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高原花豆の栽培と魅力について

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2016年9月24日 | 活動内容:農地活用 |

花豆 高原豆.jpg

こんにちは、戸隠地区担当の水谷です。ここのところ中山間地域は1週間以上の長雨が続いています。農作業が進みづらかったり、土砂災害のリスクが高まったり、皆が天気の回復を願っています。そう言えば、夏は猛暑日が長く続きました。地球規模での異常気象を夏~秋の農作業を通じてより直に感じています。
 
さて、上の写真の綺麗な黒と紫色が混色したお豆をご存知でしょうか?
 
これは標高800m以上が栽培適地とされる「高原花豆と言われているもので、「紫花豆」「ベニバナインゲン」とも呼ばれます。戸隠に移住後、すぐに農業を開始し、気候風土に適した野菜は何か?を考え探ってきました。

春~夏野菜の栽培を通じて出た見解の一つとして戸隠という高原地は花豆の栽培が適しているということです。多くの魅力も感じていて、来年は栽培に力を入れたいと考えています。

花豆は餡子や加工されてお菓子に、高級食材として和食やお節料理などでも重宝されています。色合いが美しく活躍の幅が広い花豆を"美味しく魅力的"という観点から今回の記事をまとめさせていただきます。

高原花豆について
ベニバナインゲンメキシコの高原原産のインゲンマメ属の多年草(日本では一年草扱い)。花豆(紫花豆)ともいわれる。大航海時代に欧米に導入され、日本へは江戸時代末期に渡来したが当初は観賞用にとどまり、本格的な栽培が始まったのは明治時代に入ってからのことである。寒冷な気候を好み、日本では主に長野県や北海道および東北地方で栽培される。花は紅色で豆には虎斑模様がある。変種に花や実が白いシロバナインゲン(白花豆)がある。日本では熟した豆を煮豆や甘納豆、餡の原料とすることが多いが欧米では若い莢を食用とする。インゲンマメ同様に毒性のあるレクチンの一種フィトヘマグルチニン(PHA)を含むため、調理の際はよく火を通す必要がある。

ベニバナインゲン wiki.jpg
(※文章・画像はwikipediaより転載)

先日、落花生を長年栽培し、無添加のピーナッツバターや低温での玉締搾りによる落花生油など、こだわりの高品質な加工品の製造・販売を手掛けていらっしゃる方から、こんな有難いアドバイスを頂きました。

「魅力を感じた野菜を栽培する時は、その原産国や気候風土を知ることが大切。本来の種の遺伝子にどんな情報が記憶されているか、そういうことも考えながら野菜と対話をする気持ちで育てると良いですよ」

原産国は南米のメキシコの高冷地であり、戸隠もおそらくよく似た環境であると思われ、適地であると感じています。トップの花豆の写真は、ちょうど標高800m付近で今年私の畑でテスト栽培を試み、収穫できたものです。

高原花豆と言われるくらいで、標高が800mを下回ってくると花は綺麗に咲くもののその後、鞘が大きくならず、豆の結実に至らないようです。たとえ豆が出来ても、小ぶりになってしまいます。

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観賞用にもなる紅色の美しい花が一つのツルからいくつも咲きます

花豆は北海道や長野県、群馬県などで盛んに栽培されていますが、「30mm以上の大粒・良品」と判断されるものはいずれも標高が高い冷涼地のものとよく聞きます。

ちなみに写真のお豆の平均サイズは33mmほどで、一番大きいものは40mm程度です。最高級品として評価されるものでは45~50mmに達するとのことで、このメガサイズには驚きました。50mmレベルの栽培には今後より一層の研究が必要です。標高がもっと高くなければいけないのかもしれません。

★花豆の来年の栽培に向けて
まずは今年の生育状況を整理したいと思います。以下の写真をご覧ください。

IMG_2627b.jpg

これくらいの鞘がつけば、中身は30mm以上のものが期待できそうです。あとはタミング良く収穫時期を待つだけです。それに大切なのは風通しの良いこと、ツルが勢いよく太陽の光を求めて上に伸びていくので、上手に誘引する必要があります。

