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ナガラボはながのシティプロモーションの一環です

No.138

麻梨奈さん

JAながの中部営農センター

西洋ナシの生産を陰で支え
地域と農業の未来を拓く

文・写真 Chieko Iwashima

西洋ナシの出荷量全国トップクラスの長野市

長野県の西洋ナシの出荷量が、山形県に続いて全国2位ということをご存じでしょうか。
その長野県のなかでも、一番多くの生産量を誇るのが、長野市の長野平地区です。

原麻梨奈さんは、今年の春からJAながの中部営農センターに勤務し、果樹技術員として古里西洋ナシ部会の事務局を担当。西洋ナシの生産を陰に陽に支えている1人です。

長野平フルーツセンターの様子。熟練した職員によって大きさや品質を選別

現在、古里地区の西洋ナシの部会員は48人。原さんは、農家の人たちへ向けた講習会を開いたり、各農家を巡回してアドバイスや指導をしています。技術的なことから経営的なことまで、幅広い知識が求められる立場です。

「この虫が出てきてるんだけど、いつどんな農薬をまいたらいいんだろうとか、どうして小玉になっちゃうんだろうとか、農家さんに聞かれたことにアドバイスと指導をしています。私はまだ今年配属になったばかりで、農家さんに質問されたことに充分に答えられなかったりすることがあるので、もっと勉強して答えられるようになりたいです。一日一日が勉強です」

保冷庫の中。天井まで積み上げられたコンテナの中はすべて西洋ナシ

将来の夢は農家としての独り立ち

原さんは両親が共働きだったため、祖父母の家で過ごす時間が長かったといいます。その祖父母の家が農家で、りんごや米、さくらんぼを作っていました。手伝いをするうちに、自分も将来は農業をやってみたいと思うようになりました。

「実家は飯綱なんですが、小学生のときにクラスのみんなで『りんごのアンケート』というハガキを作って、フルーツセンターから全国に出荷するりんごの箱の中に入れてもらったんです。そうしたら、横浜の方から『おいしかったです』って感想が書かれたハガキが戻ってきて、それがすごくうれしかったことを覚えています」

中学生の頃から環境問題にも興味があったという原さん。中学を卒業後は農業高校に進学し、大学は北海道にある大学で経営学を学びました。

「高校の進路を考えたときに、私の祖父母のりんご農地ってこれからどうなっちゃうんだろうと心配になったんです。次にやる人がいなかったら、私の友だちにも、もうここのりんごは食べてもらえなくなっちゃうんだと思って、私がやろうと思うようになりました」

地元での就職を選んだのは、自分の住んでいる場所で、地元の人と農業に携わりたいという思いから。営農という分野を希望したのも、地域の農業を継続させていくために貢献したいと願ってのことでした。

慣れた手つきで祖父母のリンゴの収穫を手伝う

「私も将来農業をやるために技術を学びたいと思ったのはもちろんですが、地域の現状や農家の人たちのことも知ることができますし、今の農家さんたちと農業を持続させていきたいという希望もあって指導のほうを選びました」

私の友人にも、何人かJAに就職した友人はいますが、将来農業をやりたいと言っている人はいなかったように思います。

「私の周りにもほとんどいません(笑)。この先やっていって、ほかに農業をやってくれる人がいるのかも心配です。実際、本当に自分にできるのかという不安もあります。地域の今の農地がずっと続いていくのかという心配もあるし、そこも改善していきたいです」

地域の農家さんたちと一緒に

趣味を尋ねてみたところ、「中国語を習っている」と教えてくれました。
それも将来、海外からの研修生の受け入れを視野に入れてのことだといいます。

「北海道での学生時代に農家で住み込みのアルバイトをしたときに中国からの研修生がいて、毎晩仕事が終わったあとに日本語の勉強をしていたのに影響されたんです。生活のため、家族のために仕事をしているそういう人たちの力にもなりたいと思っているので、将来私が中心になって農業をやれるようになれたら、海外からの人も受け入れていきたいと思っています」

プライベートの時間も農業のために費やしている原さん。
心底、この仕事が好きなのだということが伝わってきました。

長野市では、昭和59年ころから西洋ナシの生産が始まったと言われ、古里地区での西洋ナシ部会は結成して今年でちょうど30年。12月には30周年記念の式典も開催されます。

西洋ナシ農家も現在は高齢化が進み、減少傾向にあるといいますが、原さんのように決意して立ち上がっている人が1人でもいることは、大きな希望になると思いました。

「長野の農産物をもっと多くの人に食べてもらって、ファンを増やしていきたい。地域の農家さんと協力して一緒にやっていきたいですね」

保冷庫で1週間~10日間保管して追熟してから出荷される

(2014/11/19掲載)

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会える場所 JAながの中部営農センター 
長野市富竹877‐1
電話 026‐296‐5161
ホームページ http://www.ja-nagano.iijan.or.jp/
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