vol.7~つくり人たちの山仕事「道こせ」~(戸隠地区:西濱)
2018年10月 4日 | 活動内容: |
戸隠地区担当の西濱です。
前回、vol.6~つくり人たちの山仕事「巻竹採り」~をお届けしました
vol.7では~つくり人たちの山仕事「道こせ」~についてお伝えします!
---------------------------------------------------------------------------
「道こせ」は10月1日の「つくり竹の山の口」前に行う山道の整備
①土を袋に詰めて土嚢をつくる
②各山道に土嚢を運び敷き詰める
この2つが大きな仕事!
そしてとても「よもたく(重たく)」土嚢を車に乗せたり下ろして敷いたり
なんとも「なぎい(辛い・きつい)」仕事でもあります。
(今年もせっせと土嚢をつくります。「こういう仕事は休憩が大切」とつくり人は言います)
---------------------------------------------------------------------------
『山仕事はつくり人たちの交流の場』
昨年は約1200袋の土嚢をつくり運びました。今年も約1,000袋!
その中には83歳のつくり人たちも混ざり、だれよりも力強く働きます
それもそのはず!この年代のつくり人の多くは、当時の営林署に努め
日々山を歩きまわっていたのです
しかし、慰労会で手伝った女性陣ばかりが褒められるため
「俺たち年寄りも褒めてもらいたい。。。。」
と、本音が出ていました
山仕事は最初にも出たように「なぎい仕事」です
9月の若竹採り・割りが連日続き体もヘトヘトな中
10月の竹採りに備えて、もう一働き。。。
そんな中、秋晴れの空の下、竹細工の森の中を走るのは
なんとも爽快でつくり人たちと竹の話で繋がれる大切な交流の場所でもあるのです
(いい天気だなと、つくり人。いつも私のお世話をして下さっているお一人です)
(「いつも写真を撮ってどこに出しているんだ」と、いつも私のお世話をして下
さっているもう一人のつくり人。「一緒に山に行くのが楽しい」と嬉しいことを
言ってくれます)
---------------------------------------------------------------------------
『つくり人の山仕事の足跡』
さて、つくり人が仕事を終えると
(車に積んだの土嚢を足場が良くない箇所に置いていきます)
(つくり人が通った後には、土嚢が点々としています)
後日談として・・・10月1日の「つくり竹の山の口」が始まり
土嚢を敷いた箇所を通ると道の真ん中にポツリと土嚢が出ていました
「イノシシの仕業だな」とつくり人は言います
私たちが竹を採る森は、クマ・イノシシ・シカの住む森です
互いの足跡や痕跡を残しながらこの森の中で共存しています
---------------------------------------------------------------------------
(番外編)
『森の中の名前は思い出の場所』
ここには載せられないのですが、私たちが竹を採る森の箇所箇所には
昔から口述で伝えられている名前があります
私はきっとどちらかというと感傷的で
80代のつくり人たちが「中学生の頃に〇〇で親父と竹採りをした」
「車が無くてウマに背負わせて歩いたもんだ」など
森の中の名前と共に話す昔の話が大好きです
森の中に入ると、つくり人たちが話してくれた話を思い出します
そのたびに、今はもういない戸隠の竹細工を受継いできたつくり人たちが
この場所でどんなふうに竹を採り・運び・つくっていたのか
想いを馳せながら、今こうして同じ場所で竹を採れることに
とても感謝しています
その思いを次の代に継ぎたくて、つくり人から教えてもらった
森の中の名前を地図に落としてみました
これは私の宝物です。
そして、つくり人たちが教えて残してくれる足跡をみて
次のつくり人になる人たちが、同じように森を大切に思い
竹を大切に思い竹採をしてくれることを願っています
---------------------------------------------------------------------------
次回vol.8~竹細工の森を守っていた、もう一つの生業~をお届けします
前回vol.6で少し触れた戸隠にあったもう一つの生業が
戸隠の竹を守ってくれていたのだと竹を採るたびに思います