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 保存食とは、常温でも長期間にわたり食べられるようにした食品のことです。日にあて、または寒さにさらして乾燥させる。塩や砂糖に漬けて水分を抜く。アルコールや酢の力で細菌の繁殖を抑える。それとは反対に微生物の力で発酵させる。こうしたさまざまな方法で食品の保存性を高めます。たとえばたくわんは乾燥、塩漬け、発酵の合わせ技を用いているわけです。

保存食は日持ちが良いだけでなく、作る段階で酵素の働きによって旨味成分が生成され、味わいがぐっと増します。干ししいたけのグアニル酸、魚の干物のイノシン酸も、水分が抜けて細胞がダメージを受けることで酵素が働き、旨味が増すのです。

冷蔵庫が全戸に1台置かれるようになったのは1975(昭和50)年のこと。ですから、かつては家ごとに野菜を貯蔵したり、保存食を作ることは、あたりまえでした。短い収穫時期の間に、余った作物を一年を通して食べられる食品に作り変える必要があったのです。ことに雪深く、寒さ厳しい長野の冬に保存食は欠かせませんでした。

冷蔵・冷凍技術や流通網が発達した今も、長野には伝統食として保存食が残ります。家ごと地域ごとに手間と工夫を重ね、引き継がれてきた味は、格別で得がたく、易々と失われるものではありません。

「保存食がなかったら、バスコ・ダ・ガマやマゼランの発見はなかったろう。人類が南極点や北極点に到達することも、月面に着陸することもなかったろう」※。

確かにそのとおり。保存食とは気候風土に根ざした伝統食であり、時代を切り開く未来食でもあるのかも知れません。

※スー・シェパード『保存食品開発物語』(文春文庫)より

【酢漬け】

酢に含まれる酢酸が細菌の繁殖を防ぎ、食べものを傷みにくくする。また浸透圧で食品の水分を奪う効果もある。

◉主な食べもの/ピクルス、ザワークラウト、しめ鯖

【砂糖漬け】

砂糖、はちみつなどによる浸透圧で食品内部の水分を追い出し、水分活性を失わせることで長期保存を可能にする。

◉主な食べもの/ジャム、ゆべし、シロップ漬け

【燻製】

煙で燻して水分を飛ばし、表面に膜を作って雑菌の侵入を防ぐ。事前に乾燥、塩漬けすることも。独特の香りを生む。

◉主な食べもの/ベーコン、サラミ、かつお節

【塩漬け】

塩が食品の水分を奪って細菌の繁殖を防ぐ。塩分濃度を調整して食品を熟成させたり、発酵させる場合もある。

◉主な食べもの/漬物、塩辛、ハム、新巻き鮭

【発酵】

微生物が栄養を取り込む際の酵素反応などを利用して、食品に含まれる成分を、人に役立つ別のものに変える。

◉主な食べもの/漬物、なれ鮨、チーズ、ピータン

【乾燥】

食品から水分を奪い、細菌の繁殖に必要な水分活性(食品中の自由水)を失わせることで長期保存を可能にする。

◉主な食べもの/ドライフルーツ、するめ、こうや豆腐

 

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