端に位置する小谷村の中山間地でキッチンカーの移動販売をなされており、昨年3月、そのスポットイベントにも同行させていただいた経験があります。「あの小谷村で見たイメージを応用して芋井でも居酒屋を開店できるに違いない!?」
その妙案を村上さんに相談したたところ、「そうだよね。キッチンカーを活用すれば、地域での居酒屋は実現可能だし、ニーズに合わせて場所を移動して開催することも可能だよね!」と盛り上がりました。
そして『移動居酒屋』という造語も生まれることとなりました。移動居酒屋とは、お店のない過疎地域のあちこちの公共空間や空き家などを利用して開業されるスポット居酒屋。「ポテトむら」は、長野市に合併する前の「旧芋井村」を現代風にアレンジしたネーミングです。
パブは、英語で居酒屋に近い「酒場」をイメージ。いずれは、単なる享楽的な酒場機能だけでなく、過疎むらの未来に明かりを灯す、アイデアや活動が生まれたりするような「社交場」に成長してほしいという願いも込められています。
3月4日の移動居酒屋は、私が管理する大きな古民家を会場に開催されました。キッチンカーが2台登場し、洋風弁当と芋井にちなんだジャガイモのコロッケとお酒やソフトドリンクが振る舞われるなどしました。
当日は、百舌原集落の皆さんをはじめとして、開催地周辺の人たちや主催者に身近な約40人の皆さんご来場いただきました。イベントの模様は、地元のテレビ局のほか、九州のテレビでも放映され、大きな反響をいただきました。
次回は、本年5月27日の夕方、長野市役所芋井支所に併設する農村環境改善センターを会場に開催する予定です。同施設が取り壊されるのを前に、支所を含めた地域の中核施設のお別れ会を兼ねて実施する予定です。
移動居酒屋は、キッチンカーが手配できなくても、仕出しを調達するなどして開催することも可能です。過疎地域を盛り上げる一策として、あなたの地域でも開催なさっていただいてはいかがでしょうかー。