35歳 単身移住 ~植物たちの他者関係を思う~(篠ノ井信里地区 木村)
2020年12月 4日 | 活動内容: |
終わることのない耕作放棄地の整備に取り組んで、草刈は続いています。
11月も下旬を過ぎると、屋外で活動できる時間帯が一気に短くなりました。天気が良く、陽の高いうちは圃場作業に徹したいものです。
家の庭先に播種したソラマメ(さぬき長莢蚕豆)。
うっかり、埼玉での植え付けと同じ感覚でいたら、若干播種のタイミングが遅れたように思います。信里の地で越冬できるかはわからないですが、なんとか成長しようとしてくれている様子。
本格的な寒さが来る前に、本葉が5枚くらいまでになってくれることを願うばかりです。
10月初旬から耕作放棄地を開墾し始めて、最初の2枚の圃場では刈り倒した雑草をところどころに集めて燃やしています。週末には、アルミホイルに包んだサツマイモとともに草を焚くのが恒常化してきました。
草刈りだけでもやっておきたいと思う棚田はまだ数枚ありますが、焦らず取り組んでいこうと思います。
先日刈り取りが終わった3枚目の圃場は、2メートルを優に超える草本に覆われていました。土の環境が変われば、生えてくる草も変わり、植生の違いにはいろいろと考えさせられます。
面白いもので、植物というのは譲り合いと鬩ぎ合いという2つの他者関係を上手く使い分けていると教えてもらったことがあります。自然界にも境界線があって、これ以上は侵略しないという取り決めがあるそうです。
刈り取り前の上の写真は、分かりやすくススキとセイタカアワダチソウの不可侵条約のような境界線なのでしょうか。
他の草の芽吹きを抑える化学物質を出しながら領地を広げていくセイタカアワダチソウは、侵略しすぎると自らが滅びる事を知っていて、その境界線を悟ると自分たちの勢力にブレーキをかけ、他の植物に場所を譲ります。受粉にミツバチの力を借りるセイタカアワダチソウは、草の多様性がなければ自らも子孫を残すことができなくなるのです。駆逐されてきたススキは、逆にその化学物質を中和する能力を身につけて、両者はバランスよく共存し始めます。
譲り合いと鬩ぎ合いは、均衡しているからこそ成り立つもので、闘いではなく共存共栄なんですね。鬩ぎ合いの方が理にかなっていると思い込みがちな人間も見習いたいものです。
侵略的外来種などとして人間がどれだけ大騒ぎをしたところで、自然界の作用に人間が干渉などできないのは事実です。
人間の一代限りのスパンで考えるから、"侵略"という見方になり、"駆除"という言葉が出てくるのであって、子孫一体化の植物のスパンから見れば、新たな地で在来種になるための一時的な旺盛な繁殖でしかない。
それにしても、植物たちの他者とのバランスの取り方は凄いと思うのです。
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12月に入り、毎朝真っ白に霜が降りるようになると、寒さにもだいぶ慣れてきました。
今年も実家でたくさん収穫できた柚子で、ひと仕事やってしまわなければ。果汁は柚子ポン酢に、皮は柚子胡椒に、種は化粧水にします。
いつも本当に有り難いことに、一人では十分すぎるほどの野菜をいただきます。この冬、食料を買わずに越冬できるのではないかと思うほど。
大根、野沢菜、大カブ、ホウレンソウ、白菜、長ネギ 等々・・・
いただいた野沢菜を切り漬けにしたら、美味しすぎて早々に食べ終わってしまいそうなので、もう少ししたら本漬けをやってみようかと....考え中です。
柚子ポン酢をかけて、柚子胡椒をたっぷりのせた湯豆腐が最高においしい季節になりました。