鬼無里「食の風土記」完成によせて
2015年3月15日 | 活動内容:文化・行事 |
こんにちは!鬼無里No.3のきのっぴーです。
春は名のみの風の寒さや
週末に降った雪で冬に逆戻り?3月中旬なのに。
でもここ2日の間の晴天で道路の雪は殆ど消えました。
今回は古民家関連はちょっとお休み、、、
以前、鬼無里の「食の風土記」のための絵を描いている、と
描きかけの絵を載せたことがありました。
(記事はこちら:「冬籠りして絵描いてます」)
その鬼無里の「食の風土記」がついに完成し、
北陸新幹線開業で世間が湧いていた3月14日には
発刊記念式典が晴れやかに行われました。
(詳しい内容は、西田両隊員がこのブログ「食文化を知ると楽しい」や
Facebookに掲載しています。)
当日は郷土料理の振る舞いや昔使われていた民具の展示もありました。
↑ピントはボケていますが、しょうゆしぼり機です。
醤油、自家製してたとは聞いていたのですが、
こういう道具を使って作っていたんですね。
鬼無里の各地区からも沢山の人が詰めかけ、
私も少しだけですがお手伝いをさせてもらいました。
「干葉(ひば)のおこがけ」、うわさには聞いていましたが
私は目にするのも口にするのも初めてでした。
盛りつける傍から、皆さん口々に「うわぁ、なつかしいねぇ!」
あらかじめ茹でておいたお椀一杯分のおソバを、
ラクロスのラケットのような、竹で作った網杓子に入れ
菜っぱ(野沢菜?)を干した「干葉」を使った味噌汁の鍋の中で
ササッと湯がいて温め、再びお椀に盛ってお味噌汁ごといただくのです。
「食の風土記」によれば「冬のケ(普段)の食事」の1つであり、
ハレ(お祝いとか特別な節目や行事)の食事ではないのですが、
目の前であの網杓子でササッと湯がいて出してもらったら、
現代では立派な「ご馳走」なのではないだろうか?と思います。
身欠きにしんと炊き合わせた「アザミの煮物」も、
そのほかのお料理も、みな手間暇がかかっている。
こんなお料理を味わえることのなんと贅沢なことか!
作ることのなんと大変なことか!
そして、こういう手の込んだ郷土のお料理は
都会の若い人たちの口に入る機会が無くなりつつあることに
一抹の寂しさを感じずにはいられません。
また、お土産の1つとして鬼無里地区の「やしょうま」が配られました。
以前、大岡地区の華やかな「やしょうま」作りが紹介されていましたが、
(記事はこちら「【大岡】やしょうま作り教室」)
お土産でいただいたやしょうまはとても素朴。
お釈迦様の命日2月15日や、月遅れの3月15日に
お供えするのだそうです。鬼無里では月遅れでお供えのようです。
3月14日の式典の際は、お土産の他に
油で揚げたやしょうまが提供されました。
お醤油を付けていただきましたが、おいしかったです!
愛知県にも米粉を練って蒸かす「おこしもの」というものがあります。
米粉を練って木型に入れて形を作り、食紅などで色を付け蒸します。
柔らかいうちに砂糖を入れたお醤油を付けて食べます。
鬼無里の「やしょうま」を食べた感じでは、
「ういろう」よりも「おこしもの」の方が近いかな。。。
「おこしもの」はお雛祭りに出されるんですけどね。
それぞれルーツは違うのか詳しくは知らないのですが、
全国にも米粉を練って蒸したお菓子ってありそうですね、
お米の国ですものね。
実はルーツは日本を飛び出して東南アジアだった、インドだった、
いやいやアフリカだった、なんていう結論になったりして?
(「ならねーよ!」と突っ込み入れたくなった方、
心の中だけでお願いします)
完成した「食の風土記」をドキドキして開くと。。。
私が描いた絵が掲載されていました!
一枚だけですが、貢献できて嬉しい!
ただ、「よくもまぁこんな絵のレベルで」と思うと顔から火が出そうですが。。。
でもって、いけしゃあしゃあとここでも見せちゃってますが。。。
無理やり何とか絵を使っていただいたと思われ、
申し訳なさと感謝の気持ちが入り混じっています。
長野市地域おこし協力隊(鬼無里) 木下 恵美子