地域の宝である高原花豆を栽培
2022年8月30日 | 活動内容: |
芋井地区担当の岸豊です。今回は、農業振興のミッションのうち、地域の特産品である高原花豆栽培についてご紹介させていただきます。
私が現在手がけている農業の圃場は、夏野菜、ブルーベリー、高原花豆の3カ所です。このうち、花豆の圃場は2カ所で、作付面積は3㌃強といったところでしょうか−。花豆専用の圃場は、その昔は、ホップ、その後に高原花豆が栽培された後に耕作放棄となった場所だそうです。
当初、この圃場では、ソルガム=高きびを栽培する予定でしたが、高きびは粘土つちより黒土を好むことから、黒土の圃場を見つけることから、本圃場の取り組みが始まりました。
芋井地区は概ね急斜面の地すべり地帯に位置しており、地域の海抜の低い地域は概ね粘土つち、海抜が850mを超える軍足池から飯綱高原の一帯は火山灰をベースにした黒土が一般的です。芋井の地に着任して初めて、黒土が火山灰由来であることも知りました。
ソルガム栽培については、七二会の栽培講習会にも参加し、耕作放棄地対策に取り組むと意欲満々でしたが、ソルガムは、1kgの成果品を得るのに加工賃が300円もかかることから、より費用対効果が高く、地域の特産品開発にもつなげられると考えた花豆にシフトすることとしました。
圃場はある程度草刈りがなされ休耕状態ではありましたが、ススキ=茅の大きな株が陣取っていたり、昨年盛大に繁茂した雑草の残渣を集めて燃やすなど、花豆栽培の取り組みは、開墾的な作業から始まりました。
高原花豆は、正式名をベニバナインゲンといい、鮮やかなオレンジ色の花が咲き、蔓は、葛蔓のように旺盛に繁茂し、紫色や白色で長さ2.5㎝の大粒の美味しい煮豆が食べられます。海抜800m以上が栽培適地とされ、それ以下の地帯ですと生育不良を起こすと言われています。
圃場整備と同時並行で行ったのが苗づくりです。直播きは、欠株が生じることと、青果店で購入した貴重で高価な豆を無駄に植えるのはもったいないと思ったからです。
苗づくりは、種を手に入れることから始まりしましたが、ここで大失敗をしてしまいます。何に?と言いますと、北海道産かの小粒の食用豆に手を出してしまったのです。地域の花豆農家や種苗店、地域の直売所で販売しているものを仕入れれば良かったのですが、後悔先に立たず...。
とは言うものの、苗づくりは、大きな種を選ぶことから始めました。食品トレーの上にティッシュをかぶせ、その上に豆を載せて水で湿らせて芽出しを行います。豆は水分を含むと2倍以上にみるみる膨らみビックリです。豆は三日月のように凹んだところにお臍があり、そこから根っ子が顔を出します。とても愛おしい気持ちになります。
この根が生え出したものを取り出し、ポットに植え付けます。豆の上下を考えて植えます。苗はおよそ200を育てましたが、そのうちに面倒臭くなり、ポットに直播きするようになりました。当然、ポットだと欠株が生じます。
しばらくすると、ポットの土から大きな豆が土を押し退けて地上に姿を現します。そんなに重たい身体を、「よっこらしょ!」と持ち上げる姿を見るにつけ、「あなた凄いわね!大丈夫!」と心の中で声をかけてしまいます。
花豆の豆部分は、大きな双葉となり、軸も太く、他の夏野菜とは趣が大分異なります。圃場が整ったこところで定植。2カ所ある花豆圃場のうち、夏野菜と同居する圃場の直ぐ隣には、他の農家さんの先行する花豆が順調に生育しており、立派な生育ぶりに目を見張りました。この時、悟ったわけです。種は重要であることを...。花豆ネタは次回以降にまた投稿したいと思います。