CIMG5231b.jpg

これはツタと葉が密集しすぎてしまっている状況です。外側にいくつか鞘はできますが、風通しが悪いため内側ではあまり鞘ができていません。花豆の植え付け時の理想は、株間を約1m程度と広めにあけることのようです。実際、私のテスト栽培でも広めに株間をとったところの方が鞘のなりが多くなっています。

テスト栽培は上手く行かないと言われているパターンも行ってみることに意義があると思われ、私は出来る限りどんなパターンも試しています。そこから意外なほど、沢山の学びを得る事ができます。

CIMG5232b.jpg

次に必要なのは支柱の高さです。これはわざと50cmくらいの低い支柱で植え付けたものです。結果として、低地でツタが何重にも絡み合い、風通しが悪くなり、鞘はほとんどできていません。

高さという点では、ホップ栽培で使われる支柱が理想と先輩農家さんから教えて頂きました。ただし、これは設備に費用がかかる上、支柱が3mを超えてくると収穫も脚立を使用しなければいけない等、迅速にアクションが取りづらいところがあります。しかしその分、高品質のものの収穫率が向上することと思います。

参考までにホップ栽培の支柱の写真です。

ホップ栽培.jpg

私は来年の栽培に向けて、地元の地権者さんとご相談の上、標高約850m付近の耕作放棄地の除草作業を今週から初めています。ひとまず約2反(600坪)の草刈りを終えたところです。除草後の草は燃やして草木灰にするか、燃やさずに乗用トラクターで耕して土中にすき込むか検討中です。いずれにしても、ちょうど今が稲刈りのシーズンでぬかが大量に出ていますので、枯れ草の発酵と微生物活動を促進させるため、ぬかは全面にまこうと思っています。

花豆の種の植付けは来年の5月中旬~6月を予定していますが、戸隠は10月半ばを過ぎると急激に気温が下がり、霜がおりる可能性があると地元の方々から言われましたので、早めに準備を進めています。

植付け時期は一般的には5月に入ってからと言われていますが、地元の先輩農家さんから伺ったお話しですと、7月に入ってからでも良いとのことです。と言うのも、早めに種をまいて暑い気候と開花時期が重なると鞘が大きくなりにくく、ロスが発生するからだそうです。ただ逆にまき時期が遅いと、秋~冬への移行期の霜の害も気になります。タイミングはどこが最も良いか、この地の自然の移ろいをよく観察する他ありません。

コスト・手間の面から最適な支柱の検討は冬の農閑期の宿題と思っています。一部として、破竹が良いと思い、4mほどのものを約30本、戸隠支所の職員の方のご厚意で譲っていただきました。農業資材も天然素材が活用できれば魅力的です。しかし、2反分の資材を全て破竹というのはかなり大変ですので、様々な可能性を柔軟に考えていきたいと思っています。

除草・整地作業を進めている農地の様子です。少しでも耕作放棄地が蘇り、戸隠の気候風土が活かされた魅力的な農産物が栽培できればと思います。

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自然が豊富な高原地は生命エネルギー高い野菜栽培の適地だと思います

★花豆を使った美味しい和菓子「鯉焼き」
鯛焼きならぬ、鯉焼きです。口全体に広がる自然な甘みがとっても美味しい!中の餡子は長野県産の花豆を主に使って作られているそうです。

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先日門前まちあるきという善光寺周辺の魅力的なスポットをめぐる企画に参加させていただいたのですが、その中で藤田九衛門商店さんという和菓子のお店に立ち寄りました。「鯉焼き」という印象的なネーミングや味のクオリティの高さ、そしてなんと言ってもお店の独特の心地よいムードやしつらえなどから、多くの人に知られ、親しまれているようです。

私は今回のまちあるきで初めて知ったのですが、フワっと広がる自然な餡子の甘みに感動しファンになりました。それに長野県の地元の戸隠・鬼無里産の花豆を使っていらっしゃるとのことで、地元で良いめぐり・流れをつくっていらっしゃるご姿勢にも尊敬・共感いたしました。

最初にも書きましたが、花豆は外見の美しさと共に活躍の場がひろく、栽培に魅力を感じます。しかし、栽培環境が限られることと、栽培(設備)・収穫の手間がかかることから、担い手が全国的に減少傾向にあるようです。こうした時代背景の中、私も出来る限り、良いものを継承していきたいという気持ちで来年のぞみたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

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