No.048
峯村
健二さん
手品師
世界が認める長野市が生んだトリックスター
文・写真 Yuuki Niitsu
今年5月17日長野市若穂保科にある広徳寺において、チャリティーショーが行われました。
その主役となったのが長野市若穂出身の手品師峯村健二さんです。
峯村さんは現在、名古屋市でUGMというマジックショップで手品道具や自身の手品を撮影しDVDにして販売する傍ら、世界各国で開かれる国際的イベントに招待されて手品を披露しています。
「昔から人と同じことをするのが嫌だったんです」
こう語る峯村さん。手品に出会ったきっかけは10歳の頃だったといいます。
「兄が買ってきた手品の本の付録をやってみたら面白いくらいにはまったんです。それに、周りでは手品をやる人がいないというのも決め手でした」
芸の世界に少年が引き込まれた瞬間でした。
子供の頃から話をするのが苦手だったという峯村さんですが、手品をすることで自分を表現できたといいます。
そんな峯村さんは中学、高校と進むにつれて確実に手品の腕をあげ、高校では前夜祭で全校生徒の前で手品を披露することとなります。
「何百人もの人が一斉にどよめくんですよ。僕の手に全視線が集まる”静寂の時間”が、手品によって一気に解放される。緊張と緩和。快感でしたね」
峯村さんが手品師として生きていく覚悟を決めた瞬間だといいます。
その後、名古屋大学へ進んだ峯村さんは現在勤務するUGMと出会い、1999年にUGM主催の「ワールドマジックセミナーinアジア」という日本ではトップクラスの大きなコンベンションで見事1位になります。その素質を買われ、2000年にはラスベガスで行われた世界大会の参加資格を与えられ、各国のトップクラスの手品師がいる中、初出場でアマチュアとしてなんと優勝してしまいます。
「西洋のマジックはパフォーマンスがすごいんですよ。だから、自分は内容勝負でいきました。例えば、当時誰もやっていなかったスプーンやフォークを使った手品。とにかく人がやらないことにこだわりました」
バーテンダーマジックというユニークな切り口、テクニックとギミックの絶妙なコンビネーションによる不思議さは今まで誰もやったことのないものでした。
峯村さんが勤務するUGM。店内には様々な手品道具が揃っている
こうして28歳という若さで栄誉ある賞を掴むことにより、それまでのヨーロッパ中心だっ
た手品界において、峯村さんをはじめ多くのアジアの若手が世界で活躍していくこととなります。
現在、そのキャリアを買われ世界各国で手品の講義やショーに招かれ、精力的に手品を世界に広めている峯村さん。そんな峯村さんに、”マジシャンあるある”をお聞ききしました。
「小物を見つけるとすぐ手にしてしまいますね。何か出来るんじゃないかと思って。だから、雑貨屋に入るとなかなか出てきませんね。女子より長いかも(笑)」
2010年のスペインで行われたMagialdiaというイベントにて。「by Magialdia」
個人的には手品師というと秘密主義であまり多くを語ろうとしない方をイメージしていましたが、峯村さんはサービス精神旺盛で常にニコニコしている接しやすい方でした。
そんな方ですから、思わず”生手品”をお願いしたところ、突然の無理にも快諾していただきました。
保育園で先生にやってもらった親指が取れたように見える”親指イリュ-ジョン”以来の、間近で見る生手品にバックバクの心臓。
チャリティーショーでも披露したというロープを使った手品を堪能させてもらいました。
3本のロープが切れて6本に増えたり、逆に1本に繋がったりと峯村さんの手先から繰り出されるサプライズ劇場に「まじっすか!」「ウソだろ、おい!」と子どものようなリアクションを浴びせながら撮影する編集部・新津。
あまりの騒がしさに、「手品で消されたらどうしよう」と余計な心配をしましたが、>
「手品を写真で撮られたことは、なかなか無いですね」と笑って話す峯村さんに安心するや否や恥ずかしさが込み上げてきました。
それほど生手品に我を忘れ興奮してしまいました。
UGM社長の似顔絵。社長の名前の「勇次」から「ユウジマジック」⇒UGMと命名
百聞は一見にしかず!是非、峯村さんの今までの作品を以下からご覧ください!
実際に生で手品を見せてもらいました!この紐がなんと!!!
「手品は相手の想像力と錯覚を利用します。観る人がいて初めて手品が成り立つんですよ」
そう話す峯村さん。
八頭身を思わせる小顔でスマートな峯村さんに今後の目標を聞いてみました。
「正直、2000年に優勝してから、今までやってきた持ちネタをずっと披露してきたんですが、今後の為そして若手を刺激する意味でも、いま新作を4つ手がけているんですよ。それを、披露したいですね」
今もなお、挑戦を続ける手品師峯村健二さん。
冒頭で触れた地元広徳寺でのチャリティーショーでは、中学校時代の水泳部の担任が見に来ていたといいます。実に30年来の再開がまさかの教え子の手品ショー。
その繊細かつ巧みな世界に恩師も”息継ぎ”を忘れるほど興奮したに違いありません。
耳の上に切れた紐が・・・・・!しかし、写真では手品の凄さが伝わらない。是非、生でご覧ください!
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会える場所 | UGM(ユージーエム) 名古屋市東区筒井2-10-35大崎ビル1F (ブルーのビルが目印) 電話 052-936-0657 ホームページ http://www.ugm.co.jp/index.html(手品道具、DVD多数販売) E-MAIL shop@ugm.co.jp <イベント情報 UGM MAGIC CONVENTION 2014> <私のご縁> 「地元若穂の360度の大自然!全てが癒されます」 |
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