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No.496

尭部

さん、直人さん

ドライブスルー専門店COFFEE STAND オーナー(尭部 萌さん)、キッチンカー&キャンピングカーTIPPER 代表(尭部 直人さん)

「自分が楽しいか」の視点を大切に、夫婦で創り出す“働きかた”

文・写真 くぼた かおり

中野市や飯山市へと通じる国道117号線沿いの広い敷地に、何やら気になる巨大な倉庫と、隣接するちいさな箱型の建物。時折その建物には、車が横付けしています。立ち寄ってみると、笑顔の素敵な女性が「いらっしゃいませ」と声をかけてきました。なんとここは、個人で経営する“ドライブスルー専門”でコーヒーを提供するお店でした。その背景には、自分らしい働き方を模索する夫婦の姿がありました。
 

旅が好き、だから移動できるキッチンカーを選んだ

2023年12月にオープンした「ドライブスルー専門店COFFEE STAND」。その名のとおり、ドライブスルーで気軽にコーヒーを購入できるお店です。
ドライブスルーと聞くと大手ファストフードやコーヒーのチェーン店を思い浮かべますが、それに負けず劣らずのバリエーション豊富なメニュー数を揃えているのが特徴。オープンしてわずか3カ月で25種類まで増えたドリンクメニューを作るのは、オーナーでバリスタの尭部萌さんです。
 
ドリンクの注文や提供をする際は、ひと言でも会話をすることを大切にしているという萌さん
▲ドリンクの注文や提供をする際は、ひと言でも会話をすることを大切にしているという萌さん
 
「以前に宮古島にある下地空港のカフェで受付やドリンクを担当していました。そこでさまざまな冷たいドリンクのバリエーションを学びました。コーヒーの知識は開業を決めてから通信講座で勉強をしてバリスタの資格を取得しています。メニューを考えるのはすごく楽しくて、これを組み合わせたらおいしそう!と日常生活の中で思い浮かぶことが多いです。あと、これまでいろんなところを旅し、そこで見てきたものにも何かしら影響を受けているかもしれません」(萌さん)
 
話しを聞けば、これまでに中南米やインド、国内も各地を一人で旅をしてきた萌さん。23歳のときには1カ月間かけて1人でアメリカ横断もした大の旅好きです。その道中で出会った日本人は大阪出身の人が多く、彼らから良い影響を受けたこともあって、帰国後は視野を広げようと大阪に引っ越しました。
 
「大阪には23歳から2年間いました。旅をすること、移動をすることが好きなので、働きながらいろんなところに出かけていました。当時からいつかは自分で店をやりたいと思っていましたが、店を持つのではなく移動できるキッチンカーで飲食販売ができたらと漠然と考えていたんです。それでキッチンカーを製造・販売している会社をネットで調べて見つけたのが、夫の直人さんが経営するキッチンカーとキャンピングカーの専門店・TIPPERでした」(萌さん)
 

予想よりも製造コストが高かったキッチンカー。「自分で作ってみよう」が起業のきっかけに

夫の直人さんは京都出身で、高校卒業後は父のすすめで自衛隊に入隊。航空自衛官として鳥取にある美保基地の本部で人事業務などに従事していました。
 
「3年の任期満了で退職して、キッチンカーを使った飲食事業を始めようと考えたんです。そこでキッチンカーを販売している会社を調べてみたのですが、当時は製作会社も少なく、費用も高額でした。そのタイミングでコロナが蔓延して、今後キッチンカーが社会に必要になると確信して、低コストでキッチンカーを製作出来るTIPPERを作ろうと思いました」(直人さん)
 
こうして自分と同じように資金面で迷っている人たちの後押しができるような価格帯でキッチンカーを製造・販売しようと起業を決意。2022 年から京都市を拠点にし、低コストで高品質なオリジナルキッチンカーの販売を始めたのです。
 
写真のキッチンカー(軽トラックタイプ)はボックスタイプ(車体別)を118万で製作可能。軽バンタイプなら39万円から製造できる(車代は別途)。お客さまの要望に合わせて、保健所に対応したものを製造してくれる
▲写真のキッチンカー(軽トラックタイプ)はボックスタイプ(車体別)を118万で製作可能。軽バンタイプなら39万円から製造できる(車代は別途)。お客さまの要望に合わせて、保健所に対応したものを製造してくれる
 
「TIPPERは直訳すれば“チップを上げる人”になりますが、TIPには“応援”という意味もあることを知りました。自分が作ったキッチンカーでこれから夢を叶えようとする人を応援したい。そんな思いを込めています」(直人さん)
 

長野市豊野町で見つけた、それぞれがやりたいことを叶える場所

キッチンカーの相談をしに萌さんがTIPPERを訪ねたことがきっかけで知り合った2人は、その後結婚。ほどなくして京都の事務所が手狭になってきたため、新しい事務所を探し始め、そこで生活の拠点を萌さんの実家がある長野県に移しました。
 
「当時はイベントに合わせてドリンクだけでなく食事メニューも出していました。新型コロナの影響で外でテイクアウトできるキッチンカーは需要があって、予想よりも集客を得ることができました」(萌さん)
 
