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No.452

中澤

貫太さん

Fourth Place 代表

学校や学年の枠にとらわれない、高校生による居場所づくり

文・写真 波多腰 遥

誰でも立ち寄れる放課後の居場所を準備中

高校生の居場所、と聞いてどんな場所を思い浮かべるでしょうか。学校、図書館、ファーストフード店…。そうした既存の施設とは異なる新たな場を生み出そうとしているのが、2019年に発足した学生団体「Fourth Place(フォースプレイス)」です。代表の中澤貫太さんたちメンバーは、イベントの企画開催や地域のボランティアコーディネートなど、高校生が他校の学生や地域と交流できる環境づくりを行なっています。
 
 Fourth Placeのメンバーはいずれも高校生。放課後や休日に集まって活動方針などを話し合っています(写真提供:中澤さん)
▲Fourth Placeのメンバーはいずれも高校生。放課後や休日に集まって活動方針などを話し合っています(写真提供:中澤さん)
 
Fourth Placeは、イベントやワークショップといった単発の空間だけではなく、日常的な交流の場を設けるため、昨年度末に長野市新田町の空きテナントを借りました。この場所にプロジェクトと同名のスペース『Fourth Place』を開設予定です。活動の拠点となるほか、高校生であれば誰でも立ち寄れる放課後の居場所としても機能させていくそうです。これまでも多くの高校生の交流を紡いできた中澤さんは、実際の場を持つにあたってどんな想いを持っているのでしょうか。プロジェクト発足の背景からお話しいただきました。
 

自分たちで”第4の場”をつくりたい

2019年4月。高校に進学した中澤さんは、学校で配られた長野県NPOセンターが企画するイベントのチラシに目が留まります。イベントのタイトルは「新学期応援フェス」。地域の高校生・大学生がSDGsの実現に向けて、さまざまな課題に取り組むプロジェクト「ユースリーチ」の一環です。チラシには、学校の垣根を越えた新しい出会いや挑戦を後押しするようなメッセージが書かれていました。
 
2019年度にユースリーチを通じて生まれた活動一覧。連携しながらSDGsの実現を目指しています。(画像提供:長野県NPOセンター)
▲2019年度にユースリーチを通じて生まれた活動一覧。連携しながらSDGsの実現を目指しています。(画像提供:長野県NPOセンター)
 
「SNSで新しくできた友達と遊びに行く同世代の投稿を見かけて、それが羨ましかったんです。僕の通う学校は中高一貫だったので、進学しても大きな環境の変化はありません。他校の人たちと関わるきっかけが欲しくて、興味本位でイベントへ参加しました」
 
イベント当日には、すでに地域を舞台に活動する学生団体によるプレゼンなどが行なわれていました。中澤さんは、自分で課題を見つけて活動を組み立てていくことに魅力を感じ、ユースリーチへの参加を決めたそうです。
 
昨年開催された新学期応援フェスの様子。長野市内外の高校・大学から100名を超える参加者が集まりました(写真提供:長野県NPOセンター)
▲昨年開催された新学期応援フェスの様子。長野市内外の高校・大学から100名を超える参加者が集まりました(写真提供:長野県NPOセンター)
 
ユースリーチで具体的にどのような活動をするか考えるにあたり、まちづくりに取り組む方々を訪問して話を聞くフィールドワークに参加。そこで、高校生の自分が街に対して感じている課題について考えることになります。
 
「高校生になって最初のテスト期間に入り、中学時代のように友達と集まって勉強をしようと思ったのですが、学校の自習室は受験を控えた先輩がたくさん居て使いづらかったんです。それで、仕方なく長野駅前のカフェに集まっていました」
 
しかし、複数人で行くと混雑していて座れないことも。中澤さんは学生たちが気軽に集まれる場所が地域に少ないことに気づきます。
 
「勉強する場所に限れば、公共施設の自習スペースも選択肢に入ります。でも、自分たちで学校や学年の枠にとらわれずに交流できる場所をつくりたいと思ったんです」
 
こうして、中澤さんたちメンバーの活動内容が決定。自宅や学校、カフェでもない、高校生のための第4の場をつくるという思いを込めて、このプロジェクトは Fourth Place と名付けられました。
 

地域と繋がれるきっかけを生み出す

9月には、Fourth Place として最初のイベント『高校生未来サミット信州』を開催しました。参加対象はタイトルのとおり高校生です。地域で活躍するゲストから活動事例を聞いたのち、参加者同士で地域の課題について話し合い、解決へと導くアイデアや自分たちのアクションについて考えました。
 
「多くのイベントは主催者や参加対象が社会人なので、高校生には敷居が高いけど、テーマに関心がないわけではないんです。高校生が企画している。友達が関わっている。そういう身近さがあれば来てくれることを、このイベントで実感しました」
 
