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No.374

ハービー

ジャスティンさん

英会話講師

27年間、長野で英会話を 教えるイギリス人

文・写真 宮島悦雄

2016年、日本を訪れた外国人観光旅行客は2400万人。善光寺周辺でも日常的に外国人の姿を目にするようになりました。でも、ずっと長野で暮らしている外国人に、長野はどう映っているのでしょうか。27年間長野で英会話を教えているイギリス人、ジャスティン・ハービー先生に、長野の暮らしについて、日本人の英会話についてうかがいました。

日本の印象は“カシオの腕時計”

「善光寺はいいですね。誰でも“ウエルカム”の気持ちがいい。最初に見たときと比べると、オリンピックを境に表参道や仲見世通りなどの周辺も上手にきれいになった」

 日本語で言葉を選びながら話してくれるジャスティン・ハービー先生、五輪開催決定前の1990年から長野で暮らしています。
イギリス出身、オックスフォード大学で、古代ギリシャ語・ラテン語を学びました。子どものころは、イタリアやインドネシア、ギリシャなどで暮らし、日本との縁はありません。その頃の日本の印象はどうだったのでしょうか。

「“カシオの腕時計”ですね。高価じゃないのに使いやすくて狂わない。オックスフォードに留学している日本の学生にも会いました。70年代の学生は話しかけにくい雰囲気でしたが、80年代の学生はとても明るく、英語を教えたお礼に赤いリボンのついた5円玉をもらいました」

 ジャスティン先生が初来日したのは1989年。長野の知り合いに誘われたのがきっかけでした。初来日のときは、上空から見たきれいな田んぼや、空港で走って仕事をするスタッフを見て驚き(世界中の空港でそんな光景は見たことがなかった!)、上野駅で種類の豊富な飲料自販機に驚き、そこからちゃんと缶ジュースが出ることに驚き、街を歩けばアパートに整然と洗濯物が干してある風景に驚いたそうです。ちなみに40年前のイギリスにも自販機はありましたが、当時は商品が出ないことがあるため利用者に蹴られてボコボコになっていたとのこと。

「裏山を散歩する時間も私にとっては大切」というジャスティン先生。身近にある長野の自然が好きと言います

散歩コースにひっそりと立つお地蔵さんに手を合わせることも…。

梅雨時の「緑」、互いに尊敬する平等の社会

初めて長野に来たのは6月、あいにくの梅雨時でした。

「長野から須坂、小布施、中野などを自転車で走り回りました。山や果樹園、水田ときれいな緑がいっぱいあって、雨の中を走っていても気持ちがいい。雨がやむと緑の上に降り注ぐ日の光が素晴らしかった!」

今も変わらない長野の田園風景が強く印象に残りました。人の印象を聞くと、

「最初は、みんな親切にしてくれて感動しました。長く住んでからは、日本人はとても辛抱強いことに気づきました」

 89年は5カ月ほど滞在して帰国。そして90年に再来日して友人の英会話教室を手伝うようになりました。当時37歳でした。
 今年で長野での暮らしは27年になります。長く日本人と接して感じるイギリス人との違いについて、教えてもらいました。

「一番違うところは仕事に対する態度。日本人は仕事を大事にして、いつも『いい仕事をしよう』と思っている。そして基本的に平等で互いに尊敬している。イギリスには階級社会の名残があり、“hello”の発音だけで出身階級がわかってしまう。この差別感情は心の深いところに根ざしているので簡単にはなくなりませんが、人生には不要のものです」

 映画『マイ・フェア・レディ』で描かれた世界が、今もイギリスに残っていると言います。ジャスティン先生は、言葉の問題もあって日本人と外国人との間の距離はなかなか縮まらないけれど、互いに気をつかいながら「お付き合い」を大事にする長野の普通の暮らしが気に入っていると言います。

清泉女学院高校での授業風景(長野清泉女学院中学・高等学校提供)

「若者が自分の意見を言えるようにすることが私の仕事」

 1998冬季五輪の開催地に決定してから、長野では英語熱が高まりましたが、五輪後はその熱も冷めていきます。ちょうどその頃、長野県短期大学と長野清泉女学院高校の英会話講師の話があり、99年からは両校の非常勤講師として英会話を教えています。

「英会話で大事なのは、“英”よりも“会話”。英語の語学力よりも英語でコミュニケーションをとりたくなる雰囲気づくりを大事にしています」

 それにしてもどうして日本人は英語が苦手なんでしょうか。

「日本人はしつこく自分を押しつけるのが嫌いで、気づかいを大事にします。私のような西洋人は自己主張する傾向が強い。
正しい文法のきちんとした英語じゃなくていいから、相手に言いたいことを伝えることが大事です。日本の若者が自分の意見を、日本人らしく、自分らしく言えるようにすることが、私の仕事だと思っています」

今も自転車はジャスティン先生の大事な「足」。善光寺周辺で会えるかも…。

(2017/03/28掲載)

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会える場所

電話

ジャスティン・ハービー先生に会える場所

長野清泉女学院中学・高等学校
長野市箱清水1-9-19 TEL026-234-2301

長野県短期大学
長野市三輪8-49-7 TEL 026-234-1221

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