ありふれた田舎、信更に人を呼び込む方法
2016年12月 6日 | 活動内容: |
信更地区担当の窪美です。
12月に入ったので、今年1年のまとめを。
信更地区の協力隊のミッションとしては、
『移住定住の促進』、『都市と農村との交流事業』と2本の柱があるが、
ここでは都市と農村との交流事業について振り返ってみたい。
都会や海外からやってきた若者たちと地元の方々との交流
そもそも、都市と農村との交流を図るためには、
都会から人を呼んでこなくてはいけないのだが、
信更にはこれといった観光名所があるわけでもないため、
外から人が訪れることはほとんどない。
しかし、自分自身が移住者として、
この地域に住んでみて感じたのは、
信更町にはお宝がごろごろ転がっているっていうこと。
いわゆる観光名所ではなくても、
いや、むしろありふれた田舎だからこそ、
本当の日本の素晴らしさを体験出来る面白い場所になるのではと思った。
ただし残念ながら、
そのお宝がそのままでは、全く輝いていないのも事実。
特に地元の人にとっては、
あって当たり前のただの石っころみたいなものなので、
その魅力や素晴らしさを伝えるためには、
そのお宝を磨き上げたり、魅せ方を工夫する必要がある。
そのためには、
外部からの視点をもった都市の若者や外国人のアイデアが重要。
そこで、世界中の若者たちが参加する
「合宿型のボランティア活動」、ワークキャンプの開催を計画した。
彼らボランティアは、
地元の人々との交流や異文化体験を求めていて、
訪れた地域で自分の特技や力を生かしたいと考えている。
信更みたいな中山間地域はまさにうってつけの場所。
ここでもう少し詳しくワークキャンプについて説明すると、
世界各国からの若者たち、10~20名程のボランティアが参加して、
地域の取り組みを応援する「合宿型のボランティア活動」。
地域の側では、ボランティアの宿泊場所を用意。
食事は、自炊の場合が多いのだが、
地域によっては食事が提供される場合もある。
期間は、1~2週間のものから、
6ヶ月以上になる長期間のものもあり、
地域のニーズに応じて、
環境・農業、福祉・人権、文化・教育等の様々な
ワークが行われている。
ちなみに、
ボランティアの募集は、
日本各地でワークキャンプを企画・運営している
NPO法人NICEを通じて行った。
信更でのワークキャンプは、
荒れてしまったかつての里山の道を
トレイル(遊歩道)として再生するための
ボランティアを中心に計画。
それ以外にも、
郷土料理教室(おやき、手打ちそば)への参加、
学校訪問等、信更町にある見どころを訪ねることで、
彼らにとって魅力的なものを発見してもらえるはず。
これらの活動を通して、
信更の様々な場所を回ったボランティアは、
地域の魅力を発掘するワークショップを行う。
ワークショップの成果は、地域の方々を前に、
『信更に都会や海外から観光客を呼び込む事業アイデア』
として発表することになる。
このような計画を立てたのが、今年の1月。
計画だけは立派だけど、このままでは絵に描いた餅。
『こんなところに人(外国人)が来るのか?』
という疑問の声も聞こえてきたけど、
根気強く根回しをして、
なんとか開催にこぎつけることが出来た。
ある意味、一番大変だったのが、この部分。
ひとたび開催が決まれば、後は淡々と実行するだけ。
まずは、5月のゴールデンウィークに
日本人限定のワークキャンプを開催。
参考記事
五感を使ってルーデンス
8月には外国人も参加する『国際ワークキャンプ』を開催。
参考記事
おいしい信更、おいしいんこう!!
9月、10月にも反省点を改善しながらの連続開催。
その結果、これまで外から人が来ることの少なかった信更に、
延べ65人もの人たち(9ヶ国14人の外国人を含む)が訪れた。
これには、田植えや稲刈りをメインにした、
週末1泊だけの週末ワークキャンプの参加者も含まれる。
(ワークキャンプ合計日数:51日)
こうしてみると、交流人口の増加を図るという意味では、
一定の成果を上げることが出来たと思われる。
今後もワークキャンプを継続していくのは、
もちろんだが、ワークキャンプ参加者が発見した
お宝やアイデアを参考にして、
地域のお宝を活用した事業を創り出して、
地域の活性化につなげていきたいと考えている。
うーん、今回はいつにも増して、
真面目な記事になったようだけど、たまにはいいか。