長野市地域おこし協力隊はながのシティプロモーションの一環です

海外視察にいってきました。(中条地区 藤原)

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2020年1月28日 | 活動内容: |

こんにちは。中条地区 藤原です。

「経験なし、コネなしからの農業」第7回。

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ニュースでは雪がない、雪がないといわれていますが、本当にありません。
地域おこし協力隊として赴任する前に、初めて中条を訪れたのがちょうど一年前。
そのときの中条はどこも雪だらけ。畑も雪で閉ざされた状態でした。

ところが今年は、上の写真のとおり。まったく雪がありません。

雪かきやら、雪下ろしやら無くて生活するには楽ですが、
う~ん。季節が狂っている感じがして恐ろしくもあります。

果樹にも影響が出そうで怖いです。
自然には逆らえないので、個人としては祈るしかできませんが。

さて今月は海外販路の模索のため、長野県輸出協議会の海外研修に参加させていただきました。
行ってきたのは、近年、成長著しいタイとベトナムです。
その模様と感じたことを、ざっくりですがお伝えします。

①タイ(バンコク)

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東南アジアの中でも、特に急成長をしているのが、タイ。
その中でも、中上流層~富裕層が多く住んでいるのがバンコクです。
また、日本の現地法人も数多く進出しており、日本人も多く住んでいます。
急成長を物語るように街中では、盛んに「壊す」と「造る」が行われていました。

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日本食への関心も高く。ショッピングモールの中にはそこかしこに日本語が。

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ショッピングモール内のスーパー。

並んでいるのは、ほとんどがアメリカ、中国、韓国産。
それらが1個50バーツ(約180円)位なのに対して、日本産「ふじ」は200バーツ(約720円)。
日本産高っっっ!!!
それでも日本産への需要はあるそうです。
「made in Japan」のブランド力は伊達じゃない。

タイでは大きい品種が喜ばれるそうで、「世界一」はどこのスーパー行っても売ってました。
仏教圏なので、お供えものとして大きい品種が喜ばれるそうです。
逆に蜜入りリンゴは敬遠されるそうです。腐ってると思うんだそうです。日本とは真逆です。

また、タイ人の嗜好は「甘い」とか「辛い」とかはっきりした味を好むそう。
塩味や酸味は苦手なようで、「シナノゴールド」など酸味の強い品種は中々売れないそうです。
(・・・あれ?トムヤムクンって。酸っぱくない??)
一番売れるのは、「シナノスイート」だそうです。

ぶどうは時期的にほとんどありませんでしたが、ブドウもシャインマスカットを中心に人気だそう。
ただ市場には韓国産、中国産がほとんどで、そっちが原産国だと思っている現地人も少なくないそうです。
輸出に関して、日本は後進国だなと思ったエピソードでした。

②ベトナム(ホーチミン)

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続いてベトナム。こちらも成長中。
なんと全ベトナム人の平均年齢が20代後半!!とにかく若い人が多かった。
とはいえ、タイに比べるとまだまだ遅れている印象。
でも個人的にはベトナムの方が好き。

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絶対に入っちゃいけない雰囲気のアパートの屋上にこんな空間が。

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イオンモール内のスーパー。並んでいるのはほぼアメリカ産。
1㎏65,000ドン(約320円)。桁が大きいので、大金持ちになった錯覚に捉われます。

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左から、「世界一」469,000ドン(約2300円),「ふじ」259,000ドン(約1300円),
「ジョナゴールド」209,000ドン(約1000円)
 やはり日本産高い!!

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春節の時期だったせいか、贈答用がいっぱい並んでました。

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地元市場。狭い通路でもバイクは普通に入ってくる。

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地元市場。見つけられたリンゴはすべてアメリカ産。

ベトナムは国内農業が強く、それだけに輸入農産物には厳しい規制がかかっています。
日本産はタイ以上に少なかった。
でも地元の市場には、アメリカ産が普通に並んでいた。
「トランプ恐るべし・・・;」(トランプの功績かは知らないけど・・・)
実際食べてみました。味はノーコメント・・・。日本のクオリティの高さを再認識しました。

現地ガイドに話を聞いたところ、やはりベトナムでも「made in Japan」ブランドは強いとのこと。
ただ規制が厳しいので、出回らない。あとやっぱ高い!!りんご1個2000円って・・・。

そんな感じで、タイ2泊,ベトナム2泊で行ってきました。
お腹の弱い自分としては、終始、腹痛との闘いでした。
ちなみにそこら辺のトイレにはトイレットペーパーがありませんので、旅行される方はご注意を。

タイ,ベトナムを通して感じたことは、JAPANブランドは非常に信頼されていること。一方で日本は輸出後進国であること。
です。

日本の輸出が進まない理由を、「タイにリンゴを輸出しようとしたとき」を例に、生産者の立場から考えてみます。
※以下の例はリンゴの場合です。メロンなどの一部品目は下に書いている以上にハードルが上がります。

輸出しようとしたとき、超えるべき主なハードルは、
①生産園地の登録(無料)
②選果・梱包施設の登録(有料)
③信頼できるバイヤー(サプライヤー)業者とのつながり
の3点です。(※国によって異なります。規制が緩い国は競争が激しくなります)

特に、②は初期の登録に30万円程度(規模にもよります。3年間有効)。その後更新に年5万。
3年経つと新たに登録しなおすことになります。
つまり、3年ごとに30万+5万×2=40万の費用がかかることになります。
一方で、海外輸出向けの卸値はどうか。(もちろんここはバイヤー業者との契約内容によりますが、)答えは、国内への卸値と変わらない場合がほとんどだそうです。

つまり、生産者としては、国内に卸そうが、国外向けに卸そうが販売価格は変わらず、むしろ登録料の分だけ手取りはマイナスになります。
なので、JAや大きな農業法人などの団体でやる場合は別として、個人でやるにはメリットはなく、デメリットが大きいのです。
実際、タイ、ベトナムで見た日本産リンゴのほとんどはJA青森のものでした。

すなわち個人単位ではなく、大きなグループになっていくこと、または既存の大きなグループが率先して取り組んでいくことが輸出においての必要条件になるのですが、様々な理由で、日本ではその動きが鈍く、これが日本産の海外進出が進まない理由の1つだと感じました。

じゃあ、「日本だけで流通回してればいいんじゃない?」とも思いますが、国内農業の先行きの閉塞感や、10年後、20年後を見据えたときに、「本当にそれでいいの?」とも思います。

今回は輸出における一部を見させていただくいい経験になりました。
ただこれだけで判断することは出来ないので、今後も情報収集しながら引き続き検討していきたいと思います。
ここは本当に地域おこし協力隊の立場をうまく利用させていただいています。
独立まであと2年半。これだけの猶予をいただいているので、その中でじっくり考えていきます。

さて、来月は栽培の方に戻っていきます。実はメチャクチャ楽しみなことがあります。
詳細は来月!!

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