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ナガラボはながのシティプロモーションの一環です

No.359

安野

悦子さん

スイーツデコ教室「sweets pallet」

暮らしに彩りを添える
スイーツデコをつくる

文・写真 宮島悦雄

長野市でスイーツデコ教室「sweets pallet」(スイーツパレット)を主宰する安野悦子さん。「忍者フェスタ2017」でワークショップを出展した安野さんに、本物のスイーツそっくりのスイーツデコ(フェイクスイーツ)の魅力をうかがいました。安野さんは、生け花の嵯峨御流(さがごりゅう)、フラワーアレンジメントの講師も務め、きれいなもの、かわいいものを暮らしに取り入れることが大好きな女性です。

かわいいアイスサンデーはいかが!?

1月22日(日)、「忍者フェスタ2017」の会場「もんぜんぷら座」の地下に並ぶワークショップ。その中に、安野悦子さんが主宰するスイーツデコ教室「sweets pallet」のブースがありました。ステージ上では忍者ショーが演じられていますが、安野さんの前に座る2人の女性は、小さなケーキづくりに夢中です。テーブルの上には計量スプーンやイチゴ、木の実、リボンなどが入ったカップが並び、一見パティシエのキッチン風ですが、絵具のチューブや粘土、歯ブラシなどもあります。

30分ほど集中してできあがったのはかわいいアイスサンデー。生クリームも抹茶やチョコレートのアイスの質感も、載っている木の実もおいしそうです。ショーを見終わって周りで遊んでいた子どもたちがうらやましそうに見ていますが、これはスイーツデコ。食べられません。

食べられないのに、どうして夢中になっていたのか、つくっていた女性に聞くと、「できあがりを想像していると、楽しくなってつい熱中してしまいました。これは友だちにプレゼントします。友だちの驚く顔を想像するのも楽しい」。

アイスサンデーづくりを指導する安野さん。軽量粘土にアクリル絵具を混ぜて色を再現する

できた!生クリームはシリコン、イチゴやリボンは、半透明になる樹脂粘土で安野さんが予めつくっておいたものを載せている

想像する楽しさを味わって…

スイーツデコは、粘土などの素材で本物そっくりのスイーツをつくり、アクセサリーにしたり、棚に飾ったりして彩りを楽しみます。教えていた安野さんにその魅力をたずねると―

「かわいいことが一番。それに自分が食べたいものがつくれることかな。つくりながら、ここにチョコがあったらいいなとか、イチゴを載せたいなと想像力をふくらませていきます。白い粘土に絵具を混ぜて、だんだん最初に思い描いていた形に仕上がっていく過程が楽しい。ケーキ屋さんに行くと、見ているだけで心がはずむでしょう」

安野さんがスイーツデコに出合ったのは8年ほど前のこと。当時は東京で暮らしていて、2人目の子どもが生まれた頃でした。雑誌でスイーツデコを知り、あまりのかわいさに感動して、さっそく教室に―。

「真っ白な粘土から自分で作ったマカロンやみずみずしいイチゴやブルーベリー。香ばしく焼き色をつけたクッキーがおいしそうに見えるのがうれしくて…」

と、当時を振り返ります。
ところが、通い始めて間もなく長野に帰ることになったのです。しかし安野さんは教室を辞めませんでした。長野から2歳の子と赤ちゃんを連れて上京し、東京のママ友に預けてスイーツデコの勉強。そんな暮らしを約半年続けました。「趣味のために、そこまで―」と驚かされますが、そのとき安野さんの中には、自分でつくる楽しさとともに、「長野で教えられたらいいな」という思いも芽生えていました。

安野さんの母親・岡村幸子さんは、長野県内で嵯峨御流の生け花とフラワーアレンジメントを教える「幸フラワー」を主宰し、安野さんも講師として教室を手伝っています。そんな母親の背中を見て育ち、安野さんもきっと教えることの楽しさを知っていたのでしょう。

「最初はキーホルダーを量産してノベルティーグッズとしてお店に提案したり、結婚式場から頼まれてウェディングケーキのフェイクスイーツを提案していました。でもだんだんスイーツデコを商品として売るより、つくり方を教えたいと思うようになったんです。完成したケーキもかわいいけど、色を合わせたり質感を出す工夫をしたり、想像する楽しさを味わってほしいので―」

2016クリスマス・アート・コンペティション・イン・ヨコハマに出展したクリスマスリース

新婚カップルの思い出に―ウェディングケーキのフェイクスイーツ作品

夢は、暮らしを彩るフラワーショップ

安野さんは2009年から長野カルチャーセンターでクリスマスの特別講座をもち、2012年からは長野市内に月1回のスイーツデコ教室「sweets pallet」を開いて定期的に教えるようになりました。今は公民館のイベントなどにも呼ばれて教えています。

「教室には親子で参加される方、お孫さんと参加される方などがいて、生徒さんの年齢層が幅広いんです。おしゃべりしながら心をはずませてつくっている時間が楽しくて、皆さん長く続けてくれます」
 
安野さんの将来の夢は、フラワーアレンジメントやスイーツデコの教室を併設したフラワーショップを開くことです。

「最近の若い人は習い事をしなくなり、お花を習う人の平均年齢も高くなっています。お花もスイーツデコも、料理や裁縫のように生活に必要なものではありませんが、楽しみ方を知っていれば、お金をかけなくても暮らしに彩りを添えて豊かにしてくれます。若い人が気軽に参加できるような空間をつくりたい。若い人にもそんな心のゆとりを持ってもらいたいですね」

安野さんが考えるフラワーショップは、「必要ではないけれど、あれば暮らしが豊かになる」素材を提供してくれる店です。今は子育て真っ最中ですが、「もう少し子離れができたら…」と、夢をふくらませています。

(2017/01/31掲載)

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会える場所 スイーツデコ教室sweets pallet(毎月第2日曜日)
長野市南千歳町1-19-7 奈佐ビル3F
電話 026-228-5881

ホームページ : http://sweets-pallet.jp/
アドレス : info@sweets-pallet.jp

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