想像とは違う別の世界へ(鬼無里地区 木原)
2022年12月 8日 | 活動内容: |
今月末をもって任期満了となる協力隊員は一体誰か。そう、私です。
2019年初夏。
その頃、通信業界で働いていた私は東京でWeb会議サービスを客先に提案するセールスエンジニアのような仕事していました。
「この手のサービスは日本人の文化には合わないから全く売れる気がしない...」などとは思っていても一切口にすることなく提案をしていた頃です。
閉塞感を打開する手段として「地域おこし協力隊」は自分にとってとても魅力的に感じ、以前に出張で何度となく訪れ移住してみたいと思っていた長野で協力隊の募集をしていないか何気なく検索してみたらタイミング良く募集がありました。
初めて訪れた鬼無里は静かな谷合の集落で何とも言えない雰囲気があり、あるのは山だけで他には何も無いけれど自分にとっては何故か不思議と魅力を感じる場所でした。
秋には採用が決まり、ある意味思い付きのように移住しましたが、気が付けばもうあれから3年以上が経過。
Web会議サービスの提案書には「パンデミックに備えて」などと書いてありましたが、まさか本当に例の流行り病が世界的に猛威を振るうなどとは思いもしなかったので、会社間だけでなく個人間でもごく当たり前にWeb会議が行われるような世の中になっているなんて1ミリも想像できませんでした。
今では「新しい生活様式」が当たり前で、もう既に新しくはない状況を思うと、この3年間という月日はあっという間ではあったものの、社会的にはそれなりに長い時間だったのに自分は協力隊として何をしてきたのかといろいろ反省すべきことがあるなと感じています。
社会人になりたての頃、「3年後、5年後、10年後の自分を想像して」とか良く言われましたけど、劇的に変化するこの世の中ではどんなに強い信念を抱いて行動・実践しても世界情勢や社会環境の変化、自然災害などに振り回されてしまい生きづらい状況に陥って人生が大きく変わってしまうこともあると思います。
幸い私自身は環境に振り回されたわけではないですが、3年前の自分がビルの6階から7階くらいの高さまで木に登って伐採する仕事をしている自分を想像できたかと言われれば全くできないし、そんなことしているとは考えすらしていなかったので、着任当初に良く聞かれた「3年後の任期満了後は?」という質問に「今思えば適当に思いついたこと言ってたような...」とこのブログを書きながら反省しています。
若いころ、「通信業界は冷蔵庫みたいなもの。いつも使えていて当たり前だけど、壊れたらひどく怒られる。それなのに使えていて褒められたり感謝されることはない。」という話を聞いたことがあり、「確かに厳しい業界だよなぁ」と感じた記憶があります。
でも今の仕事は直接「ありがとう」と仰ってくださることが多いので、危険な仕事ではあるけれどやりがいもある仕事です。
今の仕事は緊急性の高い倒木処理などを除けば「雪が降る前までには伐りますかね」「葉っぱが落ちてから」「木が水を吸い上げるのが弱くなってから」といったように、自然の状況に合わせ自然と向き合う時間軸の長い仕事なので、時間に追われるのが苦手な自分には合っていると思います。
冒頭の通り、まもなく任期満了を迎えるため今回でブログの更新も最後になります。
着任前と今とを比べて感じることを書いてみましたが、なんだかまとまりのない内容になってしまいお恥ずかしい限りです。
3年間どうもありがとうございました。