h1タイトル

わくわく・共感できる長野の元気情報を配信します!

ナガラボはながのシティプロモーションの一環です

No.456

田中

裕之さん

ながのキャンパル オーナー

長野をキャンプのメッカに。外遊びの楽しみ方を提案するアウトドア用品店

文・写真 宮木 慧美

2020年4月にオープンを迎えたキャンプ用品店「ながのキャンパル」。
「キャンプを文化に、長野をキャンプのメッカに!!」を掲げ、アウトドアが楽しくなるキャンプギアや、家庭でも使えるアウトドアグッズを取り扱っています。6年ほど前からキャンプをはじめ、その魅力にどっぷりとハマったというオーナーの田中裕之さんに、お話を伺いました。

アウトドアショップを、もっと身近に

田中さんは、千葉県市原市出身。子どもと一緒に楽しめる趣味がほしいとキャンプを始めました。

「私が子どもの頃にも、家族でキャンプに行っていました。今も心の中にあるのは、楽しくも辛い(笑)キャンプの思い出。当時から使っている道具の中には、今も現役で活躍しているものもあります。キャンプの思い出と素晴らしい道具を見るたび、今は亡き父の存在を思い出します。
自分自身が2人の娘の父親となり、初めて家族とキャンプをしたのは6年ほど前。当時は新潟県で働いており、子どもが3歳になったタイミングでキャンプをはじめました。まずはホームセンターに売っているテントや椅子を一通り揃えるところからスタート。少しずつグッズを増やし、自分のキャンプスタイルを確立していきました。例えばテントは、これまで10張くらいを試しましたね。買っては売って買っては売って…を繰り返して、ようやく今の自分にあったテントと出会えました(笑)。キャンプ道具って使ってみないとわからないですし、使ってみたくなっちゃうんですよ。考えて、悩んで、苦労して…でもそれがキャンプの楽しみ方の一つだと思います」

お子さんが小学校へ入学するのを機に、奥さんの地元である長野市へ移住。上田市に本社のある機械工具会社で営業職として4年間働いた後、「ながのキャンパル」を創業します。

「長野市に移住した時から、アウトドアショップが身近にないことにずっと違和感がありました。新潟や千葉にはたくさんのショップがあるのに、なぜ長野市にはないのだろうかと。県内に暮らすキャンプ仲間に聞くと『キャンプグッズはネットで買う』『県外にキャンプに行ったついでに買ってくる』という人も多くいました。
創業時に調べた資料によると、長野県は北海道に次いで2番目にキャンプ場が多いそうです。せっかくキャンプができる場所が身近にあるのに、キャンプグッズを買う場所がないなんてもったいないなぁ、と思って」


▲ながのキャンパルは緑色の大きな看板が目印。「長野県らしい山と雷鳥をモチーフにした」という可愛らしいロゴが目を引く

アウトドアフィールドが身近にある長野市に「ながのキャンパル」をオープン

「なぜ長野市にはアウトドアショップがないのだろう」そんな疑問を抱えながら過ごしていたある日。田中さんは、前職の上司とこんな会話を交わしたのだとか。

「以前上司とキャンプの話をしていた時に『なんでキャンプなんてわざわざするの?目の前が山なんだから、道具を揃えて行く必要もないでしょ』と言われたことがあったんです。長野市の人って、思いの外アウトドアをしない人も多いのか、と気がついて。上司曰く、『住んでいるここがキャンプ場みたいなもんだ』って(笑)。
でも、県外から移住してきた僕からすると、それはすごくもったいないことなんです。気軽に行ける山やキャンプ場って、欲しくても手に入らないじゃないですか。それなのに長野県には、こんなにもたくさんのアウトドアフィールドがある。眺めも良くて、温泉もあって、外で過ごすのにちょうどいい気候で。だからこそ、長野市でアウトドアショップをやりたいと思いました。誰もやる人がいないのなら、自分でやればいいかなって。何よりも、楽しいことは広めたいし、良い道具は伝えていきたいと思ったんです(笑)」

前職の上司に最近のキャンプ用品を紹介したところ「今、こんな機能的になっているの!ひと昔前とイメージが全然違う!!」とびっくりしていたとか。キャンプ道具やアウトドアの魅力を伝えることも、アウトドアショップの役割として重要なのだと感じたといいます。

