vol.5~つくり人たちの山仕事「道刈り」~(戸隠地区:西濱)
2018年9月 7日 | 活動内容: |
戸隠地区担当の西濱です。
前回、vol.4~つくり人から生まれる竹細工のカタチ②~をお届けしました
vol.5では~つくり人たちの山仕事「道刈り」~についてお伝えします
(広い戸隠竹細工の森。全て手で草刈りをします)
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戸隠竹細工のつくり人たちの山仕事は大きく3つあります
①春の「筍番」(筍を守るために巡回して見張る仕事)
②秋の「道刈り」(竹採をするための山道の草刈り)
③秋の「道こせ」(竹採をするための山道への土嚢づみ)
①の筍番はvol.1でご紹介していますので気になる方はご覧ください!
http://nagano-citypromotion.com/local_pr/2018/06/vol1.php
『つくり人たちの山仕事「道刈り」』
先日、つくり人たちによる「道刈り」が行われました
この「道刈り」とはこれから採り始める竹を背負って運ぶために
山道の下草や笹を刈り、道幅を広げる仕事です
竹採りの場所は広域で、山道も何本もあるため
山の下から上まで何か所にも分かれて仕事をします
先ほど少し触れましたが、"竹を背負って運ぶために道幅を広げる"
ということを実際に見ていただくと
(竹の長さ約2m。笹やぶのままでは、背負って出ることができないのです)
『戸隠竹細工で使われる根曲がり竹の採取方法』
①山に入る
②山道の両脇にある竹ヤブに入って竹を採る
③竹の長さを揃える
④竹をまとめる(丸ける)
⑤背負って山から下りる
この①から⑤を9月から雪が降り積もるまでおこないます
1回に背負う重さは人にもよりますが、その重さは約40㎏にもなります
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(番外編)
『若竹の山の口』~戸隠竹細工に"理(ことわり)"がある意味
記述として残されている資料では江戸時代に戸隠竹細工は始まりました。
戸隠の中社地区の人々だけが行えた戸隠竹細工のつくり人は
今は30人程度となですが、最盛期は120人以上いたといいます
つくり人が多かった時は、山の中は竹採の人で溢れていて
山の中にいくのも、ちっとも寂しくなかったと
熊との武勇伝を交えながら皆さん語ってくれます
反面、良い場所を確保するために誰よりも早く家をでたといいます
それくらい竹採りは良い場所と竹を求めた戦いでもありました
そんなつくり人たちの中で決められた"理(ことわり)"の一つが
山の解禁日となる「山の口」です
抜け駆けはダメ!山の中に今日から入って竹採りを始めていいよ!
という戸隠竹細工が今も合図でもあります
今回おこなった「道刈り」も「若竹(今年出てきた竹)の山の口」
に併せた山仕事なんです
こうやって一つ一つ知るごとに、大切に守られてきた山仕事の意味の深さを
身をもって感じる。それが戸隠竹細工の面白さでもあります
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次回、vol.6~つくり人たちの山仕事「巻竹採り」~
まだまだ続く戸隠竹細工の竹採の奥深さをお届けします