No.44
戸隠てぬぐい・戸隠ふろしき
健康運動指導士 徳武有紀さんのフェイバリット・ナガノ
戸隠の粋が隠れたお土産
文・写真 みやがわゆき
戸隠の珍名物
戸隠といえば、戸隠神社と戸隠そば、鏡池…。観光のお目当ては様々かと思いますが、お土産として、密かに人気を呼んでいる品物が、戸隠てぬぐいと戸隠ふろしきです。
一見すると、鳥居を規則的に並べたモチーフ。ですが、よーく目を凝らして見ると、一箇所だけ、鳥居が「戸」になっている所があります。戸が隠れているから、戸隠てぬぐい。思わず誰かに教えたくなる、粋な逸品です。
写真のどこに「戸」が隠れているか、分かりますか?
お土産屋の二代目が開発
戸隠てぬぐいを世に出したのは、戸隠のお土産屋さんを中心とした有志「つちのこ会」の皆さん。戸隠村が長野市に合併し、2007年には、市を挙げて「戸隠イヤー」という観光PR事業が行われました。その頃、つちのこ会では、戸隠ならではのお土産を考案。いろいろな意見が出た中から、雪中酒、そば焼酎、そして手ぬぐいとふろしきが商品開発されることになりました。
ちなみに、「つちのこ会」の「つち」は、お産屋の「土」。その2代目(=子)の集まりということで名付けられたそうです。
雪中酒は、メディアでも報道され、広く周知されましたが、手ぬぐいとふろしきは特別宣伝はしていないにも関わらず、口コミでじわじわと人気が広がりました。
戸隠ふろしきを生地に使った小物も販売されている(写真提供:kotorium)
「戸隠小唄」とともに
さらに、戸隠てぬぐいは、戸隠の小学生にとっても欠かせないアイテムとなっています。11年前に戸隠地区内の三校が統合して誕生した戸隠小学校。秋の運動会のプログラムの最後は、全校種目として「戸隠小唄」の演舞が恒例となっており、児童たちは戸隠手ぬぐいを鉢巻にして踊るのです。
戸隠に伝わる民謡「戸隠小唄」。その歌詞には“女人禁制の戸隠山”や“紅葉狩りには荒倉山”、“娘十六戸隠育ち 腕に覚えの手打ち蕎麦”など、戸隠の歴史や文化が細やかに描かれています。独特の振り付けとともに、盆踊りなどで躍り継がれてきた戸隠小唄は、戸隠で生まれた人なら誰もが知っている戸隠のソウルミュージック的存在。そして、小学生たちの戸隠小唄の思い出の傍らにはいつも、「戸隠てぬぐい」があることでしょう。
児童も保護者も地域の方も一緒になって躍る戸隠小唄
<info>
戸隠てぬぐい 530円/戸隠ふろしき630円
※色は写真のえんじ色のほか、紺、緑の三種類
戸隠地区内のお土産屋、竹細工店などで販売中