長野市地域おこし協力隊はながのシティプロモーションの一環です

りんごの栽培って実はいろいろあるんです(中条地区 藤原)

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2020年5月18日 | 活動内容: |

中条地区の藤原です。

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5月の上旬。リンゴの花が満開になりました。
平地よりも1週間ほど遅い満開でした。
やはり気温差があるんだなあと実感。

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満開のリンゴ園。こんな感じの白い花が咲きます。

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蜂さん達が全力お仕事中。ご苦労さまです!!でもホントは君のことちょっと苦手です。

4月に植え付けた苗木からは葉っぱが出てきました。
苗木を植えてからは、ちゃんと生えてくるかなとドキドキの毎日。
この品種は成長が遅いんだなぁ。とか、こっちのは元気だなぁ。とか毎日畑をウロウロしながら成長を見守っています。

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葉っぱが出てきました。下の雑草と混ざって分かりづらい!!

今月は以前にも少し触れた、半わい化栽培について書いていきます。
なぜ僕が半わい化栽培を選んだのか。
まともに書くと長くなりそうなので、要点だけまとめておきます。
ご参考になれば。

 

一口に栽培方法っていっても色々あります。
まずは、主な栽培方法である①普通樹、②新わい化栽培、③半わい化栽培について記載していきます。

①普通樹
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2またに分けて樹形を作っていきます。横に大きく広がっていきます。

日本独自の栽培方法。
土地が肥沃で、雨の多い日本の気候に合わせて、先人たちが築き上げた手法。
台木はマルバカイドウ。仕立て方は開心形。(←「?」って方は、とりあえず無視して大丈夫)

〇メリット
・30年から40年の寿命があり、長く収穫ができる。
・美味しい実ができる。・・・と言われている。
(わざわざ栽培方法まで調べて食べ比べした訳じゃないんで、真偽は不明。ただ一般に高樹齢になるほど美味しい実が取れるといわれている。これはたぶん真実)。
・開園時の費用が安い。

✕デメリット
・樹が大きくなるため、作業性が悪い。
・収穫までに、植え付けから約10年かかる。

②新わい化栽培
DSC_0045_1589178421227.JPG
新わい化栽培は樹形が小さくなるため、支柱と導線で樹を支える必要があります。

樹を小さく育てる手法(わい化=矮化)。世界的にはこの方法が主流。
植え付け時に、トレリス(果樹棚)を作る。
台木はM9。仕立て方は、主幹形。(←「?」って方は、とりあえず無視して大丈夫)

〇メリット
・植え付けから4年目くらいで収穫が見込める。
・樹形が小さいため、作業性に富む。
・単位面積当たりの収量が最も高い。

✕デメリット
・寿命が約20年と短い。
・味は普通樹に比べ劣る(と、言われている)。
・開園時のコストが異常にかかる(後述)。

③半わい化栽培
DSC_0043_1.JPG
はじめは主幹形で育て、最終的に心を切り返し、4本主枝に仕立てます。

普通樹と新わい化栽培の中間をとったような栽培方法
樹形は普通樹ほど大きくはならない。
台木はJM2(マルバでも可)。仕立て方は開心形。(←「?」って方は、とりあえず無視して大丈夫)

〇メリット
・開園時の費用が安い。
・寿命は30年程度(と、言われている)。
・成木になるまで約7年で、普通樹よりは早く収量が確保できる。

✕デメリット
・新しい方法なので、実績に乏しい。

とまあこんな感じです。
とってもざっくり書いているので、詳細を知りたい方は、専門書などで調べてください。
またここで紹介した手法は一部で、
他にも、ジョイント工法(2つの樹をくっつけるという、エキセントリックな方法)だったり、
低樹高のうちに2股に分けていく方法(名前は忘れました)などもあります。
ご興味があればぜひ。

 

僕の場合、色々調べていって、大体この3択になりました。
この中でなぜ僕が③の半わい化栽培を選んだかというと、

1.普通樹はやはり作業性が悪い。
⇒今後を見据えていくと、新わい化か、半わい化のどちらか。
(現在のりんごの単価安を考えると、極力省力化し、できるだけ工作面積を増やしたい)

2.新わい化の費用
⇒トレリスを作るのに費用(10aで100万とも・・・)がかかる。そんな金ない!!
⇒75㎝間隔で植え付けを行うため、苗木の本数も他の栽培方法に比べ、けた違いに多くなる。
(10a当たりの苗木の本数目安:普通樹⇒10~20本,新わい化栽培⇒100~200本,半わい化栽培⇒30~60本)

3.西山地域の地質と地形
⇒長野市西部の西山地域では、粘土質の肥沃な土壌が多い。
⇒わい化として植えたはずなのに樹がデカくなってしまうこともある。
⇒わい化の意味がなくなる可能性がある。
⇒新わい化栽培は栽培可能面積の多い平地であれば有効だが、中山間地のように、なかなか栽培面積を確保できない場所ではデメリットの方が大きそう。

という訳で、半わい化を選びました。

勘違いしないでいただきたいのは、この方法が必ずしもいいという訳ではなく、
地質や環境、経済面を考えると「いま、僕が、中条でやる」のであれば、この方法がベストだったというだけのことで、
新わい化が向いている環境もあれば、ここにある方法以外が向いている環境もあると思います。
また自治体によって、費用の補助もあるので、実際にやられる方はそこまで加味して検討をお勧めします。

今後、リンゴ農家を目指される方が、どの方法にしようかと考えた時の一助になれば幸いです。

最後に今月の中条の景色でお別れ。

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満開のりんご畑から北アルプスを望む。

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メイポール。受粉樹。こんなピンクの花が咲くリンゴもあります。

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さくらと菜の花が満開の地京原から、北アルプスを望む。

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オリンピック道路からの北アルプス。左が鹿島槍ヶ岳。右が五竜岳。

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満開の山桜。

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ぶどうも芽が出てきました。リンゴのことばっかり書いてますが、ブドウもやってますよ。

窓を開けると、新緑の香りと鳥たちのさえずりで部屋中がいっぱいになります。
もうすぐ1年だなぁ。

ではまた来月。

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