永遠の夏休み@大岡
2015年9月17日 | 活動内容:移住・交流 |
大岡地区鈴木です。
棚田が黄金色のじゅうたんとなる秋、そろそろ稲刈りが始まります。
白いのは蕎麦の花、まるで雪みたいで、特に夜明けの景色は幻想的です。
この美しい風景と、実りの秋の訪れに心躍る大好きな季節ですが、大岡の短い夏が終わったのかな‥と寂しさも感じます。
大岡の夏は、暑くても湿度はそれほどでもなく、高原なので時々風も吹くし、木陰に入れば汗も引き、近年の猛暑は他人事、爽やかで気持ちの良い季節です。
動植物も一番元気な時期、生命の息吹と風情を感じます。
(毎朝ピーチク鳥がうるさくて寝てられない、雑草は猛り狂い、畑と自宅に虫の来客多数、毎日草刈りしてたら夏終わった)
東京在住時、冷房が苦手で、近年の猛暑と熱帯夜に体力を奪われて、ここであと何年夏を越さなきゃならないんだ‥と思ってましたが、優越感すら感じてしまいます。(←冬のことは忘れて)
子供の頃、毎年夏休みに長野に遊びに行っていましたが、いなかのなかった私は、何よりもそれを楽しみにしていました。
山で虫や花を採ったり、冷たい川に飛び込んで泳いだり、畑の脇を歩いていたら、地元のおばあちゃんにきゅうりとトマトをもらってかじったこと、そのみずみずしさと美味しさは、今でも忘れられません。
鳥や虫の鳴き声、木々と土の匂い、どこまでも続く草原、一面の花。
都市にはない、夜の闇や静寂。真っ暗な外のトイレが怖くて、友達と二人で入った。
何かが棲んでそうな古い家では、なかなか寝付けなくて、天井の木目をずっと数えていた。
妖怪や神様がいるのって、こんな場所なのかと思った。
テントを持って山に登り、湧き水が冷たくて美味しかったこと。
夜中にテントから這い出すと、落ちてきそうな満天の星空に圧倒され、いつまでも眺めていたこと。
そんな記憶の中の夏休みを、時々思い出しては懐かしんでいましたが、その"夏休み"の中で生活している私がいます。大岡の夏は、そんな場所です。
(住んでる地区の水の神様のお祭。台風が来ないよう、豊作を祈念し、獅子舞を奉納する。)
(お種池の清流。真夏でも10℃前後で、地域の田畑や生活を潤している。)
あの記憶を追い求め続けて、家庭菜園や登山をするようになったり、ついには長野に住んじゃった、私の原点。
ジム・ジャームッシュの「パーマネントバケーション」で、人生とは終わりのない旅‥という内容の台詞がありましたが、いま私はそんな旅の途中なのかもしれません。