vol.2~戸隠竹細工のつくり人の「条件」と「心得」~(戸隠地区:西濱)
2018年7月 7日 | 活動内容: |
戸隠地区担当の西濱です。
前回、vol.1~つくり人たちの山仕事「筍番」~をお届けしました
vol.2では~戸隠竹細工のつくり人の「条件」と「心得」~についてお伝えします
(戸隠の蕎麦ざるを支えるつくり人)
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vol.2:戸隠竹細工のつくり人
『つくり人になる』
戸隠竹細工のつくり人になるためには、
1.戸隠地域に住み
2.戸隠中社竹細工生産組合の組合員になる
この2つが条件です。
それは、竹細工の材料となる"根曲がり竹(別名:チシマザサ)"
を山に入って採ることは戸隠中社竹細工生産組合にのみ許されたことだからです。
戸隠竹細工は、昔より戸隠地域の中でも中社地区に住む人々の仕事でした。
高冷地で作物が育たないこの地で人々が竹を採り竹細工を作ることは
中社地区の人々だけが行える大切な生業だったのです。
そのため、その大切な竹を絶やさないように、つくり人たちは
必要以上に竹を採らないように乱獲を禁じ、竹細工を守って来ました。
その精神が今も受け継がれ、山に入り竹を採る人に決まりがあるのです。
『つくり人の心得』
つくり人には、いつの時代も忘れてはいけない大切な心得もあります
1.「戸隠の良い材料」
戸隠の山に自生する良質な根曲がり竹使うこと
2.「鍛えられた技」
自ら山で根曲がり竹を採り・加工・仕上げをすること
3.「暮らしの用」
人々の暮らしを豊かにする丈夫な道具をつくること
根曲がり竹は細いため、1本の竹から4本の材料しかとることができません。
その貴重な竹は自ら背負って山から降ります。
人によっては1回で背負う重さは約40㎏(私は20kgと少しが今は限界です。。。)
体を使って運ぶその貴重な1本を、カゴが丈夫になるように、材料を選別し
箇所箇所に材料を多く使い人々の暮らしを支える道具が作り続けられています
(竹を背負うつくり人の背中)
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次回、vol.3~つくり人から生まれる竹細工(仮)~では
竹細工の魅力の一つ、暮らしの中で変わっていく表情についてお届けします!