No.231
横山
久美さん
AC長野パルセイロ・レディース
女子ワールドカップ出場へ
期待が高まる新星
文・写真 安斎高志
圧倒的な得点力
今年3月のアルガルベ杯でサッカー女子日本代表としてデビューし、鮮烈なミドルシュートを決めた横山久美選手(AC長野パルセイロ・レディース)。5月上旬に発表される女子ワールドカップメンバーに選ばれるか注目が集まりますが、本人はいたって自然体です。
「クラブで結果を残すことで代表がついてくると思っているので、まずはクラブで活躍することだと思っています」
その言葉通り、開幕戦でハットトリックを決めるなど、スタートダッシュに成功したチームのけん引役になっています。
昨季、なでしこリーグ1部の岡山湯郷から2部のAC長野パルセイロに移籍してきました。移籍1年目となる2014年は21試合で30得点を挙げて得点王に輝きました。得点ランキング2位の選手は16ゴール。圧倒的な存在感を示しました。
「長野に来て、チームを引っ張らないといけない存在になったし、そういう意味では成長できているのかなと思っていますが、もっと成長しなければとも思っています」
昨季の30点のなかで最も印象に残ったのは30点目だという。「30点取ると公言していたので、周りがボールを回してくれた」と感謝する
"もっている"とか信じてない
横山選手がサッカーを始めたのは小学校1年生のとき。3歳上のお兄さんの影響でした。男子に混じってプレイし、めきめきと頭角を現します。しかし、小学6年時に日テレ・ベレーザの下部組織、日テレ・メニーナのセレクションに落選。悔しい思いを味わいますが、その経験はプラスに働いたと振り返ります。
「日テレに入れなかったから、今の自分につながっている。這い上がれたのかわからないけど、自分はポジティブに考える方なので、落ちたことには何か意味があると思ってやってきましたね」
横山選手が全国のサッカーファンにその名を知らしめたのは、2010年FIFA U-17女子ワールドカップ。準決勝の北朝鮮戦で、ドリブルで相手ディフェンダーを4人抜き去り決勝点を挙げました。このゴールは、メッシらとともにFIFAの年間最優秀ゴール賞にノミネートされます。
このU-17女子ワールドカップ、初戦に交代出場で得点を挙げ、以降、出場機会を増やしていき、6ゴールを挙げました。冒頭に記したA代表デビュー戦も、負傷の選手に代わって追加招集され、ゴールという結果を残しました。メディアでは「シンデレラガール」との見出しも踊ります。しかし、横山選手は落ち着いた口調でこう話します。
「”もっている”、”もっていない”とか信じていないんで。結果は、自分が練習して出すものだと思ってます」
一度見たら、絶対に次も見たいと思ってもらえるプレーをしたいと話す
世界一のドリブラーに
パルセイロ・レディースは昨季4位。今季、1部を目指してリーグ戦を戦っています。序盤は内容を伴う勝利を重ねていて、スタートダッシュに成功しました。チームとしても得点力を見せつけています。
「一度見てもらったら、どんなかたちであれ絶対に次も見たいと思ってもらえるプレーをしたい。女子の場合は技術と団結力が問われると思っています。みんなで強く楽しくやれている長野のサッカーを見てほしいですね」
今季の目標はチームの1部昇格と35得点。その先に目指している選手像を尋ねると、こんな答えが返ってきました。
「超えられる人はすべて超えたい。いろんなナンバーワンがありますが、自分はドリブルで世界一になりたいと思ってます」
5月28日、女子日本代表は南長野運動公園総合球技場で壮行試合を行います。地元のファンの前で躍動する横山選手が見られるでしょうか。期待が高まります。
持ち味は鋭いドリブルとシュート力。ドリブルは世界一を目指す
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会える場所 | 南長野運動公園総合球技場 長野市篠ノ井東福寺字上組北320 電話 ホームページ http://parceiro.co.jp/club/ladies/ |
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