「岸 豊」の記事一覧
2024年12月19日
| 活動内容: |
こんにちは、芋井地区担当の岸です。今月末で丸3年の任期が満了となり、私のブログ投稿も今回が最後となります。そこで今回は、この最終年に私が最も力を入れてきた、取り組みについてご紹介させていただきます。
私の任務は関係人口の創出ですが、今春からは「シェアビレッジI I Z U N A」という地域活性化事業に取り組んで来ました。
芋井は典型的な中山間地域の過疎地ですが、長野市の中心市街地に至近な里山で、飯綱高原のリゾート地も備える土地柄。首都圏からのアクセスも悪くありません。この地の利と里山を生かした企画がシェアビレッジです。
シェアビレッジをネット検索すると、秋田県の民間事業の取り組みが出て来ます。年貢を払って村民になると、村の拠点施設に滞在して、村人同士で交流できたり、村の総会に参加できたりするなど、「第二のふるさとを持ちませんか!」と提案するものです。
このアイデアを地元に応用したのがシェアビレッジI I Z U N Aです。
飯綱高原に別荘を所有する知人と意気投合し、この企画を具現化することにしました。
4月ごろから動き出し、体験農園を整備したり、公共施設をお借りして拠点施設を設けるなどし、農業体験をベースに、農作業後にはみんなで昼食を作って歓談するような取り組みを月1回ぐらいのペースで実施してきました。
過疎地や中山間地の活性化という視点も、シェアビレッジの大切な理念としていますが、都市部に住む皆さん方の心情にも心を傾けて取り組んでいます。
自分も長らく都市に住み、サラリーマンをやっていましたが、東京(首都圏)は、地方都市とは異なる優勝劣敗の競争社会です。そこで社会人生活を続けているだけでも疲れてしまいます。そうしたサラリーマンも、ひとたび会社を辞めてしまうと、コミュニティは、家族と友だちなどに限られたりします。
よく、「田舎には何も無い」という人がいらっしゃいますが、田舎には、都会に無い自然や農的ライフの素朴な日常もあるほか、助け合いの精神文化が今も息づいています。
上記のような互助の文化を見習い、「身内にように頼れる他人が見つけられる」ことも、シェアビレッジの大切な理念にしています。
また、田舎暮らし体験によって、リトリート(心のリフレッシュ)ができる上に、第二の故郷とも言える心の拠り所となるコミュニティの創造も目指しています。
それというのは、未開民族と言われているジャングルの部族であったり、日本の全国津々浦々にあった昔の集落的なものの再生と言えるかも知れません。こんな時代であるからこそ、そんなものが必要な気がしていいます。
現段階では、シェアビレッジI I Z U N Aと、ネット検索しても何も出て来ませんが、春ごろには引っかかるようにしたいと思います。
以上のようなモチベーションがあるため、長野市に居残り、活動を継続する所存です。3年間、ありがとうございました。
2024年11月12日
| 活動内容: |
こんにちは、芋井地区担当の岸です。今回は、芋井に県外から珍しいお客様がみえたイベントについてご紹介させていただきます。
イベントのネーミングは、「地域循環共生圏づくり支援体制構築事業 中部ブロック中間共有会2024 in 長野・飯綱高原」。10月23日に飯綱高原のホテルで発表会やワークショップが行われ、翌24日には、草刈り体験と浅川エリアのバイオマス発電所の見学などが行われました。
このイベントは、環境省関連の事業を実施するE P O中部(名古屋に拠点)という団体が主催したもので、芋井地区の草刈りバスターズなどが、環境と共生した地域の持続可能な取り組みに合致するため、芋井地区をモデル地域として応援しますよーとの一環で行われました。
芋井に見えられたのは、同事業のモデル地域に選ばれた、愛知県半田市の方々と福井県越前市の丹南地域の皆さん、並びにE P O中部のスタッフさんら。
1日目は、冒頭に小布施町の環境共生の基調講演が行われた後、3地域の取り組み状況と今後の展開について発表後、他地域の取り組みについての感想を述べたり、他地域の活動をヒントに自らの地域の取り組みを今後どう展開していくことが好ましいのかを考えるワークショップが行われた。
