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No.43

長野少年少女合唱団

元高校教諭 宮入剛さんのフェイバリット・ナガノ

「歌が大好き」でつながり響く
心地よいハーモニー

文・写真 オギノフミエ

40年の歩みと新たなスタート

善光寺表参道からちょっと裏手に入った寺院横の、以前は幼稚園だった建物から澄んだ歌声が響きはじめるのは土曜の午後。ここは、40年以上の歴史をもつ長野少年少女合唱団の練習場所です。

年長者が中心になって机と椅子を並べ終えると、なごやかに練習が始まります。団員たちの正面で指導をするのは、合唱団の代表で音楽家の北村智佳子先生。合唱団の卒団生でもあります。

合唱団の設立は1976年。創設者は、北村先生の母、山本美智子さんでした。声楽家としての実力はもちろん、合唱団にかける美智子さんの熱意や人柄、人望は並外れたものがあり、「美智子先生のためなら」と多くの音楽家や友人、知人たちが合唱団の活動に尽力したといいます。

そんな、とてつもなく大きな存在だった美智子さんが他界されたのは2014年9月のこと。悲しみに浸る間もなく、目前に迫っていた定期演奏会を成功させ、翌年の「山本美智子先生を偲ぶメモリアルコンサート」「創立40周年記念演奏会」も無事に終えました。

そして2016年の第41回定期演奏会。新代表に就任した北村先生は、パンフレットに「新たな10年に向けて」と題し、

「変わらない活動の中にも、良き変化があり、心配な事が起こっても手助けしていただく方が現れ、変わらない活動を進めていける奇跡のような合唱団。本当に合唱団を心から愛している、大きな家族のような皆様に支えられています」

と記しました。

指揮をする北村先生のほか、ピアノで伴奏する先生、小さな子のそばで歌や譜面の説明をする先生も。いくつかの曲を歌いながら、声の出し方や息の使い方などを身につけていきます

地道な練習と舞台という刺激

県内外のイベントやコンサートへの出演、プロミュージシャンとの共演、国内外オペラ作品への出演等々、数え切れないほどの活動実績を誇る合唱団ですが、実はこれらすべてが先方からのオファーで実現したこと。大切なのはあくまでも、創立以来、1年に1回必ず開催している定期演奏会へ向けた毎週の地道な練習や活動です。

とはいえ、定期演奏会以外のステージが合唱団を続けるモチベーションになる子もいれば、多彩なジャンルのプロの仕事や姿勢に触れてさまざまな夢や目標を見つける子もいます。音楽家や音楽教育家として活躍する卒団生は大勢いますし、音響技師やステージ裏を支える舞台専門の仕事に就いた卒団生もいます。いずれにしても、滅多にない貴重な体験であることはたしかです。

ちなみに、これまで合唱コンクールに出たことはありません。決してコンクールを否定するわけではありませんが、

「コンクール入賞をめざすと特殊な指導が必要です。曲選びも変わりますし、人や声を選ぶことになります」

と北村先生。演奏会などステージに立つときも、場合によって年齢で区切ることはありますが、みんなで参加が基本。だからオーディションはしません。

招待されたステージで歌声を披露できるのは、日頃の練習をしっかりしているからであり、その場にふさわしい歌が歌えるよう準備しているからです。学校で習う機会が減った童謡唱歌、楽しいアニメソング、誰もが知る世界の名曲、偉大な作曲家の曲(ラテン語、イタリア語、ドイツ語などの難曲も!)をはじめ、幅広いジャンルに挑戦しています。
そうした活動が評価され、2016年には長野市子ども文化芸術賞を受賞しました。

練習の後半は先生と一緒に音符や歌詞の意味を考えながら歌います。入団時に楽譜が読めなくても、定期演奏会までにはみんな譜面が読めるようになるそうです

楽しいからずっと続けたい

4歳の女の子に付き添っていたお母さんにお話をうかがいました。原則4歳以上なのですが、本人(当時3歳!)の強い希望で1年前に入団、「習い事を始めたくて水泳やバレエやピアノなどいろいろ見学しましたが、『どうしてもここがいい!』と言って。とにかく楽しいようで、時間になると『早く行こうよ』って言うんです」

その隣で休憩中の小学5・6年生たちは、小学校の合唱団にも所属しているそうです。

「学校ではやらないような曲をいろいろ歌えるようになります」
「振り付けのある歌もやるとけっこう楽しいです」
「いろんなトシの子がいるけど、上下関係がなくてみんなと話しやすいです」

中学生のみなさんは?

「小さな子もいて、いろんな人と一緒に歌えるのがいいです」
「演奏会はひとつの目標って感じで、舞台は緊張するけど楽しいです」
「歌が大好きだし、みんなといるのが楽しい。部活も忙しいけど、どっちも続けたいです」

4歳さんは塗り絵で楽しく文字や楽譜を覚えます。小学2年生までは16時半に練習終了。4歳の2人も前に並んで恥ずかしそうに、でもしっかりと「ありがとうございました、さようなら」と挨拶をしていました

歌う仲間がいる、帰る場所がある

合唱団に入った理由を尋ねてみると、みんながみんな「歌が好きだから」「合唱が好きだから」という答え。好きなこと、夢中になれることでシンプルにつながっているからこそ、心地よい関係が育つのでしょう。

「学校や学年が違っても仲良く活動しているのは、特徴のひとつかもしれません」と先生もいいます。

「『ここに帰ってくると安心する』と卒団生が訪ねてくることもよくあります。私たちもうれしいですし、そういうつながりはずっと大切にしたいです」

団員は現在31人(休団員含む)、卒団生は600人を優に超えました。4歳から高校3年生まで随時入団可能。中高生の入団も大歓迎。字が読めない小さな子でも大丈夫。音符が読めなくても、歌がうまくなくても心配無用です。「少年少女」という名のとおり、男の子の団員もいます。いまは人数が少ないので、特に男子団員絶賛大募集中です。興味のある方はぜひ見学を。透明感のある歌声を聴いてみてください。

2015年の創立40周年記念演奏会(ホクト文化ホール・中ホール)。卒団生や父母の会なども参加した合同ステージで「翼をください~長野少年少女合唱団スペシャルアレンジ~」を熱唱(指揮・編曲は音楽顧問・山本昇さん)

40周年記念演奏会を前に関係者が全員集合。後援会、父母の会、卒団生など支えてくださる方々への感謝が深まる日でもあります。多岐にわたる人々との交流から刺激や影響を受けて団員たちはさらに成長していきます(演奏会の写真は2点とも合唱団提供)

<info>
入団年齢/4歳から高校3年生まで誰でも入団可能
練習場所/旧長野中央幼稚園(中央通り北野文芸座裏)
練習日/毎週土曜日15時~17時半(4歳~小2は16時半まで)
*ほか活動の詳細はホームページをご覧ください
http://nagano-b-g-choir.com/
お問合せ 090-3063-9665/026-233-1287(合唱団事務局)

(2017/02/08掲載)

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