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No.223

真島

ヒロさん

漫画家

漫画は読者のために描くもの

文・写真 Chieko Iwashima

現代を代表する漫画家の一人

長野市出身の漫画家、真島ヒロさん。週刊少年マガジンで大好評連載中の『FAIRY TAIL』は、2006年の連載開始から9年、単行本はすでに48巻まで発刊され(2015 年3月現在)、TVアニメ化、映画化、ゲーム化されるなど、国内外で人気を博しています。
内容はバトルシーンが多いファンタジーでありながら、登場人物たちの感情はとてもリアルに描かれ、思わず目頭が熱くなります。世代や性別を問わず読んでもらいたい作品です。

現在は週刊の連載に加え、月刊で同作のスピンオフ・ストーリー『FAIRY TAIL ZERO』も連載中。完全なオフの日は年に数日しかない真島さんですが、昨年2014年5月に開催されたサイン会で久しぶりに長野に帰れたといいます。

「15年漫画家をやってきて、初めて地元でやらせていただきました。いつかやりたいとずっと思っていたんです。久しぶりに長野駅前を歩いてみたんですけど、変わったところもあれば変わらないところもあって懐かしかったですね。高校生の頃は駅ビルとか東急の横の通りとか、あの辺りでよく遊びました」

今回、地元長野市からの取材ということで、当時住んでいた地域をGoogleマップで確認してみてくれたそうです。それが偶然にも、編集部・岩島が今現在住んでいる地域と同じ!不思議な縁を感じてしまいました。

2009年に『FAIRY TAIL』で第33回講談社漫画賞少年部門を受賞。同年ジャパンエキスポアワード2009少年漫画部門最優秀少年漫画賞を受賞(写真提供:週刊少年マガジン編集部)

漫画家を目指したきっかけ

真島さんは小学校に上がる前から将来は漫画家になると思っていたといいます。

「山に捨てられていた漫画をおじいちゃんが拾ってきて家に積んであったんです。それを見て漫画を書くようになって、自然と自分は将来漫画家になるもんだと思っていました」

中学校まで長野市内で過ごし、高校は中野実業高校(現在は統合して中野立志館高校)へ進学。その頃はバンドブーム全盛期であり、真島さんもそのときばかりは漫画を描くペンをギターに持ちかえ、友人とバンドを組んでいました。

「18歳のときに10代向けのコンテストに出たら、見事に最下位だったんです。まさか最下位とは(笑)。しかも優勝したのは11歳のギタリストの少年。これは、この道ではもうダメだなと思いまして。やっぱり自分は漫画だと思ったんですよね」

最下位だったおかげで(?)、本格的に漫画家を目指す決意ができた真島さん。上京し、誰かに教わることなく描いた漫画を週刊少年マガジン編集部に持ち込みました。

「新人賞に応募して、審査してもらっている間に編集部の人ともう一本描いてみようということになったんです。そうしたら、その作品が先に載って。そのあとで先に応募した作品も賞を取ったので、自分でもどっちがデビュー作かよくわかってないんです」

編集部担当者によると、先に掲載された『BAD BOYS SONG』がデビュー作ということになるそう。このデビュー作と第60回週刊少年マガジン新人漫画賞入選作品『MAGICIAN』は短編集『ましまえん』(1、2巻)に掲載されています。

1998年のデビューから1年後、1999年に初の連載『RAVE』がスタートします。

「そのときは、自分も若かったし、初めてのことでいっぱいいっぱいでした。毎週毎週、一生懸命やっていた感じでしたね」

『RAVE』は、連載期間約6年、単行本にして35巻まで続く大ヒット作となりました。その後、『FAIRY TAIL』が開始。その人気は前作以上に高まり、真島さんの名をさらに世の中に広めることとなっています。

『FAIRY TAIL』第1回目の貴重な生原稿!真島さんは現在デジタルで入稿しているため、完成原稿が編集部に残ることは今では珍しい

読者の存在が仕事へのモチベーション

真島さんの単行本には製作秘話や自身の近況報告をつづった「あとがき」があり、ときには単行本におまけ漫画を描くこともあります。さらに、自身のSNS上で「らくがき」と称した描き下ろしイラストを載せるなど、サービス精神も旺盛です。

「読者のことは常に考えていきたいと思っています。普段、読者が漫画を読んで喜んでいる姿って見られないので、サイン会やイベントで楽しそうにしているファンを見るのがすごくうれしいです。読者からは、おもしろかったという意見もあれば、つまらなかったという意見もあるんですけど、そういうものも全部含めて自分の原動力です」

真島さんはこれまでに一度も連載を休載したことがないばかりか、過去にはマガジン史上初の2週連続一挙三話掲載を行うなど、その速筆ぶりも注目されています。

「仕事は全然速くないですよ。前もって計画的にやっているだけです」

と謙遜する真島さんですが、読者を楽しませたいという思いが強いからこそできることでしょう。

「漫画っていうのは、自分のためじゃなくて読者のために描くもの。自分が満足するものより、いかに読者を満足させるかということが大事だと思います。サイン会やファンイベントも多くやっているほうだと思うんですが、それも読者を意識するためにやっていることでもあります」

サイン会は、これまでに台湾、アメリカ、フランス、スペインなど、海外でも多数開催

作品を通して読者に第一に伝えたいことは友情の大切さだといいます。

「僕自身、そんなに友だちが多いほうじゃなかったんですけど、高校生になったくらいから友だちが多くなって、友情の大切さがやっと分かるようになったんです。特に若いときは友だちに助けられることってすごく多いと思うんですよね。読者は若い子が多いので、『俺は友だちなんていらない』っていうような人にはなってほしくないと思いますね」

「…友だち全然いないんですけどね(笑)。この仕事していると休日が合わなくて友だち減っていくんですよ。友情が大事って言いながら、自分の友だちはいないっていう(笑)」

それでも、編集担当やアシスタントとは、みんな仲間という思いで働いているため、さみしくはないと笑う真島さん。

「楽しい職場作りを目指しているので仲良くやっていると思っています。仕事としてというより、一人の人間として付き合っている感じですかね。やる気のある、いい子たちが集まっているので、楽しくやっています」

『FAIRY TAIL』の登場人物たちは、「ギルド」という集団に所属しています。そこは信頼する仲間から成る、家族のような場所です。物語から登場人物の息づかいが伝わってくるのは、真島さんがギルドの仲間のようにスタッフと良い関係性を築いていることにも秘訣があるような気がしました。これからの展開がますます楽しみです!

自分が描きたいものと読者の読みたいものが近い感覚があるという真島さん。「それはすごく幸せなことだと思っています」

(2015/03/27掲載)

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会える場所 講談社 週刊少年マガジン編集部
東京都文京区音羽2‐12‐21
電話 03‐5395‐3460

■週刊少年マガジン(毎週水曜発売)連載中『FAIRY TAIL』
■月刊FAIRY TAILマガジン(毎月中旬に発売)連載中『FAIRY TAIL ZERO』
ツイッター https://twitter.com/hiro_mashima
※こちらから『FAIRY TAIL』が試し読みできます
http://www.shonenmagazine.com/smaga/fairytail

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