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No.460

西澤

真澄・義弘さん

こうじ専門店 24koujiya(にしこうじや)

180年の伝統を受け継いで発信する、簡単でおいしい「麹ライフ」

文・写真 石井 妙子

麹(こうじ)と聞いて何をイメージするでしょう? 「体にいい」「日本酒や味噌の原料」「ブームになった塩こうじ」……。聞いたことはあっても麹が一体どういうものか、知らない人も多いかもしれません。そんな人にこそ訪ねてほしいのが、長野市柳原の「こうじ専門店 24koujiya」。180年の伝統がある「西麹屋本舗」6代目夫妻がオープンしたショップです。

麹は簡単でおいしい!魅力を知ってほしいから

店内に入って目に留まるのが、カウンターに並ぶ大きなガラス瓶。この日は「塩こうじ」「醤油こうじ」、そして「とまと塩こうじ」の3つが並び、仕込んだ日付けが丁寧に書き込まれていました。こちらも商品ですが、まだ未完成。ここで熟成させている途中なのだそう。

こうじ専門店24koujiya
▲人気の『塩こうじ』、醤油代わりに使うと旨みが増す『醤油こうじ』、鶏肉との相性ばつぐんの『とまと塩こうじ』も人気
 

「こうして見える場所に置いておくと、『こんなふうに置きっぱなしでいいんだ』とお客様もイメージが湧くでしょう。熟成中は冷蔵庫に入れない方が、麹菌が元気に活動してくれるんですよ」

そう話す店主の西澤真澄さん・義弘さん夫妻は、この街で江戸時代から続く西麹屋本舗の6代目。2020年夏、自社工場の隣にこのショップをオープンしました。

大きな窓から光が降り注ぐ店内は、明るく気持ちのいい空間。工場で作るできたて麹の量り売りのほか味噌や醤油豆、甘酒や発酵エキスを使ったオリジナルドリンクも販売しています。

こうじ専門店24koujiya
▲手前が販売スペース、奥がカフェスペース。ドリンクはテイクアウトサービスも行っています

こうじ専門店24koujiya
▲天然醸造で作られた昔ながらの味噌。普段使いにおすすめの『いつもの味噌』のほか、麹の割合が高い『ちょっといい味噌』も
 

嬉しいのが、「これはどうやって食べるといいですか?」と質問すると、夫妻が気さくに教えてくれること。

「『塩こうじ』や『醤油こうじ』にお肉や魚を漬け込んで焼くと、すごく柔らかくおいしくなるんです。我が家はもう、麹を使わないお肉じゃ物足りないぐらい」(真澄さん)

「うちは朝ごはんの目玉焼きは『醤油こうじ』をかけるし、ヨーグルトには砂糖代わりに甘酒を入れるんです。味噌汁は朝昼晩、3食食べるのが当たり前。作る時間がない時はマグカップに味噌と乾燥わかめ、かつおぶしを入れてお湯を注げば即席味噌汁ができますよ」(義弘さん)

聞いているだけでイメージがわき、今日にでも始めたくなるメニューばかり。こうした西麹屋本舗の調味料に欠かせない材料が「麹」です。麹とは主に米を蒸して麹菌を加え、繁殖させたもの。そのまま食べることはありませんが、醤油や味噌、日本酒、酢など日本の調味料の大半に使われています。つまり日本に暮らす人で麹を摂取していない人はほぼいないと言えるほど、切っては切れない存在なのです。

「分かりやすく言えば、麹は“分解の専門家”。大豆に米麹と塩を混ぜて置いておけば味噌ができるし、蒸した米と米麹、水から日本酒ができる。縁の下の力持ちなんです」(真澄さん)

こうじ専門店24koujiya
▲冷蔵庫から出して見せてくれた西麹屋本舗の麹。ふかした米に麹菌を混ぜ、温度と湿度を管理しながら3日間寝かせて育てています。24koujiyaでは量り売りをしていて、200g(税込み180円)から購入可能
 

江戸時代から麹の卸と小売りを続けている西麹屋本舗。善光寺の仲見世通りで甘酒をふるまう店の中には、さかのぼれないほど昔から西麹屋本舗の麹を使い続けているところもあるそう。時代に合わせて味噌や甘酒、醤油豆とさまざまな商品を開発してきましたが、伝統製法を貫く「麹」の軸は守り続けています。

「このショップを開いたのは、麹をもっと身近に感じてほしいから。今まで一般の方への販売は工場直売のみだったんですが、工場を訪ねるのは少し勇気がいりますよね。こうしてお店があれば入りやすいし、何より麹のことも気軽に質問しやすくなると思って。ゆくゆくは味噌作りワークショップや料理教室も始めたいし、麹にまつわるコミュニケーションの場にしていきたいです」(真澄さん)

こうじ専門店24koujiya
▲冷奴や刺身のほか料理にもおすすめの『醤油こうじ』、甘酒ドリンクの元や砂糖代わりに使える『甘こうじ』、そして栄養満点の『西麹屋本舗特製甘酒』と、気軽に日々の食事に取り入れられる商品がずらり