一方の直人さんはその後も受注の関係でしばらくは京都と長野を行き来する生活が続きました。早く拠点を持ちたいという思いが募り、不動産屋に相談するだけではなく、地図上で気になる土地や建物を探しては実際に見に行くなど、積極的に動いていたと言います。
 
京都で事業をしていた当時から働いていたスタッフの溝川さんも長野市に移住してくれた
▲京都で事業をしていた当時から働いていたスタッフの溝川さんも長野市に移住してくれた
 
「ドライブスルーができて、キッチンカーの製造もできる場所を探していましたが、なかなか良い巡り合わせがありませんでした。範囲を長野県全域に拡げながら探し、2カ月ほどして出合ったのが豊野町のこの物件です。TIPPERが使っているガレージは、もとはりんご農家さんが、その後は飲食店としても使われていたものです。駐車場スペースもとても広くて、これだ!と決めました」(直人さん)
 
敷地の一角に立つCOFFEE STAND。まるでお店のような佇まい
▲敷地の一角に立つCOFFEE STAND。まるでお店のような佇まい
 
その大きなガレージの横にあるちいさな建物が、萌さんが営むCOFFEE STANDです。限られたスペースには両サイドにカウンターが設けられ、エスプレッソマシーンやドリップコーヒーメーカー、ミルクウォーマー、ミキサーなどが整然と配置されています。外観や内装には木材をふんだんに使っているのも特徴で、プレハブにありがちな簡素な印象はまったくありません。さらには夏の暑さや冬の寒さにも対応できるようにと断熱材を加え、雨天や降雪にも対応できるようにサンシェードも取り付け、エアコンや暖房器具も備わっています。
 
現在では国道側に大きな看板も付いて、道行く人も「ここは何だろう」という興味で立ち寄ってくれることも増えてきました。広い敷地を活かしてさまざまなニーズに応えようとドライブスルーだけではなく、テラス席や個室スペースもつくって、自由に休憩できるようにしています。
 
色合いがカラフル! 優しい甘さが嬉しいシェイクやスムージー。Instagram限定のメニューなども用意している
▲色合いがカラフル! 優しい甘さが嬉しいシェイクやスムージー。Instagram限定のメニューなども用意している
 
25種類あるメニューは問屋から仕入れた豆を使った定番のドリップコーヒーやカフェラテをはじめ、コーヒーが苦手な人には香りがよく飲みやすいアッサムティー、抹茶ラテ、スムージー、旬の味覚を取り入れた期間限定メニュー、さらにはお子様ドリンクまで揃えています。
 
「子育て中の女性ってカフェでゆっくりできないことが多いじゃないですか。そういう人たちが子どもと一緒にドライブがてら、お買い物のついでに立ち寄って、自宅でおいしいコーヒーを飲んでもらいたいという思いがありました。だから親子揃って注文できるように、子どもが飲めるメニューも用意しています」(萌さん)
 

子どもがいても働ける環境がキッチンカーにはある。それを証明したい

COFFEE STANDは始まったばかりですが、2024年3月後半に出産を控えている萌さん。出産後は産休に入ることが決まっています。その間は直人さんが店に立つため、ドリンクメニューの作り方を教わっているのだとか。
 
「直人さんが店に立つ時は、メニュー数を絞ろうかなと思っています。でも産休は数カ月程度で、すぐに復帰するつもりです。子どもがいてもこのスタイルなら働き続けられることを証明したいし、知ってもらいたいです」(萌さん)
 
生クリームとふわふわのラテ、さらにはチョコレートをトッピングしたショコララテ。一杯ずつ丁寧につくっている
▲生クリームとふわふわのラテ、さらにはチョコレートをトッピングしたショコララテ。一杯ずつ丁寧につくっている
 
まだまだ始まったばかりのお店は、育児が加わることでますます変化していくことになりそうです。2人が大切にしているのは、自分が楽しいと感じるか。これからの展望に、どんな楽しみを見つけていくのでしょうか。
 
「それぞれの仕事をかけあわせたら、もっと楽しい展開ができると思っています。たとえばキッチンカーで事業をしている人たちを集めたイベントも面白そうですよね。ほかにも市や県と連携してお試し移住と兼ねてキッチンカーを使ったお試し起業もできるんじゃないかと考えたり。キッチンカーの製造で木材を使っているので、今後は信州産にもこだわりたい。そのためにも長野県内のさまざまな人とつながっていけたらって考えています」(直人さん)
 
自分たちだけではなく周りの人たちも巻き込んで、応援し合いながら楽しみを生み出す。TIP(応援)の思想を詰め込みながら夫婦で描く楽しい働き方に、これからも注目していきましょう。
 

(2024/03/18掲載)

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会える場所 ドライブスルー専門店COFFEE STAND /キッチンカー&キャンピングカーTIPPER
長野市豊野町蟹沢2624
電話 026-257-7008


■COFFEE STAND
営業 10::00〜17:00
定休日 Instagramを参照
https://www.instagram.com/coffee_stand_drivethru/

■TIPPER
https://www.tipper.info
※見学や相談は事前に連絡の上お越しください

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