さらに創業に向けて、田中さんの背中を押してくれたのが、大切なキャンプ仲間の存在でした。

「新潟にいた頃から執筆しているキャンプブログがあるのですが、そのブログを通してたくさんのキャンプ仲間ができました。現在も交流のある大切なキャンプ仲間が、キャンプブランドのオーナーさんを紹介してくれるなどサポートをしてくれて。“ガレージブランド”と呼ばれる、キャンプ雑誌に特集されるようなブランドのオーナーさんとも知り合うことができ、創業への思いは一気に加速していきましたね。」

“ガレージブランド”とは、キャンプ用品とは異なる製品を製造する企業(例えば本業が板金、溶接などの工場)や個人が作るキャンプギアブランドのこと。こだわりの製品が多く、キャンパーの憧れの道具が多いのだとか。県内で取り扱いのあるショップは少なく、これらを扱えるのなら県内で唯一無二のアウトドアショップになれそうだと感じたと言います。
こうして構想から約1年、2020年4月に「ながのキャンパル」はオープンとなりました。


▲店内に並ぶアウトドアグッズ。長野県内では「ながのキャンパル」のみで取り扱う商品も多い。「特に力を入れているのは、ランタンと焚き火台です。実物に触れて、お気に入りを見つけて欲しいですね」

キャンプ道具はあくまで手段。その楽しさや可能性を共有したい

新型コロナウイルス感染拡大防止の観点からも、大々的な宣伝をせずに迎えたオープン日でしたが、初日から多くのお客さまが来店してくれました。

「『ながのキャンパル』のオープンは4月19日。予定通り営業を開始してよいものか、県庁や各機関に確認・準備を整えた上でスタートさせました。
お客さまの大半は、以前から投稿していたInstagramを見て来てくれた方々。キャンプ好きの方、これからキャンプを始めたい方が多く、キャンプ話で盛り上がれたのもうれしかったですね」

オープンから数ヶ月経った現在では、キャンプ以外の目的で訪れるお客さまも増えて来たのだとか。

「先日は、娘さんに『面白いお店ができたから行ってみたら』と紹介されたという年配の男性が来店されました。お話を伺うと『庭先でやるBBQに飽きてしまった』とのことで、ピザ窯をご案内すると『これいいね』と気に入っていただけました(笑)。キャンプをする人はもちろん、キャンプをしなくても楽しめる道具を紹介する店でありたいと思っています」

お店のコンセプトを「キャンプやアウトドアの楽しさをみんなと共有する」と表現する田中さん。キャンプが好きな人も、いままでキャンプに興味がなかった人も、みんなが“楽しい”と思える体験を提供したいといいます。

「キャンプ道具はあくまで手段。『この道具を使ったらこんな楽しい時間が過ごせますよ』『こんな使い方ができるので、キャンプでもおうちでも楽しめますよ』と、その楽しさや可能性を共有していきたいなと思っています。

例えば4万円のピザ窯も、キャンプだけでしか使えないとなると、購入のハードルはかなり高いと思います。でも『お庭BBQではこんな使い方ができますよ』とか、『お孫さんとこんな使い方をしたらどうですか』と、この道具があるから広がる楽しみ方を一緒に妄想することで、道具を持つことの可能性がどんどん広がっていくと思うんです。ホーム&アウトドアのように、使い方を限定しない品揃えとご提案をしていきたいですね」


▲「職人魂がこもっているもの、道具が生まれたストーリーがあるもの、長く使えるものをセレクトしています」との言葉通り、機能性・デザイン性・収納性に優れた商品が多数。田中さんからストーリーを聞くのもまた楽しい

昔のキャンプは家にあるものをバッとカゴに入れて行っていたはず…と話す田中さん。「キャンプ用品店をやっているんですけど、基本、道具はなんでもいいじゃん派なんです」と笑います。

「お客さまから『キャンプ始めたいんだけど、コンロは家にあるカセットコンロでいいかな』と相談された時も『いいんじゃないですか?』って(笑)。いきなり全てのグッズを揃えるのは大変ですし、優先順位もありますよね。まずはやってみて、何か不都合があれば相談に乗りますよ、というスタンスで接客しています」

インターネットや雑誌で簡単にキャンプ用品の情報を手に入れられるようになりましたが、実際のモノを見て、触れて、悩めるのがインストアの魅力。サイズ感を見ながら「あれと組み合わせたらどうだろう」「このサイズならこんな使い方ができるかも」とお客さまと脳内キャンプをするのも楽しみの一つなのだとか。キャンプ初心者もベテランキャンパーも、いっしょにキャンプ談義ができるのも、ながのキャンパルに人が集う理由なのかもしれません。


