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ナガラボはながのシティプロモーションの一環です

No.113

木戸隆司さん

木戸裕子さん

田舎かふぇkido

三重から大岡へ。笑いと食の伝道師

文・写真 Yuuki Niitsu

大工顔負けの奥様

長野市大岡には国道19号線沿いに、お米屋さんを改装した古民家カフェがあります。
ここのオーナー木戸隆司さん、裕子さんは、三重から夫婦で移住してきました。

「信州にはスキーやゴルフでよく来ていて、いつかは住みたいと思っていました」

こう話すのはご主人の木戸隆司さんです。
隆司さんは三重でバリバリの銀行マンでした。多忙な毎日を送る中で、休日には癒しを求めて夫婦で伊賀市の別荘で暮らしていたといいます。
そして驚いたのはその別荘、なんと奥様の裕子さんが独身時代に5年かけて一人で建てたそうなんです。

「私は、とにかく水も電気もない自然に囲まれた生活がしたかったんです。理想は竪穴式住居に住むことですから」

なんとも衝撃な一言を放った裕子さん。生粋の大阪っ子の裕子さんは子どもの頃から田舎暮らしに憧れていたそうです。そんな思いが大人になって一気に開花。

「ミニユンボで穴掘りをして、生コンを流して楽しかったですよ」

なんと基礎作りからやってのけてしまうプロ顔負けの徹底ぶり。しかもできた別荘は雨漏りや欠陥などは一切なかったそうです。さらに驚いたのは、裕子さんの一言です。

「私、窓を開けるのが面倒くさいから外と通じる場所は玄関だけしか作らなかったんです。建物も自然と同化させたいんですよ」

おっとりした雰囲気の奥様にこんなワイルドな部分があるとは、会って早々に度肝を抜かれてしまいました。
現在のお店は、もともとお米屋さんだったそうですが、もちろん全てを奥様が一人で改装したそうです。

「トイレや居間、お風呂もそうですし、窓のステンドグラスやお店の看板も全部やりました。とにかく何でも自分でやらないと気が済まないんですよ」

こちらのステンドグラスも奥様の手製。まさにプロ顔負けである

三重を受け入れた大岡

2013年4月21日にオープンしてから、取材に訪れた日がちょうど1年4か月。

「最初はうちらみたいな都会から来た夫婦が田舎に溶け込むのは難しいと思ってたんです。でもね、ここの人は皆ええ人ですよ。毎日のように箱いっぱいに入れて野菜を持ってきてくれる人もおるし、友達呼んで飲みにも来てくれるし、何の心配もないですよ」

そう話し、田舎ライフを満喫していると嬉しそうな隆司さん。

「ただ、たまに朝起きると玄関に野菜置いてあるんやけど、名前書いてないからお礼言うのに相手を探さなあかんでしょ。『野菜、お宅ですか?』って、片っ端から電話かける時もあります(笑)」と話題が尽きない毎日であります。

「とにかく自分から進んで溶け込んでいくことやね。だから行事にも積極的に参加すること。町の住民参加の運動会があって、私が一番年上でしたけど、めっちゃ走りましたよ。めっちゃ飛んだしね」
 
「あとは、皆が関西弁に興味を持ってくれるんですよ。なんか憧れみたいやね。『おおきに』とかソフトで気持ちいいらしいです」

少年の様に喜んで話す隆司さん。その姿を横で嬉しそうに見つめる裕子さん。

この夫婦が持つ関西人独特の社交性や口調が新天地でも受け入れられ、ここ大岡に明るい光を注いでいます。
今では周りの人に関西弁がうつってきて、信州にいながらも関西のようなノリの良い、明るい雰囲気が流れているといいます。

洗面所さえも奥様が!逆に作れないものを聞いてみたい

白樺と松を使用したカウンターキッチン。森の中で食事をしている気分になれる

粉文化がつなぐ一体感

現在、お店は地元の食材を活かしながら裕子さんが関西ならではのメニューを提供しています。おすすめのメニューはズバリお好み焼き。

「やっぱりお好み焼きは、評判がいいですね。こっちの人には珍しいらしく一番出ますよ。しかも、中身の具の8割は地元のきゃべつを使ってますから、甘みもあってヘルシーでボリュームたっぷりです」

こう話す裕子さん。ワイルドな彼女が手がけるお好み焼きはきっと大岡の住民の胃袋を大満足させているに違いないと思いました。

オープン当初は関西メニューが受け入れられるか心配だったというご主人ですが
「やっぱり粉文化は一緒やなと思いました。信州はそば、おやきでしょ。大阪はお好み焼き、たこ焼き。なんか通ずるものがあるような気がします、ハハハッ」と笑って話します。

現在、地元の方と「11会(いいかい)」という集まりを結成し、毎月11日に14名で木戸さんのお店に集まり、食事会をしているそうです。

「会費が5000円で、そのうち3000円が食事代で、残りの2000円が旅行貯金です。今年はどこに行くか今からワクワクですね」と少年のような笑顔の隆司さん。

「まず自分たちが楽しまなくちゃ。楽しんでいるところに人は集まってくるんです」
取材中、何度もこの言葉を繰り返す裕子さん。

お好み焼き(600円)と特製チキンカツ定食おばんざいセット付(550円)。奥様は料理から家までも作るのだからあっぱれである

最後に将来の展望について聞いてみました。

「牧場の跡地を使ってドッグランを作りたいです。そして、やっぱり竪穴式住居に住むこと。ただ、主人にはそこまで迷惑かけられないから、主人が生きているうちは我慢します」

最後まで奇想天外な奥様の閉め台詞にあっぱれ!
是非ともご主人、長生きをしてください!

愛用のキャンピングカー。1週間ほど旅行し、そこで食べた料理をヒントに食事を考案しているという

(2014/10/14掲載)

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