h1タイトル

わくわく・共感できる長野の元気情報を配信します!

ナガラボはながのシティプロモーションの一環です

No.199

藤倉

彩子さん

美容室カラーズ

心あたたまる時間を
着物姿で提供する美容師

文・写真 Chieko Iwashima

毎日着物で接客する美容室

ドアを開けた瞬間、「いらっしゃいませ!」という明るい声とともに視界に飛び込んでくる着物姿の美容師。これから綺麗にしてもらうことへの期待感が否応なしに高まります。

長野市東和田にある美容室カラーズの藤倉彩子さんは、8年ほど前から毎日着物姿で仕事をしています。

「8年前の夏に思いついて浴衣で接客したんです。秋になって洋服に戻したら、お客様に残念がられて(笑)。昔から着物生活に憧れていたのと、着付けの勉強にもなると思ったので、そのときからずっと着物です」

着物姿で髪を切ってもらうと、なんだか少し特別な気持ちになります。藤倉さんの凛とした姿は、まるで素敵な生け花のように、お店の雰囲気を演出していました。

「着物で不便を感じたことはないです。普段、洋服では着ないような色も着物だと抵抗感なく着ることができるし、以前より季節感を大切にできるようになりました」

お客さんからも好評で、着物の着こなしについて話が弾むこともよくあるそうです。

最初から最後まで藤倉さんがマンツーマンで担当

長野で深まった着物への思い

カラーズがオープンしたのは15年ほど前のこと。

「美容師は、昔からの夢だったというわけではないんです(笑)。高校生のときにアルバイトで接客業の楽しさを知って、やってみたいと思ったのが美容師だったんです」

美容専門学校を卒業後は、下北沢にある美容室で12年経験を積み、長野に戻ってきてすぐに出店。着物の着付けを本格的に習ったのはそれから後のことでした。

「長野では着付けを頼まれることが多くて驚きました。それに、どなたかお一人が来てくださると、そのご家族の方もみんな来てくださる場合が多いんです。そこまで需要があるとなると、もう一度しっかり勉強しなければという気持ちが強くなりました」

そして、長野市内にあるプロ向けの着付けの先生に付いて勉強し、着付師としても技術を確立させていきました。さらに、着くずれしにくく楽な着付けで知られる長野市大豆島の「きつけ屋さくら」の立ち上げから関わり、以降、花嫁支度や葬祭のシーンに数多く携わっています。

「結婚式もそうですし、七五三や成人式など、一生に一度の節目に携われるのはやはり気合も入ります。だからこそ喜んでもらえたらうれしいですね」

「成人式で、お母さんの着物を着たお嬢さんがいるんですが、着た本人も、娘に着てもらったお母さんも、お母さんにその着物を買ってあげたおばあちゃんも、みんなが着物姿を見て喜んでいただいて…」

着物だからこそのエピソードに藤倉さんのほほが緩みます。

使い込んだ味のあるものが好きな藤倉さん。鏡やイスは松葉屋家具店(ナガラボNo.148で紹介)でオーダーメイドしたもの

常に新鮮なものを提供していきたい

美容師として一番の喜びは、お客様の喜びを直に感じられることだという藤倉さん。

「接客業がしたくてなんとなく選んだ仕事でしたが、今は天職だと思っています。ここまでダイレクトに喜んでもらえる仕事ってあまりないような気がするんですよね。本当にいい仕事ですよ」

確かに、目の前ですぐに喜んでいる顔が見られる仕事は意外と少ないかもしれません。

藤倉さんのシャンプーやマッサージは「こんなに丁寧にやってもらったのは初めて」と言われることも珍しくないといいます。

「長時間座りっぱなしで、お客さんは大変だと思うんです。その中で気持ち良さを体感してもらえるのはシャンプーやマッサージのとき。だから丁寧にやるように心がけています」

藤倉さんは、仕事がお休みの日には講演を聞きに行ったり、コンサートに行ったり、スポーツをするなどとってもアクティブです。

「いろんなところにアンテナを広げておくと、お客さんとの会話も弾むし、ときには助言できたりします。美容室って、ちょっと愚痴をこぼして楽になったりする場所でもあると思うんです。だから技術はもちろんのこと、技術だけじゃなくて人間的にも成長しなければいけないと思っています。もちろん、どれも自分が楽しいからやっているんですが(笑)」

長く通ってくれているお客様であればあるほど、いつも同じことをやっていては喜ばれないという藤倉さん。常に新鮮な感覚を提供するために勉強は続きます。

家族みんなで通ってくれる人も少なくない。先日は、昔七五三で来てくれた子の成人式の支度をした。「親のような気持ちになりましたね(笑)」

「帰るときに、『ああ気持ちよかった。また明日から頑張ろう』って思っていただけたら美容師冥利につきます。常に気持ちよく帰っていただける、喜んでいただけることが、自分の仕事でもあり、人生の目標です」

終始笑顔で話してくれた藤倉さん。和服の佇まいもさることながら、人の美しさというものは、やはり内面からにじみ出る人柄に彩られるものであることを見せてもらった気がしました。

自分の名前をもじった店名には、お客様を彩るという思いを込めている

(2015/02/24掲載)

人気投稿

  1. 高野洋一さん うどん たかの店主...
  2. 玉井里香さん インスタグラマー、SNS運用コンサルティング「タビビヨリ...
  3. 三井昭さん・好子さん 三井昭商店...
  4. 星 博仁さん・琴美さん 「中華蕎麦 ほし乃」「麺道 麒麟児」...
  5. 眞田幸俊さん 慶応義塾大学理工学部電子工学科教授...
会える場所 美容室カラーズ
長野市東和田575
電話 026‐259‐7117
長野市人物図鑑
食の達人 ながののプロフェッショナル 旬な人 魅せる人 まちをつくる・つなぐ人 人物図鑑特集
マイ・フェイバリット・ナガノ
場所 イベント モノ グループ・会社
ナガラボムービー

 
特集一覧ページ