▲一番人気の商品は「ながのキャンパル オリジナルシェラカップ」。長野土産として購入していく方もいるそう

キャンプを軸に地域全体を盛り上げ、長野をキャンプのメッカにしたい

「キャンプを文化に、長野をキャンプのメッカに!!」を掲げてスタートしたながのキャンパル。その思いは、どこから来ているのでしょうか。

「これまで『キャンプのメッカ』というと、富士山が見える“ふもとっぱらキャンプ場”などピンポイントのキャンプ場だったように思います。
でも僕は、長野県にはエリア全体として『キャンプのメッカ』になれるポテンシャルがあると思っているんです。
キャンプ場の数が多いことはもちろん、長野県にはキャンプを楽しむための食べ物、心地よい景色やアクティビティ、温泉などが揃っていますよね。さらにキャンプ道具を作るための産業も盛んで、金属加工や木工、繊維などすべてを集結させれば独自のブランドができてしまうほど、キャンプを楽しむためのすべてに精通している場所だと思うんです。
そんな長野県だからこそ、キャンプを軸に地域全体を盛り上げて、キャンプを楽しむ人を増やしていけたらと思っています」

いずれはオリジナルブランドの開発や、さまざまな業態とのコラボレーションもしていきたいという田中さん。お客さまからも「キャンプイベントなどはやらないのですか?」という声が上がっているようです。

「例えば『キャンプ初心者のための入門講座』『お父さんのためのコソ練テント張り』など、キャンプ場にいく前の予行練習ができるイベントなどをやってみたいですね。
また、キャンプブームでキャンプ人口が増えることは喜ばしいのですが、その一方でマナーを守れないキャンパーの増加が課題となっています。自然を“借りて”遊ぶのがキャンプですから、マナーの向上はとても大切なことだと考えます。マナーを守って楽しくキャンプをするための知識も、みなさんにお伝えしていきたいと思います」

手の届く距離に自然のフィールドが広がっている長野県だからこそ、キャンプの魅力を伝えていきたい。そんな田中さんにとって、長野市はどんな場所なのでしょうか。

「キャンプ仲間には『長野市いいよ』と推しています(笑)。まずは気候が過ごしやすいですよね。夏はカラッとしていて外でも過ごしやすいですし、熱帯夜になることはほとんどありません。さらに車で1時間の範囲にキャンプ場や湖、ハイキングが出来るスポットがいくつもあるのでアウトドアにはもってこいです。新潟や群馬、富山にもすぐにアクセスできるのも嬉しいポイント。生活に便利な街の機能と、アウトドアフィールドとが程よくマッチしているのが長野市の魅力ではないでしょうか」

キャンプ場をはじめとしたアウトドアフィールドに気軽にアクセスできるのは、長野市に暮らしているからこそ。さらにお庭やベランダなど、キャンプ場を訪れなくても外遊びが楽しめるのも、長野市ならではの魅力かもしれません。身近な自然をもっと楽しむヒントを、ながのキャンパルで見つけてみませんか。

(2020/08/07掲載)

人気投稿

  1. 高野洋一さん うどん たかの店主...
  2. 玉井里香さん インスタグラマー、SNS運用コンサルティング「タビビヨリ...
  3. 三井昭さん・好子さん 三井昭商店...
  4. 星 博仁さん・琴美さん 「中華蕎麦 ほし乃」「麺道 麒麟児」...
  5. 栗原拓実さん ピッツェリア・カスターニャ オーナーシェフ...
  6. 眞田幸俊さん 慶応義塾大学理工学部電子工学科教授...
  7. 高橋まゆみさん 人形作家...
会える場所 ながのキャンパル
長野県長野市篠ノ井布施五明287-3
電話 026-214-5518

E-Mail:info@nagano-campal.com

営業時間:
平日 12:00〜20:00
土日 10:00〜18:00
定休日:木曜日
駐車場:3台(店舗前)

Instagram:https://www.instagram.com/naganocampal/
オンラインストア:https://naganocampal.thebase.in/

長野市人物図鑑
食の達人 ながののプロフェッショナル 旬な人 魅せる人 まちをつくる・つなぐ人 人物図鑑特集
マイ・フェイバリット・ナガノ
場所 イベント モノ グループ・会社
ナガラボムービー

 
特集一覧ページ