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 信州や東北地方では古くから「凍み豆腐」が農閑期の保存食として作られてきました。寒さの厳しい時期に、薄く切って凍らせた豆腐をワラで編みつないで軒下に吊るしておくと、昼間にはとけて水分が飛び、夜間に再び凍りつきます。数日かけて凍結と解凍、乾燥をくり返すうちに水分がすっかり抜け、豆腐の組織が細かなスポンジ状になるのです。戦国時代には武田信玄が兵糧にしたといい、今でも佐久市(旧浅科村)矢島では、当時と変わらぬ製法で作られています。
 
 関西方面では「高野豆腐」と呼ばれますが、これは鎌倉時代に和歌山県の高野山の僧侶によって作られたことに由来します。高野豆腐は凍み豆腐とは少し製法がちがい、凍ったまま数日間保存した豆腐をとかして水分をしぼり、火力を使って乾燥させます。現在はこの方法を工業化して「こうや豆腐」が量産されています。
 
 こうや豆腐の約95%は、長野県で生産されています。生産量上位を占める県内企業の一社が「みすずコーポレーション」です。明治35年の創業当時は冬季のみ、凍み豆腐を製造販売していましたが、昭和に入って独自の「膨軟加工法」を発明し、さらに人工冷凍によって通年生産を可能にしました。

▲ まず豆腐を作る。薄く大きな豆腐はカットして急速凍結し、3週間置く。この間に凍結変成が進んで組織がスポンジ状になる。解凍後、膨軟処理をして脱水。必要に応じてさらにカット。巨大な乾燥機を通して完成する

 伝統的製法による凍み豆腐はかたく、水戻しにひと晩かかりますが、解凍・脱水したこうや豆腐に重曹水をかける膨軟加工という工程を加えたことで、戻す手間が省け、ふんわりした食感が得られるようになりました。
 
 こうや豆腐は精進料理に欠かせぬ食材ですが、和食以外にも幅広く使え、また糖質制限の心強い味方としても見直されています。たとえばパンの代わりにサンドイッチやフレンチトーストにしたり、肉の代わりに唐揚げにしたり。こうや豆腐を粉末状にした「粉豆腐」は小麦粉の代わりにもなって、さらにアレンジが広がります。
 
 低糖質で低カロリー。大豆由来の植物性たんぱく質や、鉄分、カルシウムが豊富。こうや豆腐は先人の知恵が詰まった保存食であり、現代人にとってのスーパー健康食でもあるのです。

(右から)品質技術部部長の澤口誠さん、商品開発部の中澤杏美さん、金井萌華さん
(右から)品質技術部部長の澤口誠さん
商品開発部の中澤杏美さん
金井萌華さん


株式会社みすずコーポレーション
本社・工場/長野市若里1606
☎026-226-1671(代表)

 

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