愛知県の半田市さんは人口が12万人もおられ、最大の課題は牛の飼育による糞尿処理の悪臭対策とのこと。人口規模が大きく、取り組み内容も専門的でかつ緻密であるため、芋井の実情とはだいぶかけ離れている感があった。
それに対し、福井県越前市の丹南地域は、小学生の児童数も芋井同様に少なく親近感を覚えた。同地域では、有志で食堂カフェと農家民宿を運営したり、高齢者宅に弁当を作って配達されるなどの取り組みをしており、観光振興についてはコンサルに協力してもらい、ペルソナを設定して誘客を図るとのことで感心させられた。
一方、我が芋井地区の発表は、芋井地区を、より住みやすい地域にしようと、地域の有志の頑張りを応援する「いもいリビングらぼ」という研究会組織があり、この中で年4回定例会が行われていることや、草刈りバスターズや地域の支障木を伐採する木こり隊である「Y O S A K U隊」といった成果が出てきたことなどの説明がなされていた。
1日目は最後に懇親会が開かれ、私は福井県越前市の丹南地域の方々を中心に、芋井の今後の活性化に向けたヒントを得ようとコミュニケーションを図りました。その際に得られた教訓は、人口規模が少ない地域では、人の頭数が限定されており、地域活性化の仕事も本業との掛け持ちが当たり前。一緒に協力して活動するためには仲間との強い信頼関係がベースにあり、活動に伴う幸福感が得られるために取り組みが継続できるのだという実感が得られました。
2024年9月 8日
| 活動内容: |
こんにちは、芋井地区担当の岸です。今回は、芋井地区で新たに発行された地域新聞について紹介させていただきます。
芋井地区の公的な自治組織である芋井地区住民自治協議会の中には、地域をより良くするために話し合いをしたり、社会実験をしてみようという「いもいリビングらぼ」という活動団体があります。
そのいささかチャレンジングな組織には、今春から新たな運営メンバーが加わり、その中のひとりが、面白い提案をしてくれました。それが地域新聞「イーモイ」です。
発起人の方は、芋井に住居を構え始めた方なのですが、芋井について知らない事がいっぱい、地域に対して好奇心があることや、芋井の人であっても、他のエリアの事は知らないことが多かったりと、地域の魅力を発信することで、地域内の相互交流につながるといいなーという思いで発案されたそうです。
このように、この「イーモイ」というネーミングには、「芋井地区」と「良い」という二つの意味が込められているとのこと。そしてこのイーモイは、郷土史家だった故人の方によると、芋井のシンボルである飯縄山を朝鮮語で発音した場合の「聖なる山」=聖なる「イー」山「モイ」という呼び名ともなぜか一致するから何とも不思議。命名した当人はそのことを事前に知らなかったそうです。
さてさて、創刊号はA4サイズの裏表。地元のおやき会社のトップ記事をはじめ、36ある地元集落の持ち回りで紹介する地区探訪などからなります。新聞の文字は手書き風の書体で印刷されており、一般的な明朝体などと異なり何とも言えないほっこり感が漂っています。
この新聞の創刊に際しては、新聞記者をしていた私も、過去の経験を踏まえて編集面で協力をさせていただいたことから、自分自身にとってもかなり思い入れのある媒体となりました。新聞は、隔月ペースぐらいで発行する予定で、芋井内の900弱の全戸に配布されます。
まだ、創刊したばかりの地域新聞ですが、地域の人たちに愛着をもっていただけて、かつ末長く発行される媒体に成長することを願ってやみません。
2024年8月 8日
| 活動内容: |
こんにちは、芋井地区担当の岸です。今回は、ホップ栽培についてご紹介させていただきます。過去ブログでも投稿した気もするホップ栽培ですが、改めて取り上げさせていただきます。
私の居住地は海抜800mほどある高原地帯。この標高が高い地では、花豆栽培もそうですが、かつて、ホップ栽培が盛んに行われていました。現在70歳ぐらいになる地元の男性によると、その方々が小学生の頃には、学校帰りにホップ収穫のアルバイトをされたそうです。
京田(きょうでん)という集落には、ホップ栽培の名残が今でも見られます。その一つは、6mにも成長するホップの吊り線のような専用施設。これは、現在、花豆栽培に有効活用されていて、花豆が見事な生育を見せています。
