No.03 SPECIAL TOPICS
塚田
千夏さん
株式会社守谷商会 品質技術本部技術研究室
「建設業はサービス業でもある」老舗の未来を支える技術者
文・写真 安斎高志
株式会社守谷商会は1916(大正5)年の創業、来年で100周年を迎える老舗のゼネコンです。1994(平成6)年にはJASDAQに上場。平成27年3月期の連結売上高は314億円です。
創業当初から、建設業はサービス業でもあるという理念のもと、着実に歴史を積み重ねてきました。代表的な施工実績としては、ビッグハットや新長野大橋などがあります。
新たな地中熱利用システムの開発
守谷商会がNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)との共同研究を進めている、新たな地中熱利用システムの実証プラントが長野市内にあります。
地中奥深く熱交換パイプを挿入し液体を循環させて採熱する「クローズドループ」と、井戸水をくみ上げて直接熱交換する「オープンループ」というふたつの地中熱の利用方式を取り入れたハイブリッドシステムの実用化を目指し、現在、実証データを採取中です。
品質技術本部技術研究室の塚田千夏さんは入社3年目。このシステムの研究を担当する技術研究室に昨年、異動してきました。
「地表から2、3m程度掘って、地中の熱と汲み上げた地下水の熱を利用するので、イニシャルコストが低減できます。あとはどれだけ効率よく採熱できるかです」
今後3年間かけてデータを取り、継続の許可が出たらもう2年継続される予定です。
長野市にある新たな地中熱利用システムの実証プラント
女性が仕事の幅を限定されることはない
父親が造園業を営んでいる影響もあって、塚田さんは高専の土木系の学科を選びました。
「土の授業が好きでした。土質工学という授業が3年生からあるんですけど、みんなで土をこねて、どれくらいの強度が出たのか、いろんな種類の土で実験したりして」
高専卒業後、編入した新潟県の大学でも引き続き土木系の学科で学びました。
大学進学時から、卒業後は長野に戻って就職したいと考えていた塚田さん。「女性だからと言って仕事の幅を限定することはない」という人事担当者の言葉を受けて、守谷商会で働くことを決めます。
「1年目は現場に配属されたんですが、女性だからと言って変に特別扱いされることもなく、いろんな仕事をさせてもらいました。もちろん、気を遣ってもらったところもいっぱいあったと思うんですけど(笑)」
2年目に、希望して現在の技術研究室に配属されました。
「女性だからと言って変に特別扱いされることはないです」と話す
理解していくことがやりがいに
上述の地中熱プロジェクトのほか、塚田さんは設計変更と呼ばれる業務に携わっています。施工するにあたって、設計段階で予期していなかったことが発生したり、発覚した際に変更案を出していきます。
「今は入ったばかりで、とりあえずひとつひとつ勉強して理解していくことがやりがいになっている感じです。土中には何があるかわからないし、難しさもありますが、それを回避するために方法を考えていく上司や先輩を見ていると、すごい仕事だと思います」
オンとオフをしっかり切り替えられるところも、先輩たちのいいところだと話す塚田さん。まだまだ失敗ばかりだと苦笑いしながらも、前向きに日々の仕事に取り組んでいます。
「どんどんいろんなことを覚えていかなければいけないんですけど、いつかは『塚田さんにお願いしたい』という依頼が来るようになりたいと思っています」
「勉強することばかりだけど、ひとつひとつ理解していくことがやりがいになっている」
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会える場所 | 株式会社守谷商会 長野市南千歳町878 電話 026-226-0111(代表) ホームページ http://www.moriya-s.co.jp/ ↓↓↓長野市で働きたい人と企業のための情報サイト「おしごとながの」はこちら |
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