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No.001

箱山

正一さん

西之門青年部/箱山ふとん店4代目

小さな街の元気な町おこし

文・写真 Takashi Anzai

西之門町は小さな街です。
人口は42人、世帯数は18に過ぎません(平成21年時点)。

その小さな街の青年部が元気です。

町独自で開催している青空市「西の門市」は5年目を迎え、賑わいを見せています。
また、善光寺門前から歓楽街・権堂にかけて、空き家を見学して回る「空き家めぐり」も5年前から続きます。この取り組みを通して、多くの人が住居や店舗物件を探し当ててきました。

青年部部長の箱山正一さんは、埼玉県や小布施町などで働き、2010年に西之門町にある実家の100年続くふとん店に入りました。
元々、人が喜ぶ顔がダイレクトに感じられる飲食業に憧れを抱いていた箱山さん。
しかし、小布施町にある250年続く企業で働いていたことで歴史の持つ重みを実感し、100年続く家業を途絶えさせたくない思いが強まりました。

「家族経営とはいえ、100年も続いてきたんだというのが急に重たく感じてきて、飲食店をやる前に布団屋をちゃんと継ごうと思いました。それと手作りの布団が見直されてきているという手ごたえがあって、手作りの布団なら通販とか量販店では作れないし、そうした布団に特化するなら生き残っていけるのかなとも思いました」

家業に入った当時は西之門町に青年部もなく、「街には活気がなかった」と箱山さんは振り返ります。

しかし間もなくして、地域の動きが活発化してきます。町内にある編集室兼カフェ・ナノグラフィカが主催する「空き家めぐり」が始まり、町内に荒物雑貨店を改装した新たなレストランが開店しました。善光寺門前の近隣の町でも古い蔵が改装されてシェアオフィスができました。
箱山さんもすぐにその動きの中心となって働き始めるようになります。

「空き家めぐりなんかは、地元じゃない人が主体になって動いていたので、踏み込めない領域もありました。でも、地元のふとん屋の息子がかかわっているってのが分かるだけで、協力してくれる人がいたり、話が進みやすくなったりということも多々あるわけです。そういう場面でどんどん僕を使ってもらえたらいいなと思って」

拍子木を打ち、西の門市の開催を告げる箱山さん(写真・内山温那)

2010年からは毎月第四日曜日(5月~10月)に青空市「西の門市」を開催しています。
100メートルほどの通りにある民家の軒先やガレージには、飲食、クラフトなどの出店が立ち並ぶほか、近隣を拠点とするミュージシャンらがギターやアコーディオンを奏でて歌い、賑やかな雰囲気に包まれます。

この西の門市のヒントとなったのは、毎週土曜日に自宅ガレージで同町の長老が一人で行っていた本当にささやかな朝市です。親戚のつくった野菜を売っていました。

「毎週ちゃんと開くことで、そのうちファンがついて、市がやっていないと心配しながら待っている人まで出てきた。ささやかでも続けることって大事だなぁと思ったんです」

手作り品を中心にさまざまな品物が並ぶ西の門市(写真・内山温那)

西の門市の賑わいを見た善光寺門前周辺の住民が中心となり、昨年から善光寺境内で開かれるようになったのが「善光寺びんずる市」です。開催から半年で、約100店舗がブースを構えるようになり、善光寺の新たな名物になろうとしています。
箱山さんはこの「善光寺びんずる市」でも実行委員長を務めています。

活発な活動が注目されている西之門町ですが、箱山さんたちが今考えていることは、地に足がついています。

「まずはこれまで始めたことを継続することを第一に考えています。地域の行事もそうだし、お祭りなんかもそうだし。この街に住んでいる大先輩、おじいちゃん、おばあちゃんと一緒にも何かやっていきたいですね。

「その積み重ねの延長線上に隣町なんかがあって、だんだんとそれが広がっていけばいいなぁと思っています。始めたころはそんなことまで考えていなかったですけれどね、自分たちが楽しむことしか考えていなかった(笑)」

4年前から始まった「夕涼み会」は、焼き鳥やビールなどの屋台だけでなく、流しそうめんや花火、スイカ割りなど、子供が楽しめる催しです。そこにあるのは、箱山さんが子供のころに目にしていた”元気だった地元”です。

「昔はこの近くにも商店街があって入り口にはアーチもあったんです。そこで福引があったり、いろんな催しがあった。そういう自分の昔の記憶をもう一度再現していけば、地元の子供たちにもたくさんの思い出をつくってあげられるかなと思って」

自身を、西之門町の、そして善光寺門前の「営業マン」と称する箱山さん。取材の間も街の魅力を熱っぽく語ってくれました。その希望に満ちた表情から、西之門町はどんどん楽しい街になっていくのだろうと感じられました。

(2014/04/11掲載)

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会える場所 箱山ふとん店
長野市西之門町933-4
電話 026-232-6012
ホームページ http://hakoyama.com/

ブログ http://yondaime.naganoblog.jp/

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