もういいかげん一年が豆腐を中心に回っていることを認めようぜ
2015年12月 3日 | 活動内容:その他 |
大岡地区担当、飯島豆腐店の飯島です。
早いもので、今年も師走がやってまいりました。僕が今年このブログに登場するのは、これで最後です。拙い文章を読んでいただいたみなさま、ありがとうございました。
ところで、みなさんの人生では、なにを中心として一年が回っているでしょうか。"仕事"でしょうか、"遊び"でしょうか。"家庭"なんて大人な方もいるのかも。ですが、実はそんなものは全部見せかけの虚構に過ぎません。そう、一年はすべて"豆腐"を中心に動いているのです。
春
4月初旬。木々の芽吹きに先行して、雪の間からフキノトウが顔を出します。摘んで帰って蕗味噌にし、豆腐にのっけます。
遠く離れた日本海では、ホタルイカの群れが神秘的な光を放ちながら接岸します。網ですくって沖漬けにして、豆腐にのっけます。
今年は7年に一度の善光寺御開帳でした。地域のPRブースで、大岡地区の凄腕味噌作り集団・女性ネットワークさんとコラボ。最強のみそ汁ができてしまいました。
5月になると、山菜たちが勢いよく地上へと侵攻してきます。一方、人間サイドは農繁期で連日クタクタ。そんなときはギョウジャニンニクでも食べて元気を出しましょう。栽培している方に貰って、ひき肉と炒めて豆腐にのっけます。
少し遅れてタケノコたちも天を突き始めます。信州アウェイの洗礼のひとつ、サバ缶を入れるみそ汁。試した者にしか見えない世界がそこにはあります。
夏
夏といえば祭り。お盆に行われるひじり三千石祭りには、外から帰ってきた人たちも大勢やってきて熱気むんむん。そんなときはさっぱり冷奴がいいですね。
標高が高い大岡とはいえ、暑いもんは暑いのが夏ってやつです。夏バテ防止におろしニンニクなんていかがでしょう。30秒ほどレンチンしてすりおろし、豆腐にのっけます。全薬味界騒然の美味さです。
秋
大岡小中学校の給食に、かきたま汁として僕の豆腐が登場。当日は僕も学校へ行き、懐かしい給食の味にしみじみ・・・する間もなく、めずらしくちゃんとした服装してることを生徒たちに延々イジられ続けました。豆腐はどうだったんだ豆腐は。
ふと魔が差して"赤ん坊"を誘拐してきてしまいました。もちろん"赤ん坊"は方言です。通報はしないでください。豆腐&豚肉と炒めます。赤ん坊のくせに、ほろ苦いオトナなお味。
山村留学大岡ひじり学園の収穫祭では、豆腐田楽屋を出店してきました。2年前の学園生が作った味噌を豆腐に塗って、こんがり焼きます。こんなの、なにをどうやったって美味いに決まってます。
冬
そして冬がやってきました。あったかい豆腐が食べたいでしょう?まずは大岡小中学校給食第2弾・揚げだし豆腐。前回、僕が自己紹介で好きだと言ったら叶えてくれました。のってる大根おろしは小学生が栽培したヤツ。
そしてこの先かかせないのが湯豆腐です。もはや説明不要。いつまでも寒い寒い言って縮こまってないで、さっさとコタツで湯豆腐食って寝ろ!
豆腐的ライフスタイルの侵食
こうしてみると、四季折々の豆腐を堪能してきたことが如実に見て取れますね。寒さ暑さに合わせて食べる豆腐を変えているのか、はたまたそれぞれの豆腐が食べたくて季節の変化を言い訳にしているのか。
みなさんの中にも後者の自分がきっと潜んでいるはず。結局、みんな豆腐に振り回されているんだ。それを認めたくなくて、必死で言い訳を考えているんだ。
来年こそは理性を解き放ち、豆腐を欲する心へ素直に身を委ねましょう。豆腐があなたのライフスタイルを侵食し、もう後戻りできないところまで行ってしまうかもしれません。でもそれでいいんです。世界は豆腐を中心に回っているのだから。