こう話す中澤さん。Fourth Placeのメンバーを中心に呼びかけを行なったところ、初企画のイベントながら6つの高校・大学から総勢20名の参加者が集まりました。この知見は、その後の被災ボランティアにも活かされます。
 
イベントで進行を務める中澤さん。事前準備から当日運営までFourth Placeメンバーが中心となって行ないました(写真提供:中澤さん)
▲イベントで進行を務める中澤さん。事前準備から当日運営までFourth Placeメンバーが中心となって行ないました(写真提供:中澤さん)
 
10月に台風19号災害が発生した際のこと。いち早く被災地へボランティアに向かった中澤さんは、その凄惨な状況を目の当たりにします。なにかできることはないか、と考え、各支援団体やボランティアが現地の支援状況や課題について協議する情報共有会議に参加することに。週1回のペースで開催される会議には毎回50名以上が参加していましたが、高校生は中澤さんだけでした。
 
「高校生をもっと巻き込めないかと協力を求められたのですが、高校生としては関わりたくても、どんな支援が求められていて、自分たちに何ができるのか想像できません。そこで、この情報共有会議を高校生・大学生向けにやってみようと思いました」
 
被災から1ヶ月後の11月中旬には、Fourth Placeのメンバーたちとともに「高大生災害共有会議」を開催。被災地支援に携わる自治体や青年会議所の人たちとディスカッションして、自分たちにできることを考えました。この場をきっかけに、被災地で過ごす子どもの学習支援ボランティアや、クリスマスに被災地へ届けるクッキーづくり、汚れてしまった写真の洗浄など、学生の関わるさまざまな支援が生まれました。
 
災害ボランティアの最中に発見された写真や各家庭から持ち込まれた写真の洗浄に多くの学生が協力しました(写真提供:中澤さん)
▲災害ボランティアの最中に発見された写真や各家庭から持ち込まれた写真の洗浄に多くの学生が協力しました(写真提供:中澤さん)
 

誰もが自分の居場所だと感じられる場を目指して

学校以外の交流を求めてユースリーチに参加した中澤さん。わずか1年間のあいだに、プロジェクトの発足から大勢の学生を巻き込むイベントの実施を経験しますが、参加当初は現在の状況をまったく想像していなかったそうです。
 
「ユースリーチに参加した当初から、地域で開催されるさまざまなイベントに誘われました。おもしろそうという単純な理由で参加していましたが、結果として学校では出会えない人たちとたくさん接することができました。当時の出会いがあったからこそ、いまアクションを起こすことができています」
 
『Fourth Place』の物件探しやイベントの会場協力など、社会人の力も借りながらプロジェクトを進めてきました(写真提供:中澤さん)
▲『Fourth Place』の物件探しやイベントの会場協力など、社会人の力も借りながらプロジェクトを進めてきました(写真提供:中澤さん)
 
常設の交流の場となるスペース『Fourth Place』 は2020年4月下旬に正式オープンを予定していましたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のために延期となりました。しかし、オンラインミーティングサービスなどを活用したイベントの企画など、行動が制限された状況でも引き続き高校生の交流を生み出しています。
 
自粛期間中もFourth Placeメンバーとの打ち合わせや新しいプロジェクトの準備を進めてきました(画像提供:中澤さん)
▲自粛期間中もFourth Placeメンバーとの打ち合わせや新しいプロジェクトの準備を進めてきました(画像提供:中澤さん)
 
学校の授業もオンラインで実施されるなど、インターネットを介したやりとりがより盛んになったいま、オフラインの居場所となる『Fourth Place』をどんな空間にしたいと考えているのでしょうか。
 
「オンラインは場所を選ばないから広く繋がれるのが魅力だけど、気疲れしちゃうんですよね。たくさんの人が集まっても同時に1つの話しかできないし、その内容に関心がないとそこが居場所だと感じづらい。これからオープンする『Fourth Place』はリアルの場所だからこそ、ふらっと立ち寄れて、ゆっくり話ができることに価値を置きたいです」
 
まずは場所の存在や雰囲気を知ってもらうため、オープン後には様々なイベントを予定しているとのこと。
 
「高校生なら誰でもいいけど、強いて言えば、出会いを求めている人や学び盛りの人に来てほしいです。ユースリーチのメンバーだけでなく、誰もがなにかを始められるプラットフォームとして機能させていきたい。」
 
さまざまな出会いをきっかけに Fourth Place を発足した中澤さんたちメンバーが、どんな交流の場を作り、そこからどんなプロジェクトが生まれていくのか。今後の動きにも目が離せません。
 
Fourth Place を発足した中澤さんたちメンバー
 

(2020/06/04掲載)

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