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No.324

小池

さん

長野スポーツマガジン株式会社 代表取締役/編集人

小さなドラマにもスポットライトを!
球児たちの成長と未来への希望を伝えて

文・写真 合津幸

小・中・高校生を中心に、社会人や信濃グランセローズなど、軟式・硬式を問わず長野県の野球の今を伝える野球専門雑誌『nines(ナインズ)』。2011年7月の創刊以来、発行元の長野スポーツマガジン株式会社代表取締役で『nines』編集人の小池剛さんは、グラウンドの球児たちを一途に追いかけ続けています。

新聞記者から雑誌編集人へ

「インターネットメディアが発達した時代にあっても、私はやはり雑誌をつくりたい。長く大切に手元に置いてもらえるような、形あるものを残したいのです」

そう語る小池剛さんが手掛けるのは、隔月発行の雑誌『nines』です。小池さんは、発行元である長野スポーツマガジン株式会社の代表取締役兼編集人であり、広告営業でもあり、そして県内各地の野球シーンをカバーする記者兼カメラマンであり、時に販売店への配本や集金もこなします。

「会社も雑誌作りも、私がやりたくて始めたこと。最初は野球専門誌にどれほどのニーズがあるのか予想もつかない状況だったので、共同経営者や社員は募らずにまずは一人でやってみようと考えました。まぁ、『まずは』と言いながらあっという間に6年目になりますが…」(笑)

小池さんは旧・上水内郡信州新町(現・長野市信州新町)出身。大学卒業後は長野に本社を構える企業に就職、東京の支社に配属され約3年を過ごしました。その後、以前から望んでいた地元・長野県で働きたいという思いが強まり、転職と帰郷を決断。長野市のローカル新聞創刊の知らせと記者募集の情報を得たのです。

当時は職種へのこだわりはなく、「とにかく転職先を見付けたかった」と振り返る小池さんですが、この決断が先の人生を大きく変えました。

「記者として15年を過ごしました。一応スポーツ担当とは言われてはいましたが、どんなジャンルの取材もこなしました。とても充実した日々でしたが、いつか自営でも起業でも自分で何かをやりたいと思っていたので、記者のノウハウを生かしてできることは何か? と考えたんです」

そうして辿り着いたのが長野県のスポーツを取り上げる雑誌でした。そして、中でも野球だけを選んだのは、記者として数々のスポーツシーンに関わり、自身は高校まで野球部に所属していた縁から、そしてスポーツの種類を限定することで真に伝えたいことを埋もれさせないためでした。

右が2011年7月の創刊号で左が2016年5月の最新号。「創刊号はトピックも少なかった。今はかなり増えましたが、まだまだ足りないと思っています」

カメラの扱い方やスポーツの撮影技術も、記者になって初めて学んだことのひとつ。取材時はサイズの違うレンズを装着した2台を持参する

成長を見届けるという特権

多くの方が経験したことがおありだと思いますが、望んで選んだ道でも容易に歩めるとは限らないのが人生です。新創刊の雑誌は当然知名度ゼロ。取材の申し込みの際も広告営業の時も、実績がないだけに厳しい現実を突き付けられました。

「それでも、考えてみたら新聞社でも未経験で誰にも知られていない媒体(新聞)を立ち上げるところからのスタートでしたから、それなりの苦労は想定していました。どうしても困った時は知識のある方に助言を求めるなど、記者時代の人脈・基盤を生かして乗り切りました」

一方、初めは手探りで進むことの多かった雑誌づくりですが、『nines』を発行する意味や編集人の使命は創刊当時から明確でした。

「有名校や大きな大会は必ずテレビや新聞などで取り上げられます。でも、無名でも同じように懸命に野球に取り組んでいる子どもたちがいて、その子どもたちと真正面から向き合っている指導者がいる。そこには日々数々のドラマが生まれています。私はそれを『nines』で伝えたいと思っていました」

通常はなかなかスポットライトが当たらないシーンや人物にも目を向け、それぞれの想いを野球を愛するたくさんの人と共有したい。だからこそ小池さんは、軟式または硬式、所属リーグの種類、大会の主催者や団体の別を問わず、長野県の野球に関わるどんな小さな話題もできるだけ多く『nines』に盛り込もうと、この5年間全力で走り続けて来たのです。

「何より、野球に限定するからこそ子どもたちや指導者の方々と深く関われるし、子どもたちの成長も見守らせてもらえる。たとえば、創刊当時に取材させてもらった小学生の中にはもう高校3年生になっている子もいて、あんなに逞しくなって、とか、人としても成長したなぁ、とか、たくさんの感動をもらっています。これはこの雑誌を作り続けて来たからこその特権であり、実はこの仕事の一番の魅力だと思っています」

小さな大会の結果もできる限り多く集めて掲載している。トピックが多く読み応えもあるこのボリュームを、小池さん一人がほぼ全ページの編集・取材を担う

創刊号の特集[二人だけの野球部]掲載写真。部員たった2名の長野西高中条校野球部を追いかけた。「思い出深い記事のひとつです」(画像提供:長野スポーツマガジン株式会社)

『nines』から広がる野球の未来

現在、少子化が進むと同時に昔よりも気軽にチャレンジできるスポーツの種類が増え、野球の競技人口は減少しています。そうした影響や懸念から、球児たちを取り巻く環境に変化が訪れ、小池さんの立ち位置も変わりつつあります。

「今年、長野県の野球諸団体が協力して県青少年野球協議会を設立しました。それぞれの枠組みを取り払い、共に組織づくりを行い、野球の振興と発展を目指すというものです。そして何と私がその協議会の相談役を仰せつかりまして…微力ながら長野県の野球を盛り上げられるよう頑張ろうと思っています」

また、今年の5月号が第30号となった『nines』は、定期購読を含む熱心な読者を獲得しています。だからこそ、情報の鮮度も追求して毎月の発刊にするか? インターネットを駆使した動画配信等を始めるか? など、プラットフォームとしての役割を広げる術を模索しています。

「まだコレという結論に辿り着けずにいますが、どんな広がりであれ『nines』を中心に据えた動きに限定したいと考えています。これまで同様に丁寧な雑誌作りに励みつつ、『nines』らしい進化を遂げたいです」

最後に、全県をカバーする小池さんが北信の長野市に拠点を置く理由を尋ねました。

「地元なので何かと便利で暮らしやすく、記者時代に築いた人脈もあるので安心感があります。確かに南信等への取材では移動に時間を取られますが、それはどこにいても同じこと。南に移れば、今度は北信に来るのに時間が掛かりますから。
それに、長野市には立派な球場が何カ所もありますし、『nines』を読んでくださっている方も多い。くわえて、合併で行政区としては大きくなりましたが、熱心で優秀な指導者が数多くいるので、互いに連携を深められればいい選手をたくさん輩出できると思います! 」

野球の明日、子どもたちの未来。小池さんが『nines』を通して伝える野球シーンには、溢れんばかりの希望や夢も詰まっています。

「人数が少なくても地道に頑張っているチームや女子選手など、ローカル誌だからこそ届けられる話題を集めたい」と、小池さん。青空の下、選手たちを追う視線も熱い

『nines』のホームページ。最新号の紹介やバックナンバーの案内、取扱店情報、編集部ブログへのリンクも貼られている

(2016/05/31掲載)

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会える場所 長野スポーツマガジン株式会社
長野市安茂里小市3-43-6
電話 026-217-2025
ホームページ http://nines.co.jp
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