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ナガラボはながのシティプロモーションの一環です

No.03 SPECIAL TOPICS

丸山

謙一郎さん

株式会社アソビズム ゲームクリエイター

アイデアをかたちにする力を育てるゲーム製作会社の新たな挑戦

文・写真 安斎高志

「ドラゴンリーグ」「ドラゴンポーカー」などのヒット作を生み出してきたゲーム制作会社・アソビズム(本社=東京・秋葉原)が2013年、築100年ほどの旧旅館に長野ブランチを立ち上げました。

ここを拠点に進めているのが、「未来工作ゼミ」プロジェクト。子どもたちに、プログラムやICT(情報通信技術)を身につけてもらい、自分のアイデアをかたちにできるような力を養います。

ゲーム作りと"勉強"

未来工作ゼミで「ハカセ」として講師を務めているのが、ゲームクリエイターの丸山謙一郎さんです。丸山さんは前職で、MMORPG(大規模多人数同時参加型オンラインRPG)を企画、開発するなど、ゲーム業界の第一線で活躍してきました。

ゼミは小学4年生から高校生までが対象。丸山さんは、子どもたちが学校の勉強ばかりに縛られずに育ってほしいと話します。

「一流大学を出ていても、言われたことしかできなかったり、一個しか答えを持っていない人がいる。そうじゃなくて、子どものころに存分に遊んで、知識とか交友関係を広げて、広い視野で多角的に物事が見られる、おもしろみのある人間になってもらいたいですね」

一方で、ゲーム作りに必要な力は、学校の勉強に繋がっているともいいます。

「数学、英語は必須だし、マニュアルを読んだり書いたりする国語力も必要です。物語をつくるときは、歴史や法律等を知っていないとリアルな世界観はつくれない。制作過程はトライ&エラーで、仮説を組み立てて、実験して、また戻るというようなことを繰り返します。理科の実験そのままですね。物理計算もあります」

ただ、そのことはあえて口にしないという丸山さん。子どもたち自身がその事に気付いて自発的に勉強するようになってほしいからだそうです。

先日、ゼミの卒業生と未来工作ゼミキャラバンのイベントで再会し、子どもたちの成長に手ごたえを感じたと目を細めます。

「プログラミングの腕を上げていただけでなく、テキストに書かれていないオリジナルの要素を課題制作に盛り込んでいたんです」

「子どもは成長するスピードが速い」と丸山さん

長野ブランチは善光寺の門前町にある。築100年ほどの老舗旅館をリノベーションした

東京、沖縄を経て、長野へ

丸山さんは長野市生まれ。高校卒業後、ゲーム制作の専門学校に進学します。

「別にゲームをつくる仕事をしようと思っていたわけではないんです。これからはPCを使えないとだめかなと思って、楽しくPCのことを学ぶにはゲームがいいかなと。時代はウインドウズ95が出るころでした。周りにそんなことを考えている人はいなくて、うちの親も最初は『大学に行きなさい』と反対していました。でも、そのころは就職氷河期で、新卒の採用枠が取り消されるような時期。大学を卒業しても就職できないと思ったんです」

在学中からアクションゲームなどを作り始め、システムエンジニアとして就職したあとも、作品をウェブサイトで公開していました。次第にウェブサイト経由でゲーム制作会社からグラフィックやモーション作成の仕事が舞い込むようになり、フリーのCGクリエイターに転身します。

5年が経ったころ、旧知のクライアントが立ち上げた、携帯電話向けのゲームを自社開発する会社に誘われ、入社します。間もなくして同僚のプログラマーとふたりで開発を始めたMMORPG(複数の人が同時参加できるオンラインRPG)が大ヒット。現在もアップデートを続けているこのゲームの会員数は360万人に上ります。社員7人でスタートしたその会社は丸山さんが在籍していた5年間で従業員300人まで成長しました。

その後、都会の喧騒を避けて、沖縄に移住し、フリーでゲーム制作に携わっていた丸山さん。故郷にアソビズムの長野ブランチが立ち上がったことを知り、帰郷することを決めます。

みんなで昼食を作ったり、コーヒーを淹れたり。丸山さんのコーヒーが一番おいしい、と同僚たちは言う

コミュニケーションや気づきが生まれるオフィス

アソビズムの長野ブランチは、2014年度の日経ニューオフィス推進賞を受賞しました。築100年の味わい深さはそのまま残しつつ、快適な環境を整えました。1階にはバーカウンターがあり、冬は和室にコタツが出されます。キッチンも完備され、昼ごはんは賄いさんにお願いしたり、自分たちでつくったり。夜はテーブルゲーム大会が開かれることもあります。

実はアソビズムの東京本社もその2年前、同じ賞に輝きました。東京本社にはバーカウンター、ゲームコーナー、ボルダリングの壁などがあり、従業員が休憩時間に楽しむことができます。それらの仕掛けの裏には、深いコミュニケーションや新しい気づきが生み出されるようにという意図があります。

社員みんなでキャンプに行ったり、スキーに行ったりと、アウトドア関係のイベントが多いのも特徴。それは大手智之社長が、自然に触れることはクリエイティブな仕事をするために必要だと考えているから。

その考えは未来工作ゼミにも反映されています。昨夏から始まった「サマーアドベンチャーキャンプは、大自然に触れながら、アプリ開発などが体験できます。

これからの「生きるチカラ」を育むことが、未来工作ゼミのミッション。そしてアソビズムの経営理念は「得意を活かす」。教育事業は始まったばかりです。この挑戦がどんな実を結ぶのか、楽しみでなりません。

うちのオフィスは落ち着いて仕事ができるので、1日がゆっくり過ぎる」と丸山さんは話す

「サマーアドベンチャーキャンプ」では、大自然の中で「つくる」をテーマにさまざまなワークショップを行う

(2015/07/07掲載)

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会える場所 株式会社アソビズム長野ブランチ
長野市桜枝町893飯田館
電話 026-238-6780
ホームページ (長野ブランチ)http://www.asobism.co.jp/nagano/

「未来工作ゼミ」
ホームページ https://www.futurecraft.jp/

ナガラボではアソビズム大手智之社長も紹介しています↓
https://nagano-citypromotion.com/nagalab/article/1405221938.html

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