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わくわく・共感できる長野の元気情報を配信します!

ナガラボはながのシティプロモーションの一環です

No.289

中島優里さん

間島晴輝さん

長野高校2年

グローバルな視点から
地域の課題と魅力を発信する

文・写真 安斎高志

プレゼンターとして海を渡る

9月17日、カナダ・リッチモンドで開かれたオリンピック・ミュージアム・ネットワーク(OMN)の総会で、長野市からの一団がプレゼンテーションを行いました。エムウェーブにあるオリンピック記念展示コーナーのOMN加盟を認めてもらうためです。メンバーの中には、長野高校2年の中島優里さんと間島晴輝さんの姿がありました。

中島さんと間島さんは、国際的な会議で、英語でスピーチするということに魅力を感じ、校内での募集に手を挙げ、応募者12名の中から選ばれました。先に登壇した間島さんは異文化コミュニケーションにおけるスポーツの有用性について話しました。

プレゼンテーション成功後にOMN議長のGabet氏と、IOCのWo氏とともに(提供:エムウェーブ社長土屋龍一郎さん)

「僕はテニス班に所属しているんですが、海外に行った時でも、テニスはルールが同じなので現地の高校生とも楽しめました。スポーツは、コミュニケーションを深めやすく、人を結びつける力があります。しかし、地方である長野ではそういうことを感じる機会が少ないので、エムウェーブがOMNに加盟することで、そうした機会が増えてほしい、というような話をしました」

続いてマイクの前に立った中島さんは長野五輪を次世代に繋げていくことの大切さを訴えました。

「友達から長野の魅力だと思う写真を集めたんです。山とか善光寺とか。そして、こういうのどかなところでオリンピックが行われたということは、札幌や東京といった都会で開催された五輪とはまた違った意味を持っていて、もっと長野五輪のことを伝えていかないともったいないと話しました」

ふたりを含めたプレゼンターたちの思いは通じ、結果、エムウェーブのOMN加盟は満場一致で可決されました。

IOC Olympic museums Network 総会の様子。ふたりの持ち時間はそれぞれ10分だった(提供:エムウェーブ社長土屋龍一郎さん)

柔軟性のある人間に

ふたりが通う長野高校は、昨年度から、文部科学省のスーパー・グローバル・ハイスクール(SGH)に指定されています。SGH初年度である昨年、指定を受けたのは、全国で56校だけ。同校では語学だけでなく、幅広い課題解決力を身に付けたグローバルリーダーを育成するため、特色ある取り組みを続けています。

生徒は1年時から、健康長寿、生産財、農業、教育など7つの分野の中で、自身の関心が最も高いテーマを選び、5人前後のグループで調査、研究、発表を行います。地域の課題や魅力を発見し、グローバルな視点からその解決策や魅力を広める方法を考えて発信することが目的です。

また、希望者の中から選抜された生徒はハーバード大学でプレゼンテーションを行うなど、海外での学習の場も設けられています。

間島さんは、その環境を恵まれていると話します。

「SGHに指定されていなかったとしたら、進学校は班活と勉強だけで3年間終わってしまう。そうすると柔軟性がなくなってしまいますよね。高校生になって、ひとつのテーマを突き詰めて調べられるのは楽しいし、地元のことをたくさん知ることになりました」

今月は2年生全員参加で台湾へ研修旅行に行きます。中島さんは、SNSを通じて台湾の友人から現地の情報を得ているそうです。

11月12日には課題研究発表会(善光寺グローバルプレサミット)が開かれ、2年生はこれまでの総括としての発表を行った(提供:長野高校)

生徒が運営に深く携わる

中島さんは、生徒自身が運営に深く携わるSGHのプロジェクトにおいて、リーダーを務めています。SGHのプロジェクトは、中島さんが入学した年にスタートしました。そのため、仕組みが定まらなかったり、変更があったり、といったことも少なくなかったそうですが、それが重要な経験になったと笑顔を見せます。

「SGHに指定されて1年目だったからこそ、あっちに行ったりこっちに行ったり冒険しながらできたのはよかったと思います」

間島さんも同じ感想を持っています。

「学校は『言われたことをやる』という性格が強いですけど、生徒から提言してできることが多かったというのはすごく大きな経験ですね」

SGH事業推進係主任の白鳥美香先生も生徒の主体性に目を細めます。

「レポートのような形で発信物が出てくるのを予想していたら、動画やホームページなど、教員の発想を超えるものを出してくる班もありました」

生徒の要望を反映させ、昨年度は1コマ(55分)ずつだった授業を2コマ連続で行うようにしたり、1年時に決めたテーマを2年時に変更できるようにしたり、さまざまな面で柔軟に対応しています。

公務員になって自分の住む町に貢献したいと話す中島さんと、国際的に活躍する医療人になりたいと話す間島さん。ともにビジョンを持ち、かつ自分が置かれた環境を恵まれていると胸を張る生徒たちを見ていると、羨ましさを感じずにはいられませんでした。

ふたりとも「長野は好き」と口をそろえる。間島さんは「進学で長野を離れても、死ぬときは長野に戻ってくる」と笑う

(2015/11/26掲載)

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