No.82
ナガラボ編集者のタマゴコンクール
ナガラボ編集部のマイ・フェイバリット
未来の敏腕編集者を発掘!
文・写真 安斎高志
好奇心あふれる4年生が最優秀賞を受賞
長野市とナガラボ編集部では2018年の夏休み期間中、小中学生を対象に「ナガラボ編集者のタマゴコンクール」を開催しました。
長野市の魅力を文章と写真で伝えてもらうこのコンクールで、小学生の部の最優秀賞に輝いたのが林部圭汰君(南部小4年生)です。
(作品と講評はこちら)
林部君は、長野市若穂にある「サルスベリの丘」と、この公園を運営する入井一人さんを取材。A3約2枚分の用紙にまとめました。サルスベリの丘の楽しみ方や入井さんの魅力を余すことなく伝えるレポートは、審査員の市長公室担当者、学芸員、ナガラボ編集部から高い評価を受けました。
10月29日は、サルスベリの丘で表彰式が行われ、入井さんと林部君が再会。近くで採れたりんごや、入井さんがメキシコを訪れた際に現地の漁師さんから淹れ方を教わったというコーヒーでもてなしてくれました。
「大きくなったら、新聞やテレビの記者になりたい」と話す林部君。図鑑で生き物のことなどを調べるのが好き、とのことで、素質はばっちり。インタビューを受けた入井さんは「次々と質問が出てきて、4年生とは思えなかったよ。好奇心が強いんだろうね」と振り返っていました。
地域の憩いの場「サルスベリの丘」
サルスベリの丘は、入井さんが約20年前につくった私営の公園。その名の通りたくさんのサルスベリの木が群生しています。その本数ですが、入井さんは「3、4年前は1,500本あったけど、毎年増えているから、今はわからない」と笑って話します。
園内には、シーソーやターザンロープなど、入井さん手作りの遊具が満載。また、入り口には「警告 私有地につき 立入り 大歓迎」という看板が掲げられています。
林部君は、中でもシーソーが一番のお気に入り。利用者のけがを恐れて、公園から遊具が減っていく昨今を「遊びなんて自己責任ですよ」と入井さんは話します。
サルスベリの丘には、周辺住民から食器や遊具、はく製など、さまざまなものが持ち込まれます。また、読み聞かせ会や演奏会などが自由に開かれ、地域の憩いの場となっています。林部君はその存在をお母さんから聞いて興味を持ち、取材に訪れたそうです。
▲林部君が撮影したサルスベリの丘
「長生きして、将来を見てみたい」
表彰式当日は、お母さんと一緒に入井さんへのお礼の手紙を携えてサルスベリの丘を訪れた林部君。この手紙も、写真やメッセージがきれいにまとめられていました。
▲「取材のお礼に」と林部君から入井さんに宛てた手紙
聞けば、お母さんはケーブルテレビの記者兼ディレクターとのこと。お母さんのお手伝いも結構あったのかなと邪推し、質問してみたところ、「全部自分で考えたんだよ!」と林部君。失礼しました。そうか、血筋なのですね。
実際の作品とお手紙を読みながら、感心しきりだった入井さんは「長生きして、圭汰くんがどんな大人になるのか見てみたいな」と目を細めていました。
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サルスベリの丘
住所:長野市若穂保科