No.311
桜井
勇介さん
ボアルース長野フットサルクラブ代表
社会人全国一を目指しながら
フットサルの魅力も伝える
文・写真 安斎高志
目標はぶれない
フットサルの社会人全国ナンバーワンを目指す、ボアルース長野フットサルクラブ。2015年の北信越フットサルリーグで11戦全勝という圧倒的な力を見せつけて優勝し、2月26日(金)から始まる地域チャンピオンズリーグに出場します。
全国9地区の地域リーグで上位に入ったチームが集まり、社会人日本一を競うこの大会。決勝まで進めば、3日間で5試合を戦う厳しい大会です。
クラブの代表を務めるとともに、ゴレイロ(サッカーでいうゴールキーパー)としてチームの堅い守備を支える桜井勇介さんは言葉に力を込めます。
「上を目指すために集まったメンバーなので、目標はぶれません。北信越の代表として、社会人全国一を目指します」
現在、メンバーは選手18人、トレーナー2人。選手は随時募集中
ボアルース長野が結成されたのは2011年。当時、長野県リーグでしのぎを削っていた県内の強豪3クラブが合併して生まれました。当時の目標は、北信越リーグで戦うこと。初年度で県を制覇し、わずか2年目にして北信越の舞台へ昇格しました。そして昇格4年目で優勝という、さらなる高みに到達しました。
「結成から今まで作り上げてきた土台に新戦力が加わり、昨シーズンは1試合1試合成長してこられた。負けない試合が続くと、勝ちたいという気持ちもどんどん強くなり、トレーニングにも身が入ります」
好循環のなかで迎える今大会、初出場とはいえ期待が膨らみます。予選リーグは関東第1代表のリガーレ東京、東海第2代表のDELIZIA磐田、関西第3代表のフュンフバインキョウトと当たります。
遠征前の最終調整。いい緊張感が漂う
見ている人が感動すると選手も感動する
桜井さんがサッカーを始めたのは小学3年生のとき。そのころからゴールキーパーでした。地元・小布施町の小中学校で活躍し、塩尻市にある武蔵工大二高(現・都市大塩尻高)へスポーツ推薦で進学。寮生活を送りながらサッカーに打ち込みます。
173センチとゴールキーパーとしては小柄ながら、状況判断力と反応の速さで、3年生のときはレギュラーとしてインターハイに出場。しかし、身長がネックとなり、プロへの道は断念し、一般企業へ就職します。
社会人になってからは遊び程度で続けていたサッカーですが、情熱に再び火がついたのは5年前。ボアルース長野の結成でした。
「ひとつ上のレベルでやりたいという気持ち、強くなりたいという気持ち、うまい選手、強い対戦相手と戦うおもしろさ。そういう気持ちがよみがえってきました」
スポンサー集めも選手自らが行う。練習着にもスポンサー名が入る。「いろんな方々に支えられて運営しています」と桜井さん(写真提供:ボアルース長野)
現在、青果卸の会社に営業マンとして勤務する桜井さん。始業時間は午前5時です。クラブの他のメンバーは、大学生から会社員、公務員、教員など職業もさまざま。松本市や小諸市などから長野市の練習場へ通う選手もいるため、平日の練習開始時間は午後9時。プレイだけでなく、代表として運営も担っている桜井さんは、まさに寝る間を惜しんでクラブの躍進を支えています。それでも、桜井さんの言葉はあくまでポジティブです。
「会場がお客さんで埋まることもあります。その雰囲気のなかでプレーすると、本当にやっていてよかったと思わされます。見ている側が感動すると、選手自身も感動するんです。そういう気持ちが僕だけでなく、みんなのモチベーションになっていると思います」
1月には第21回全日本フットサル選手権北信越大会でも優勝を果たし、北信越の主要な大会を総なめにした(写真提供:ボアルース長野)
フットサルのすそ野を広げたい
目標だった北信越リーグへの昇格、そしてそこでの優勝と、着々と前進してきたボアルース長野。勝ち続けることのほかに、もうひとつ目標があります。それは、長野でフットサルという競技のすそ野を広げること。
今春から、プレイヤーをトップチームとセカンドチームに分け、全国で戦うレベルの選手でなくてもクラブに入ってプレイを楽しめる仕組みにする予定です。
「すそ野が広がるとクラブ全体の底上げになると思います。そして、関わる人たちが増えれば、さらに周囲の人たちを巻き込んでいけます」
スポンサーも着々と増えてきましたが、まだ運営費の一部は選手の持ち出しで成り立っています。目標に向けて、まだまだ課題はあるため、進化を続けたいと話します。
勝ち続けることで注目度も上がってきた。フットサル界とクラブのため取材には丁寧に対応するよう心掛けているという(写真提供:ボアルース長野)
「フットサルの魅力は、攻守の切り替えの速さと、ボールの奪い合いの激しさ。そして、ゴールやいいプレイを、近くで感じられるところ。見ている人たちとプレイヤーの心の距離が近いんです。だからもっと多くの人に触れてほしいですね」
地域チャンピオンズリーグの次は3月の全日本選手権。この大会はプロリーグであるFリーグのクラブも参加します。しかし、桜井さんは前を見据えます。
「最高峰のリーグで戦っているクラブと対戦できるので、自分たちの次の戦いにつながるような試合をしたいです」
桜井さんの表情には、5年間で積み上げてきた自信がみなぎり、そして、これから始まるハイレベルな戦いに心を躍らせているようでした。
北信越Fリーグ最終節にて。11戦全勝、リーグ最多得点、最少失点という圧倒的な強さを見せつけた
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