その集落には、ホップの乾燥に使用された建築施設が今も解体されずにその形跡を留めています。これなどは芋井の文化遺産と言って良いでしょう。私が3月まで居住していた敷地にある大きな古民家の2階には、ホップの加工に使われたと機械も残されていました。
そのほか、芋井のあちこちの農地で草刈りをしていると、時たま、ホップの吊り線を固定するために使われた、ゴツくて頑丈な鉄杭にガチんとぶち当たり、あれれとなります。
そんなかつてのホップ栽培に特別な思いを抱いたことから、私のホップ栽培は始まったのでした。
ホップ栽培が始まったのは2年前の春先。ネット通販で、カイゴガネという品種の苗を2つ購入し、昨年まではりんご箱で育てていました。
ホップは多年草。初年度はつるも大きくならず、1苗は枯れてしまいました。昨年は自宅の敷地内にあった土蔵の軒の高さを利用して栽培し、ホップの収穫に漕ぎ着けました。
しかし、今年4月に別の集落に引っ越ししてしまったため、ホップを野生化することを試み、法面の高さのある荒地に移植することにしました。
農業資材で用いる頑丈な紐も地面に垂らして、ホップのつるを這わせたところ、ホップは期待通りに成長してくれました。
本夏は天候が良い日が多かったため、ホップの生育は早く、例年より1ヶ月近くも早い7月下旬にホップは成熟。8月初旬に一部を収穫し、懇意にしているおじ様たちと生ホップを堪能しました。
ビールを注いだグラスに数粒の生ホップを入れて飲んでもホップの有り難みはあまり分かりません。ですが、ビールをおかわりして3杯目ぐらいになった際、ビールに馴染んだホップそのものを口に含むと、これぞビールのテイストそのものという、爽やかで芳醇な何とも言えない風味が愉しめオススメです。
海抜が500m以上の高さにあるか、東北以上の緯度の高い地域では栽培が可能だと思います。
2024年7月 5日
| 活動内容: |
こんにちは、芋井地区担当の岸です。今回は、地元にあるおやき屋さんについてご紹介させていただきます。
今年1月のどんど焼きの際、地元集落の女性から、その方が代表を務めるおやき屋さんに協力してもらえないかーという依頼をいただきました。
お酒を呑んで酩酊していたので、後日電話を差し上げたところ、販売促進に協力してほしいとのことでした。
そのおやき店は、芋井おやき工房という名称のおやき屋さん。飯綱高原を除く芋井エリアにおいて、いまや唯一となった貴重なお店です。
所在地は長野市大字桜。県道長野戸隠線のバス路線沿い店舗があり、毎週水曜日と木曜日に営業しています。その他に、プロバスケの信州ブレイブウォリアーズの試合がホワイトリングの会場である際にも出張販売をなさっているそうで、いつも完売されるそうです。
同店は、女性5人からなる有限会社。おやきの中身の具材を納入される住民の方たちもおられ、文字通り「地産」という言葉が似つかわしい地域企業です。
同社のおやきは、手づくりの蒸しおやき。地元の旬野菜や山菜を用いて、具材の種類が豊富なところが大きな特徴であり長所です。
芋井の「イモ」にちなんだ「じゃがカレー」や「じゃがベーコン」「じゃがアップル」といった独創的なおやきが沢山あります。
担い手の女性は40代から70代まで。街場まで通わずに地元の近場で、馴染みのある女性たちと一緒に気軽に働けるところに魅力があるようです。
このおやき工房さんについて、私がどのような販促のお手伝いをしているかというと、それは、ふるさと納税への出品です。
女性たちは、毎週水木を中心に働いていらっしゃって、平日毎日稼働しているわけではないので、出勤日を増やさずに売上げアップを図るには、稼働日に製造したものを冷凍して作り置きしておき、かつ送料がかからないふるさと納税なら、通販と送料免除の二重のメリットがあると考えました。
春先からお手伝いを始めて数カ月が経過しましたが、まだ出品に漕ぎ着けていません。おやきは信州の名産で強力なライバルがズラリ。広報の段階で見劣りしていけないと意気込んでいます。
また、ここに来て、ふるさと納税の新規取扱を総務省が停止してしまうアクシンデントもあり、出品できるは早くて10月ごろになりそうです。
芋井の里山エリアにある唯一のお店に足を運んでいただければ幸いです。
= 芋井おやき工房 =
所在地:長野市桜833-1
長野戸隠線のバス停「桜」隣
営業日:毎週水曜日と木曜日