No.070
こてつ 北村智さん
河合武俊さん
長野県住みます芸人/信州観光宣伝部長
長野を笑いで盛り上げる!
文・写真 Chieko Iwashima
「長野県住みます芸人」として、2011年5月から長野市内に住んでいる吉本興業所属芸人こてつの北村智さんと河合武俊さん。テレビやラジオ出演のほか、長野県内各地域のイベントに参加するなど、県内ではすっかりおなじみです。
吉本興業が地域密着型プロジェクトとして2011年4月より始めた「あなたの街に住みますプロジェクト」は、全国47都道府県に実際に吉本興業の芸人が一組ずつ移住して、地域に密着した芸能活動を行い、地域貢献をするというものです。
北村さんと河合さんは、吉本興業のタレント養成所・NSCの同期(東京校9期生・2003年)で2006年にコンビを結成。河合さんは松本市出身で、北村さんはお母さんが長野市出身です。2008年から長野県内のテレビ局でレギュラー番組を持ち、東京から通っていた2人ですが、都心を離れることに戸惑いはなかったのでしょうか。
北村「僕は結婚していて子どももいるんですが、東京で子育てを続けたくないと以前から思っていたこともあり、最初から乗り気でした。でもこいつ(河合さん)は夢を持って東京に出て行ったので…」
河合「僕はまた戻るってことに抵抗はありました。でもこの人(北村さん)が、がんばるって言うんで(笑)。生活が何か変わればいいかなって思って決意しましたね」
引っ越してすぐに、長野県の信州観光宣伝部長にも任命され、各地のイベントやお祭りにもたくさん参加しました。
北村「県内にいろんなお祭りがあっておもしろいですね。御代田町の『寒の水』って祭りでは、1月の大寒の日に水を浴びて街中を走りました」
河合「走り終わったあと、ロケのディレクターにタオルを忘れられてて…仕方なくたき火にあたって乾かしました(笑)」
北村「長野市は、真冬の大宴会『戸隠べ~そ』に参加したり、びんずる祭りでは中継リポートもやりました。あれは面白いですよね。子どもからお年寄りまで延々と踊るっていう」
河合「疲れますよね~(笑)」
6月に若里市民文化ホールで行われた『愛は子宮を救う』で司会を担当
長野市権堂地区を中心にした食べ歩き・飲み歩きイベント「ごんバル」では「ごんバルPR大使」として参加。各店を巡回して街の人とふれあい、イベントを盛り上げました。
河合「けっこう長野市の飲み屋っていろいろあるんだなって知って、楽しい街だなって再確認できました」
北村「明るい人が多くて、愚痴とか言い合わずに楽しみながら飲んでいる人が多い印象でした」
河合「今を幸せそうに生きている感じが伝わってきました」
また、5月には2人が構成を担当した書籍『長野のおきて』が発売になりました。「中学校でガチすぎる『集団登山』をやらされた」、「おばちゃんたちの集まりにはひとり1品漬物を持ち寄る」、「『白文帳』で漢字練習をさせられた」など、長野県民なら誰もがニヤッとしてしまうであろう”あるあるネタ”が詰まった一冊です。
長野県以外の地域で生活をしたことがない編集部・岩島からすると、当たり前だと思っていたことが長野県独自のものだと初めて気付かされるものもあり、おもしろさとともに新鮮な読み応えもありました。
「ごんバル」では料理が得意な北村さんが考案した「こてつ汁」をふるまった
河合「最初2人で200個くらい挙げて、51まで絞り込んで書きました。発売初日は、本当に売ってるのか気になってマネージャーと3人で見に行きましたよ」
北村「置いてありそうな棚を探してもなくて、マネージャーにレジの店員に言ってくるように頼んだんです。お客様の要望として残そうと。そしたらマネージャーがレジの前で手招きするんです」
河合「行ってみると、レジ前に山積みになっていて。あれはうれしかったですね~」
なんと発売から2週間で重版になり、県内の平安堂全店で1カ月間の一般書売上ランキング1位に輝いたそうです。
北村「おかげさまで売れてるんです!」
河合「本屋でしばらく様子を見てたことあるんですが、読破するんじゃないかってくらい、ず~っと立ち読みしてくれる人もいました(笑)」
北村「興味を持ってくれるってだけでもうれしいですね!」
本を読むと、2人が長野を愛情を持って分析していることがわかります。さすが、信州観光宣伝部長!そんな北村さんと河合さんが実際に長野に住んでいて一番感じるのは環境の良さだと言います。
北村「スーパーも東京と違ってこっちは季節のものが並んで、旬の物の美味しさを知りました」
河合「物をもらえるっていうといやしい言い方なんですけど、ロケ先とかで『持ってけ持ってけ』なんて言って野菜をたくさんくれたりして。季節ごとに食べたいものを意識するようになりました」
食べ物が美味しすぎて、河合さんは引っ越してから7キロも太ったそうですが、東京での芸人生活では食べるものにも苦労していたそうです。
河合「一週間乾燥ワカメだけを食べていたこともありましたよ。味は変えましたけどね。生きていく力は養えた気がします。まぁ、めったにできない経験ですよ」
北村「ライブのギャラ500円を2人で割るんです。チケットを自分で買って、それを公園で売ったりしました」
河合「道行く人に、『おもしろいの?今なんかやってよ。おもしろかったらチケット買うよ』って言われたりしながら…」
苦しいときも乗り越えてきた2人。長野を盛り上げるため、ますます意欲的です。
北村さんのお兄さんでライター&イラストレーターの北村ヂンさんが監修『長野のおきて ナガノを楽しむための51のおきて』
河合「長野県内でエンターテインメントをやる人たちを発掘して、芸人でもダンスでもいいんですけど、そういう人たちでイベントができるようになればいいなぁって思っています」
北村「僕もそれをやりたくて。夢を持って都会へ出ていくのもいいと思うけれど、長野県内で何か作れないかと。長野でも芸能活動ができる基盤を作っていきたいと思っています」
河合「自分がやりたいことがある人は、恥ずかしがらずに表に出てきて表現してほしいです」
北村「長野のテレビ局は自社制作の番組も多いし、もっと盛り上がっていけるはずだと思います。長野県全体のエンターテインメントを盛り上げていきたいですね」
取材中、緊張気味の私を気遣うかのようにたくさん笑わせてくれた北村さんと河合さん。そんな優しくておもしろい2人の長野に対する思いを聞いて「長野に住んでくれてありがとう!」というあたたかい気持ちでいっぱいになりました。
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会える場所 | 電話 TSB「ゆうがたGet!」15時50分~17時53分(毎週月曜・河合さんのみ出演、毎週火曜・北村さんのみ出演) SBCラジオ ブログ よしもと芸人こてつ北村の「だんべぇ日記」 http://blogs.yahoo.co.jp/kotetsu_tomo_blog YNN47LIVE(全国の住みます芸人によるUSTREAM配信) http://www.ynn47.jp/nagano/ |
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