h1タイトル

わくわく・共感できる長野の元気情報を配信します!

ナガラボはながのシティプロモーションの一環です

No.403

石坂

晶子さん

有限会社能登重鰹節店 女将

老舗鰹節店の10代目女将が伝える天然の出汁の良さと大切さ

文・写真 池田 みどり

江戸時代に創業し、300年近く脈々と受け継つがれきた鰹節店の「能登重」。なんと鰹節をつくる技術が確立されたのが300年程前であり、鰹節の歴史と共に歩んできたことになります。鰹節を通して食育に力を入れていきたいと話してくれたのは10代目の女将を務める石坂晶子さん。その思いを伺ってきました。
 

栄養士から鰹節店の女将へ

晶子さんは京都の生まれ育ち。小さい頃から料理が好きで、高校卒業後は地元の栄養士専門学校に進学します。卒業後は、病院で栄養士として勤めることになりますが、転機が訪れたのは17年前のこと。共通の趣味がきっかけで旦那様と知り合い結婚、能登重に嫁ぐと同時に10代目の女将に就任します。知らない土地で伝統あるお店の女将になる。そのことにプレッシャーや不安を感じなかったのでしょうか。
 
「実は嫁いだ当初からプレッシャーなどはあまりなくて。私の父親はサラリーマンでしたので、300年程続くお店の歴史を受け継ぎ、自分自身もその歴史の一部に携われるということは嬉しいと感じていました。それと、店先や鰹節を卸している取引先のお客様との会話から長野のことを知れることも楽しかったです」
 
新しいことをなんでも楽しむことに変換してきた晶子さん。鰹節のことは既に栄養士時代に勉強していたそうですが、様々な種類があることや、製造方法や加工の仕方は知らなかったらしく、旦那様が修業されていた時の資料やノートを基に勉強をしたり、加工されている現場をみて学んだり、鰹節について知識を深めていきます。
 

▲能登重とは初代能登屋重次郎が能登鰤(ぶり)を仕入れていたことから名付けられた
 

▲お店の看板は夏目漱石の「吾輩は猫である」の挿絵画家として有名な、中村不折が書いたもの
 

おいしい天然出汁の味をもっと伝えたい

能登重に嫁いで2年経つ頃、地元の高校から家庭科の授業で出汁のとり方の講習をしてほしいという依頼が舞い込みます。これがきっかけとなり、晶子さんは出汁の講習会を定期的に行っていくようになります。
 
講習会は高校だけでなく、小学校やママさんサークル、助産所など様々。講習会を行っていく中で、出汁の味がわからない子が多いということと出汁を取っている家庭が非常に少ないということを実感します。
 
「出汁を取ることを難しく感じているご家庭が多いんですよね。市販のインスタントの方が手軽ですし、忙しいときなどに使うのは悪くないと思っています。ただ、やはり市販のものは塩分が多く、慣れてしまうと天然出汁の味が薄く感じてしまいます。特に味に敏感な子どもほどそうですよね。でも、天然の出汁は風味がいいですし、それにミネラルが含まれていて、減塩にもなります。小さいころから天然出汁の美味しい味をちゃんと知ってもらうためにも、もっとご家庭で出汁を取ってもらいたいと思っています。出汁を取るって思っている以上に簡単ですから、抵抗を持たないでほしいですね」
 

▲講習会は出汁の取り方がわかりやすく伝わるように必ず眼の前で実演することを決めている
 

▲昆布や煮干しも用意。普段家庭ではできない味比べをして好みの味を見つけてほしいのだとか
 

▲実演では「こんなに簡単に出汁が取れるの?」と驚かれる方がほとんどだという。そのぐらい出汁を取るのは簡単
 

鰹出汁を通して「食」の大切さを意識してもらう

講習会以外にも、保育園の給食に鰹出汁を取り入れてもらえるようサンプルを持っていったり、お店の外で出汁の試飲と販売を行ったりなども始めるようになります。
 
「不定期ではありますが外でも販売を始めたのは、うちのお店自体が敷居が高いと感じている方が多くいらっしゃることに気づいたからで。鰹節専門店、創業約300年と聞くと入りづらく感じてしまうのかもしれません。実際に、お店に来るお客様のほとんどが先代から続く常連さんでした。もっと若い世代の人にも知ってもらいたい、何か変えていかなければと思い、お店の外でも販売、試飲を始めたんです」
 
その効果は徐々に現れ、現在は20~30代の若いママさんもお店に来てくれるようになったと言います。
 
毎日必ず行う食事は長い目で見れば命に関わってくるという晶子さん。特に味噌汁は日常的によく飲むもの。そこに含まれる出汁の栄養素はどんどん体に蓄積されていきます。だからこそもっと関心を持ってほしいと話します。講習会だけでなくお店でも出汁の取り方など気さくに教えてもらえます。お店に並ぶ商品は200円~とリーズナブル。気軽にお店に足を運び、普段の食事を見直すきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
 

▲販売している商品の特徴が書かれたフライヤー。こちらは説明書きがある方がいいと思ったからと女将さんが提案して作ったもの
 

▲販売している商品は200円~とリーズナブル。扱っている削り節は4種類あり用途によっておすすめも変わってくる
 

▲カビ付けをしてある鰹節。カビ付けの鰹節は一本釣りされた鰹が主に使われ、またできあがるのにも6ヶ月程かかるという

(2018/09/20掲載)

人気投稿

  1. こてつ 北村智さん 河合武俊さん 長野県住みます芸人/信州観光宣伝部長...
  2. la rencontre (ラ・ランコントル) 瀬下努さん...
  3. 大菅和彦さん パティスリー オー・スガ...
  4. 北澤翼さん ねこぽぽテラス店主...
  5. 丹波岳仁さん 『信州蕎麦ダイニング 音菜』店長...
会える場所 有限会社能登重鰹節店
長野市東後町21-102
電話 026-232-2828
長野市人物図鑑
食の達人 ながののプロフェッショナル 旬な人 魅せる人 まちをつくる・つなぐ人 人物図鑑特集
マイ・フェイバリット・ナガノ
場所 イベント モノ グループ・会社
Nターンのススメ
Nターンとは? 移住者リアルボイス 移住コンシェルジュプロジェクト
特集一覧ページ