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No.013

新井

友訓さん

あらい とものり

素桜神社の神代桜 保存会会長

神代桜と共に
暮らし四季を見守る桜守

文・写真 Rumiko Miyairi

4月28日満開。
長野市泉平にある素桜神社の神代桜が今年も咲きました。この桜は国の天然記念物にも指定されているほど歴史が長く樹齢は約1200年と言われています。

「今年も見事に満開になりましたよ。木の上の方まで花付きも良くてね」

取材した4月下旬はちょうど満開の時期。

神代桜の桜守、新井友訓さんは嬉しそうに桜を見つめ、そう話してくれました。

新井さんは今年から神代桜保存会の会長も引き受けています。

「毎年春になると、『今は何分咲き?』と開花具合の問い合わせが頻繁になってね。それを頼りに満開の見事な桜を見に来てくれるんですね。だからこの時期が1年間で一番にぎやかになるね。記帳を見て分かったんですが全国各地から来てくれる方も多くなっていてね、嬉しいですね」

素桜神社の神代桜はエドヒガンというサクラの一種。
花の色は、ほんのり薄くピンクがかかる白色。枝一面にぎっしり花が付いているさまは圧巻されます。木の脇に据え付けてある案内板には「この木は、その昔スサノオノミコトがこの地で休んだとき、持参した桜の杖を、池辺に挿したものが根付いて成長したものと伝えられている…」という神代桜のいわれが書いてあります。

優雅で上品な姿の神代桜、満開でした

こんな歴史深い神代桜を守ろうと保存会が立ち上がったのは今から20年ほど前。

最初は地元の有志で始めた活動も広がりを見せ、現在、泉平地区に暮らす全員が会員となっているそうです。

大人の手をつないで何人になるかと考え込むくらい太く荘厳な幹から幾重にも伸びた枝。

1200年の軌跡が物語っているかのように、くねくねと曲がりながら伸びています。その枝が枯れないように枝の先に気を配るようにしているという新井さん。

「樹木医さんに、守るために何をするかを診てもらっています。老木ですけど、枝の先まで花咲かせますから。鉄柱を立て、所々をワイヤーで吊って枝に食い込まないようにゴム製のテープで巻いて保護しているんですよ。毎年咲かせたいですからね」

枝の手入れと同じように根の保護も保存会の重要な役割だと話します。

「枝が伸びているのと同じくらいの範囲で、幹の根元から地面一帯にワラを敷き詰めてね。根っこは見えませんから、直接踏まれないように守るんです。遠くから来てくれる方も、近くても毎年必ず来てくれる方もいますから。間近で見てもらえるようにしっかり敷き詰めていますよ」

大勢の人を何年も楽しませ魅了させてくれる神代桜のことも、見に来てくれる人たちのことも同じように大事に考える新井さんは、この神代桜の里に生まれ育ちました。

新井さんは自身の子ども時代を振り返りながらこう話します。

「私が子どもの頃は、木の保存なんて考えず自由に登って遊んだものでした。今はその光景こそ見られませんが、芋井小学校の子どもたちが桜の木の前で演劇をやったり写生大会や遠足にも来てくれたりしてくれていますからね。子どもから大人までこの桜に集まってくれることが何より嬉しいですね」

重厚長大な幹からは枝が幾重にも伸び、所々鉄柱で支えている。

近くにある芋井小学校は、満開になるこの時期に合わせ「神代桜のつどい」という神話に沿った劇を手作りで演じてくれているといいます。

「芋井の子どもたちは、劇をしますから桜の歴史を知って育つんですよ。それからね、校歌もそう。神代桜のことを歌っていますよ。だから、こんなすごい桜がふるさとにあるって誇りに思えるじゃないでしょうか。私も同じでね、今だから尚更、守っていかなきゃと思っている。使命感みたいなものでしょうかね」

芋井小学校の校歌1番に「春秋ここに 幾千歳 遠き神代の桜花 大和心と 匂うなれ 我等の郷こそ ゆかしけれ」と詩っていると教えてくれました。

神代桜は泉平地区の元気の源そのものだと実感しました。

さらに新井さんは、落葉後の秋からが保存会の出番だと春から意気込みます。

「来年の春、また見事に咲いてもらえるようにやることがたくさんありますからね。枝を支えているワイヤーの金具を取り替え、木の周りの垣根を直す。冬の間、雪があるときは鳥からも守らなきゃなりませんね」

人が集まる神代桜の桜守、新井さん。

桜守は、いつも桜を見守り世話をして一緒に四季を重ねていく人をいうそうです。 

「私はここで生まれてここで育ったから神代桜と暮らしていると元気になりますよ。毎年、桜の咲く頃は生き帰りますね(笑)」

今年の「神代桜のつどい」で集まった芋井小学校児童の皆さん。(写真・芋井小学校)

枝の先まで花がびっしり。毎年、きれいに咲く花は見る人を元気にしてくれる。

(2014/05/21掲載)

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会える場所 長野市泉平(芋井)素桜神社

電話 026-223-6050
ホームページ http://www.nagano-cvb.or.jp/

【神代桜についてのお問い合わせ】
  公益財団法人ながの観光コンベンションビューロー
  長野市新田町1485−1 長野市もんぜんぷら座4F

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