本当の鬼無里はどっち?(鬼無里地区 木原)
2021年5月17日 | 活動内容: |
ここ最近、「引っ越しするの?」とよく聞かれる協力隊員は一体誰か。そう、私です。
薪やその原木を置いたり、伐採作業で使う道具などを保管するために自分の住んでいるところとは別の集落にある空き家(と言うより敷地と倉庫)を借りました。
そのせいだと思うのですが、最近よく近所の人から「引っ越しするの?」と聞かれるようになりました。
借りたことをそんなにあちこちで話したつもりもないし、なぜそんな噂が広がったのでしょうか・・・?鬼無里の情報網恐るべし。
ちなみに今住んでいるところは少々古いアパートで狭いものの、オール電化でプロパンガス代が節約できるのため、当面引っ越しする予定はありません。
昨日(5/16)は鬼無里観光振興会が主催する「水芭蕉と新緑のブナ原生林ウォーク」に参加してきました。
天気は生憎の雨。標高は1,280mほどなので園内にはまだ雪が残っている場所もあり、思っていたよりも結構寒かったです。
鬼無里に移住して1年半。いくら入園できる期間が限られているにしても、さすがに「東京に住んでいるけど東京タワーに上ったことがない」的なニュアンスで「奥裾花自然園に入ったことがない」なんてことはちょっとダメだろうと思い、このタイミングで初入園となりました。
上の写真は野沢菜畑...ではなく、完全に見頃を過ぎてしまった水芭蕉。今年は例年より雪解けが早かったため、水芭蕉の開花も早く、連休あたりが見頃だったようです。残念...。
でも、一部ではまだ綺麗に群生している場所も少しだけ残っていました。今シーズンは今日までといった感じです。
園内の吉池にある巨木(写真中央)は推定樹齢400年、樹高30mのトチノキだそうです。
幹囲は4.6mとのことなので、単純に円周率で割った直径は約1.46m。なので75cmバーの付いた90㏄クラスのチェンソーだったらギリギリぐるっと回して倒せるな...などと思ってしまいました。
写真は吉池のものですが、園内にはクロサンショウウオの卵巣が浮いている場所があちこちにありました。
来月にはモリアオガエルの卵塊がたくさん見られるそうです(どちらも全部孵ったら相当気持ち悪そうですが...)。
園内のブナの多くは1本立ちしているものが多いですが、これは珍しく株立ちした迫力あるブナでした。
全部で10本近いのですが、思わずどれから順番に伐ったら安全に倒せるかなと枝張りや周囲の障害物をチェックしてしまいました。ちょいちょいおかしな職業病が出始めてます...。
鬼無里は地区内の7割弱がスギ(ほとんど人工林)で、石を投げればスギに当たるんじゃないかと思うほど、自分の生活圏においてはスギだらけの場所なのですが、奥裾花自然園は広葉樹ばかりで針葉樹もあったかもしれませんが、ほとんど見当たらなかったように思います。
また、植林された山の中に入るとツルに巻き付かれてとんでもないことになっているスギを見かけたり、今の季節であれば市街地から鬼無里に来るまでの406号線には藤の花がきれいに咲いている場所が所々にありますが、園内には針葉樹同様にツル科の植物も、無くはなかったですが比較的少なかったように感じます。
背の高いブナ、地面近くの水芭蕉やスミレ、中間層には香りの良いタムシバ(ニオイコブシ)や、アジサイのような白い花を咲かせるオオカメノテが育っていて、いつも見ている鬼無里とは全く違う景色を見ることができ、「もしかしたらこれが本当の鬼無里なのかも...?」と思うほど不思議な感じでした。今度は秋の紅葉を見に来たいと思います。