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No.25

鬼無里の学校風景

野生酵母パン ソノマノ 竹内俊子さんのマイ・フェイバリット・ナガノ

子どもたちを見守る地域のシンボル

文・写真 みやがわゆき

ネコ顔の体育館

鬼無里に移住して8年目の竹内さんに、「お気に入りの場所は?」と質問すると、有名な奥裾花自然園でも、北アルプスが見える大望峠でもなく、「小学校の体育館」という答えが返ってきました。さらにユニークなのはその理由。「一度ネコの顔に見えたら、もうそうとしか思えなくて…。」

長野市街地から国道406号を西へ約20km。鬼無里で唯一の信号を左折すると、支所や保健センターなど公共施設が点在する鬼無里の「町」に入ります。鬼無里小学校もその周辺にあります。豊かな山並みと、田園風景の間にある校庭。そして、「ネコの顔」という表現が言い得て妙な、赤い屋根の体育館が微笑むように迎えてくれます。これまで、たくさんの鬼無里っ子を迎え、その成長を見守り、送り出してきた小学校の体育館です。

平成17年1月の長野市への合併以後、鬼無里小学校の児童数は減少傾向(平成28年度現在24名)にあり、体育館の活躍の機会も減っていく一方かと思われました。しかし、平成26年11月22日以降、体育館を含む小学校の施設は転機を迎えることになりました。

筆者には「トトロ」の顔にも見える体育館。夜には目と鼻が光り、愛嬌たっぷりになるそう。

神城断層地震のあとで

あの日の〝揺れ″の記憶が残っている方も多いことでしょう。鬼無里地区では震度6弱が観測された平成26年11月22日の神城断層地震。場所によっては、建物倒壊など大きな被害に見舞われました。幸い、小学校の建物に影響はありませんでした。
一方、国道を挟んで800メートルほど離れた高台に位置する鬼無里中学校は、校庭に数十メートルにわたって無数の亀裂が入り、校舎にもひびが入るなど、甚大な被害が出ました。特に、体育館は壁にひびが入り、床が傾くなどして使用禁止となり、中学校では体育の授業や部活動で小学校の体育館を使うようになりました。さらに、中学校の校舎の耐震性が満たされていないことから、平成28年4月からは小学校の校舎に完全に移り、小中共同の学校生活が始まっています。

竹内さんのもう一つのお気に入りは鬼無里上平地区からの風景。季節ごとに表情が変わる山々と田んぼ、そして赤い屋根の小学校(左)と中学校(中央奥)を見ると、心が和むそう。

ピンチをチャンスに変えて

地震後、鬼無里地区では住民自治協議会などが中心となって「鬼無里小学校・中学校あり方検討委員会」を設け、学校の将来について協議を重ねてきました。当初は、中学校の施設を補修・耐震化する案も出ましたが、児童・生徒数が減少傾向にある現状を踏まえて、小中一貫校を目指す方向で意見がまとまりました。児童・生徒数の減少と、中学校の被災。この二重の〝ピンチ″を新たな学校運営・地域の活性化へ向けての〝チャンス″に変えようと、住民たちは意気込んでいます。これまでも、人数が少ないからこそ、学年を超えた交流や助け合いが重んじられ、のびのびとした学校生活を送ってきた鬼無里の子どもたち。これからは、小学生と中学生が互いに思いやり、協力しながら、学び合う場として、そして、鬼無里の元気が生まれる場として、期待が集まります。

取り壊しが決まった鬼無里中学校。校舎には、「45年間ありがとう」のメッセージが。


住所:長野市鬼無里77
HP:鬼無里小学校
http://www.nagano-ngn.ed.jp/kinasajs/
鬼無里中学校
http://www.nagano-ngn.ed.jp/kinasajh/

(2016/09/23掲載)

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