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No.041

廣政

真也さん

こまつやオーナーシェフ

洗練されているのに温かな空気が流れる
厳選された食材で繊細な味を

文・写真 Takashi Anzai

カウンターキッチンの向こう側できびきびと働くスタッフ。
門前町の雰囲気を楽しむことができる大きな窓。
そして、野菜のおいしさがしみじみと感じられる繊細な料理。

善光寺の門前にある「パスタと自然派ワインのお店 こまつや」は、市内でも屈指の人気店として知られます。2009年のオープンから5年目を迎えました。

「非日常的な空間でプロの料理を食べさせて感動させるレストランもありますが、うちはより家庭的なニュアンスでやっています。例えば食べていただいた料理の、野菜の使い方や調理の仕方を、自分の家でアレンジしてもらえるような。家での食生活やライフスタイルにいい影響を与えられる店でありたいと思っています」

そう話すのは、こまつやのオーナーシェフ廣政真也さんです。

カウンター越しに厨房を見ていると、きびきびと働くスタッフの中でも廣政さんの動きはシャープで無駄がなく、見ていて気持ちがいいほどです。高校卒業後、メロコアバンドのドラマーとして音楽活動をしていただけあって、動きにリズムと躍動感があります。

「忙しいからそうせざるを得ないというのはあります(笑)。お客さんにしてみたら間近で仕事を覗き見しているような、そういうのも面白いんじゃないですかね。それと、景色が動いている時の方が会話は盛り上がるということを聞いて、カウンターキッチンは居心地の良さに繋げられるのかな、と思いました」

動きの機敏さに対して、味は繊細でやわらかです。
こまつやで使われる野菜は有機栽培のもの。扱うワインは自然派ワインだけです。

「イタリアンでは牛乳やバターを比較的多めに使っているところもあります。しっかりした味ともいえるし、重たい味ともいえる。そういう味を否定はしないけれど自分の好みではないので、うちでは豆乳とかを使って、濃い薄いというより『軽めの味』を意識してやっています」

多くの人の舌を満足させるメニューは毎日、変わります。

「メニューはまず食材ありきです。旬を考えつつ、一年二年と積み重ねてきて今に至ります。長野は食材が豊富なので、特に野菜といううちのコンセプトにはばっちりですね」

板の幅、厨房との高低差までが計算されたカウンターキッチン。廣政さんはじめ、スタッフがきびきびと動くさまは気持ちがいい(写真:こまつや提供)

廣政さんは山口県生まれ。現在の店舗は、妻のあやさんの実家です。300年以上続く「小松屋荒物雑貨店」を改装して開業しました。

「結婚して、もし子どもが出来たときに、当時住んでいた大阪で子育てするのは違和感がありました。地元の山口か長野という選択肢があったんですが、長野に来てみたら、場所も面白いし、300年続いたお店が今空いているということで、ここでお店をやったら面白いなと思ったんです。もしここのストーリーとシチュエーションがなければ、独立はしていなかったかもしれませんね」

木の温かみを生かした清々しい店内は、居心地の良さが感じられます。そこには緻密な計算があります。たとえばカウンターキッチンの幅、そして厨房と客席の床の高さのギャップ、そのほか約2m四方の大きな窓の位置、BGMの選曲や音量など。スタッフとの距離が近からず遠からず、外から見たときに入ってみたくなるよう、中から見たときは落ち着いた街の雰囲気を楽しめるよう、会話が楽しめるよう。すべてが計算し尽くされています。

味の良しあしはもちろんのこと、食事を楽しむ空間と時間全体に気を配っているのは東京と大阪で勤めていた「D&Department」での経験によるものだそうです。

デザイナー・ナガオカケンメイさんのプロジェクトとして知られるD&Department。廣政さんは、その東京本店、大阪店ともにカフェの立ち上げ直後で携わり、大阪店では料理長も務めました。

メニューの開発なども担当し、オリジナリティを追及していった結果、当時はまだ提供する店が少なかったマクロビオティックや自然派ワインを前面に出したメニュー構成にたどり着きました。そして次第に廣政さん自身もオーガニックな食材の持つ魅力に引かれていき、舌も繊細になっていったといいます。こうした経緯が現在のこまつやのベースとなっています。

厨房にて奥さんのあやさんと。D&Department大阪店では料理長と副料理長というコンビを組んでいた

一番面白い時期に入りましたね。今のD&Departmentはある程度完成されていますけど、僕がいた当時はどうすればいいかを考える余地がたくさんありました。

技術的なことはともかく、自分で考えて店をつくりあげていくということが経験できました。いくら一流のホテルで働いても、自分の担当の仕事しかやっていないで独立した人は、お店全体をつくっていくのが得意じゃない人もいます。そういう面で言えば、雰囲気づくりなども含めてトータルで考えられるようになったのはD&Departmentで店づくりに携わったおかげですね」

こまつやが自分の目指してきた姿に近づいてきたと話す廣政さん。今後についてもこまつやらしさが感じられる、楽しみになるような未来予想図を語ってくれました。

「食生活を『ちょっと』よくするお手伝いがしたい、ということがうちの一番のコンセプトです。そうするとお惣菜屋さんが一番ダイレクトにうちのコンセプトを出せるんですよね。だからタイミングが合えばやってみたいですね」

厳選した有機野菜を使用したパスタ。予約しないと入れない日も多い(写真:こまつや提供)

(2014/06/30掲載)

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会える場所 パスタと自然派ワイン こまつや
長野市西之門町500-8
電話 026-235-4040
ホームページ http://www.komatu-ya.com/

[営業時間]11:30-15:00(14:30ラストオーダー)18:00-21:00ラストオーダー
駐車場3台有り(お店の15m先左折後すぐ)
水曜/第2・4木曜日定休日

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