「我が家の味噌」を仕込む、暮らしの基本をもう一度

「うちはね、昔から西麹屋さんで麹を買ってるの。自分で作る味噌が一番おいしいじゃない」

そう笑顔で話してくれたのは、エプロン姿で買い物に来たご近所さん。最近でこそ味噌は買うものという感覚ですが、昔は家で仕込むのが当たり前。リヤカーで売り歩く麹屋さんの姿は冬の風物詩で、ご近所同士集まってにぎやかに仕込み作業をすることも恒例行事だったそう。そうしてでき上がった味噌は「うちのが一番おいしい」。いわゆる「手前味噌」の語源です。

こうじ専門店24koujiya
▲「味噌を仕込んだら親戚にも配るのよ」と話すご近所のお客さん

しかし時代の流れと共に味噌を作る家庭は減り、麹屋さんも激減。そんななか西麹屋本舗は昔ながらの製法で麹作りを続けていますが、実は真澄さん、結婚するまで味噌屋だとばかり思っていたのだそう。「いざ嫁いでから、麹屋って何?とびっくりしました」と振り返ります。

「当時は味噌は買うのが当たり前だと思っていたし、『麹ってなんだろう?』という状態(笑)。本格的に興味を持ったきっかけは、ブームになった塩麹でした。うちのお客さんに『自分でも作れるよ』と教えてもらって試しに作ってみたんですが、食べてみたらすごくしょっぱい。失敗したんですね(笑)。
『なんでダメだったんだろう?』と発酵や麹について勉強し始めたら、予想以上に面白くて。もともと食べることが大好きだし伝統食にも興味があったから、知れば知るほど楽しくなってしまったんです」(真澄さん)

こうじ専門店24koujiya
▲真澄さんがお店の調味料を使って作ったメニュー提案ブック。使い方のイメージを広げてくれます

何千年も時代を超え、途切れることなく人の暮らしを支えてきた麹。真澄さんは家族との食事を通して発酵食品のおいしさに開眼したのも手伝って、奥深い麹の世界にのめり込んでいきました。今やその知識量は、「もともと麹屋だった僕が置いていかれるぐらい」と義弘さんが感心するほど。工場の仕事と子育ての合間を縫って独自に勉強を重ね、昨年にはついに「味噌ソムリエ」の資格取得と「発酵検定」の合格を果たしました。

麹は、手作りに挑戦してこそ楽しい

麹の取り入れ方はさまざまですが、「ぜひ昔のお母さんたちのように、麹から自家製調味料を作ってみてほしい」と真澄さん。

「自分で作ってみると発酵の力がよく分かるし、食べること、料理することを大事に思えるようになるんです。私たちにとっては商品がたくさん売れることより、一人でも多くの人がここをきっかけに『麹で何か始めてみよう』と思ってくれることの方がうれしい。毎回手作りするのは大変でも、まず一度作ってみて、それから買うか作るか選んでくれたら」(真澄さん)

こうじ専門店24koujiya
▲午前中は工場で製造、午後はショップに立ってと、行き来しながら忙しく働く西澤さん夫妻

調味料というとハードルが高いですが、作り方は意外なほど簡単です。例えば醤油こうじは麹と醤油を同量で混ぜるだけ。難しそうに感じる味噌も、茹でて潰した大豆と麹、塩を分量を計って混ぜ、置いておくだけでいいのだそう。

「カビを気にする方もいますが、味噌は生き物だからごく自然なこと。カビた部分を取り除けば問題ありません。おいしくできたら、友達や親戚にお裾分けしても楽しいですよ」(真澄さん)

「誰でも気軽に入れるように」と、カフェスペースも作ったのは真澄さんのアイデア。オリジナルドリンクに使う甘酒は、ミキサーにかけて特有のつぶつぶとした食感をなくしています。

「実は私自身、もともと甘酒の食感が大の苦手だったんです。そういう方が多いんじゃないかと思ったから、さらっとした食感にこだわりました」(真澄さん)

こうじ専門店24koujiya
▲甘こうじに有機レモン果汁を入れた『さっぱり甘酒 レモン』(税込み400円)

確かに飲んでみると甘酒特有の食感がなく、さらりとした飲み心地。アイスドリンクはほどよいとろみとカルピスを思わせる爽やかな風味、ホットドリンクはクセがなく軽やかなコクを感じます。真澄さんが考案したメニューは抹茶やいちご、黒ゴマアーモンドなどバラエティー豊かで、飲みやすく工夫されています。

こうじ専門店24koujiya
▲甘こうじを無調整豆乳と国産抹茶で割った『ミルク甘酒 抹茶ホット』(税込み450円)

「『体にいいから』って無理して飲む必要はないと思うんです。飲みたくないのは、体が求めてないということだから。純粋においしいと思って飲んでほしいから、甘酒が苦手な方に向けて麹を使ったスカッシュも用意しています」(真澄さん)

おいしく楽しく、無理はせず。ここを訪ねれば、麹を自分らしく取り入れるいい方法に出会えそうです。

こうじ専門店24koujiya

(2020/11/17掲載)

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会える場所 こうじ専門店 24koujiya(にしこうじや)
長野市柳原1893-6
電話 026-217-1929
ホームページ https://www.24koujiya.com

営業時間 11 : 00〜16 : 00
定休日 日曜、月曜、祝日

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