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ナガラボはながのシティプロモーションの一環です

No.094

安達

浩平さん

ロジェ・ア・ターブル代表

温かくてホッとする料理で
どこでも食事を楽しむ空間に

文・写真 Takashi Anzai

好きな空間で好きな料理を

美味しい料理を、好きな場所で食べたい―。
そんな願いをかなえてくれるのがケータリングサービスです。

「自分の好きな空間を、食事を楽しむ場所に変えられるというところがいいですね。たとえばウェディングをリンゴ畑でやりたいと言われれば、料理を持って行きますし。宴会だって職場でやれば、飲んでいる席なのに仕事のメールをチェックするなんてこともできてしまいます」

こう話すのはロジェ・ア・ターブルの代表、安達浩平さん。
2012年12月からケータリングサービスを開始、あっという間に多くのリピーターを獲得し、さまざまな催しで安達さんの料理を口にする機会が増えました。

「最初は自分から発信してきたところもありますけど、途中からは一度利用してくれた人が紹介してくれたりして、ひとりでにどんどん枝葉のように広がってくれました。すごくありがたいことですね」

僕も、何度も安達さんが料理を提供した席に参加していますが、安達さんの料理には人をホッとさせる温かさのようなものがあり、その盛り付けやテーブルコーディネートには食事を楽しみたくなる空気があります。

これらは留学したフランスでの経験が大きく影響したと安達さんはいいます。

「フランスの人は、そんなに値段が高いものを食べていなくても、食卓という空間、そして食事の時間を大切にしている。そこは大事だなと思いました。いわゆる高級料理でなくても、きれいに見せて、いい雰囲気で食べるということを意識するようになりました」

「食卓という空間、そして食事の時間を大切にしている。そこは大事だなと思いました」(安達さん)

フランスで味わった現地の料理

安達さんは山形県の出身。郷里の調理師学校を卒業した後、東京のフレンチレストランで働きます。そして4年が過ぎたころ、フランスへ渡ります。その理由は「反骨心」のようなものだったと安達さんは振り返ります。

「上司がかつてフランスにいたんですが、あまりに『フランスはこうだ』と言うので、それなら自分も行ってやろうと思ったんです。そんなに高い志があったというわけではなくて(笑)。フレンチって言うと、みんな高級なところばかり目指しているけれど、それだけではないだろうと思っていたので、現地を見たいという気持ちが強かったですね」

自身を不器用と評する安達さん。高級フレンチではなく地方の料理や家庭料理に触れるため、最先端のパリではなく、シャンパーニュ地方のランスという街を選びました。そこで現地のありのままの食卓を見てきます。

「正直に言えば、貧しい食卓も多々あるんです。でも、シャンパーニュのワインはこのグラスで飲むとか、そういう決まりごとはしっかりしているんです。そういうことも含め、大した料理は出なくても食事を大切にして、そして楽しんでいました。それは、僕が行く前から感じたかったことだったのかなと思います」

ランスでは、三つ星レストランなどで働くことも頭をよぎりましたが、選んだのは初志貫徹、若者向けの”ブラスリー”でした。ブラスリーとは、ビストロより少し下のランクの大衆的な飲食店の形態です。

「三つ星は、それはそれですごいんですけど、大衆的なところもそれはそれで良さがあります。当然、それもフレンチなわけです。フランス人だって毎日そんなに高級なフランス料理を食べているわけではないですから」

現地の食事を、現地の人の目線で見てきた安達さん。約1年の留学を終え、帰国します。

「行く前は、僕のいる世界は高級フレンチのトップを目指さなければいけないものかなと思って悶々としていたんですけど、行ってからは、僕は僕のスタイルでいいと思えてすっきりしました。自分は不器用で細かい作業ができないのは分かっていましたし、家庭料理とか地方料理が好きなので、そういう分野でやっていくことにしたんです」

以前、ナガラボで紹介した株式会社アソビズムの大手社長もリピーターの1人。「(大手さんは)経営やサービスのアドバイスもしてくれる尊敬する経営者です」

多忙な中でも成長を続ける

帰国後は再び東京のレストランに勤めました。結婚後、子育てのことも考えて、奥さんの実家がある長野市にIターン。県内のホテルと系列のゴルフ場の厨房で5年間働き、その後、飲食店のコンサルタントとして独立します。
そしてその1年後、ケータリングサービスを開始。現在では、お弁当の宅配、カフェのコンサルティング、社員食堂の受託事業などを手掛けています。
2014年4月にオープンした善光寺門前の「SHINKOJI CAFE」のメニュー作成やオペレーションにも関わりました。ジャンルは和食ですが、料理から伝わる温かみと、食事のワクワク感が増す盛り付けなどはロジェのケータリングと同じです。

独立してからも多忙な日々を送る安達さんですが忙殺されることなく、日々学びながら成長を続けています。
県知事が出席する、とあるミーティングでランチを提供したときのこと。安達さんの最初の提案は高級な料理でした。しかし、もてなす側であるお客様の要望は、あくまでミーティングなので25分くらいで食べ終われて、食べにくいものはダメとのことでした。

「料理の質も大事なんですが、それよりも、どういう席なのかということの方が大事です。たとえば若い人でボリュームを要するのか、かしこまった席なのか。そういうことをこれまで以上に考えるようになりましたね」

ケータリングの魅力を前面に出したサービスを提供したいと考えている安達さん。今後は、ウェディングも手掛けていきたいと考えています。

「僕自身は結婚式をやりたくなかったんです。お金が無駄だと思っていたので(笑)。でも、もしも公園で友達だけで、というかたちならやりたかったんですよね。だから『普通のウェディングならやりたくない』という人をターゲットにしたいと考えています」

青空の下で安達さんの料理が振る舞われる結婚式-。想像しただけで、幸せな気持ちになりました。

開業のコンサルティングをしたSHINKOJI CAFEの厨房にてスタッフと

(2014/09/12掲載)

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会える場所 ロジェ・ア・ターブル
長野市長野上西之門町604-1
電話 026-217-7929
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