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ナガラボはながのシティプロモーションの一環です

No.33

芋井・林農園のりんご

シンガーソングライター 雅紀与さんのマイ・フェイバリット・ナガノ

標高600メートルの南斜面で育った葉取らずりんご

文・写真 みやがわゆき

芋井のりんご

「芋井(いもい)」地区をご存知でしょうか?長野市西北部、飯縄山と裾花川の間の山村地帯で、850世帯、人口2500人余りが暮らす集落が点在しています。その地名のいわれは古く、本田善光の背中に飛び移った一光三尊像が「信濃の国の芋井の郷へお連れするように」と告げたという善光寺の起源にも登場しています。
この辺りでは、明治以降、隣接する戸隠・柵や鬼無里同様、養蚕が盛んに行われ、斜面には桑畑が広がり、昭和初期には建築用材としてあちこちに杉が植林されました。
近年、りんごの産地として有名になった芋井地区ですが、りんごが栽培されるようになった歴史はまだ浅く、高度経済成長期以降のこと。標高600〜700メートルの寒暖差と水はけと富んだ斜面の地形は、甘くておいしいりんごを育むのに最適な場所だったのです。

芋井地区にある林農園のりんご畑から。善光寺平と菅平高原を遠望できる。

おいしさの秘密

りんご通にとっては、知る人ぞ知るブランド「芋井のりんご」。数ある農園の中でも、林農園のりんごは、一度食べたら忘れられない程のおいしさを誇ります。皮ごと丸かじりしてみると、シャキッとした食感と、滴るような果汁。まるでジュースを食べているような感覚で、やわらかい甘みと爽やかな後味が口中に広がりました。

林農園のりんご畑は、一般的なりんご畑と様子が違います。長野にお住まいの方なら、写真を見ておわかりでしょうか。りんごの樹に青々とした葉っぱが茂り、葉っぱとりんごが実っている枝は上を向いています。実っているりんごは、スーパーに並ぶりんごに比べると、かなり小ぶりです。
オーナーの林貴士さんに、そのわけを伺うと、3つのことを教えてくれました。
まずは、りんごの葉を取らないこと。普通なら、りんごの実がより赤くなるように日陰を作る葉っぱを取りますが、林農園では葉っぱを取らず、その栄養が収穫直前まで果実に行き届いて、りんごのおいしさを増しています。
次に、摘果をし過ぎないこと。りんご栽培では初夏に、一枝に実るりんごをより大きくするための摘果を行いますが、林農園ではあえて摘果する実の数を最小限に絞っています。そのため、小ぶりだけれど、枝が吸収した栄養がバランスよく実に行き届き、果汁が凝縮したおいしいりんごが実るのです。
3つ目は、切り上げ剪定を行い、農薬を最小限に抑えていること。普通はりんごが収穫しやすいように枝を横に向けて剪定しますが、一昨年から林さんは自然のままに、上に伸ばす“切り上げ剪定”を行っています。それによって、年を取って樹勢が落ちていた樹が“若返った”そうです。樹が元気になれば、樹本来の自然なエネルギーが高まり、病害虫の被害も受けにくくなるということ。今年は農薬を半分に減らし、化学肥料も、身体に有害とされるネオニコチノイド系の農薬も使っていないそうです。

太陽に向かって伸びるりんごの枝は、植物本来の姿(写真はシナノスイート)。

ぎりぎりまで樹で熟させて収穫するため、もぎたてのりんごは最高においしい。

無農薬栽培を目指して

林さんは、埼玉県出身。10年ほど前に飯綱高原に移住し、ウェブデザインの仕事をしていました。移住する前は、「果樹農家」という存在も知らず、りんごも好きではなかった林さん。自然に囲まれて暮らすうちに、農業をやってみたいという気持ちが生まれ、たまたま芋井のりんご農家の方が病気で倒れ、後継者を探しているという話を聞き、「面白そう」と思って就農を決意したそうです。それから5年、親切な地元の先輩農家や、環境を守る農法を行っている県外の果樹農家の方にもアドバイスを受け、試行錯誤しながら、現在のスタイルを生み出しました。
林さんがりんごを作る上での一番の喜びは、やはりお客さんの「おいしい」の一言。りんごが嫌いだった人や、化学物質過敏症の方が食べられて、おいしいと言ってくれたときにやり甲斐を感じるそうです。そんな、林さんの目標は無農薬でりんごを作ること。そのために、今年は別の場所にある数本の樹で試験的に無農薬栽培を始めました。
「就農者を増やし、信州を無農薬栽培のメッカにしたい」と夢を語る林さん。夢が実現する日も、そう遠くはないかもしれません。

林貴士さん。普段は奥さんと4歳のお子さんもサポートしてくれる(取材時はご不在)。

<Information>
林農園(長野市芋井地区)
Tel. 090-3240-9991
HP:http://apple.nagano.jp/

(2016/11/16掲載)

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