No.46
旬菜居酒家月あかりのきまぐれランチ
「おやきの店 ほり川」堤史江さんのマイ・フェイバリット・ナガノ
毎日でも味わいたい、人気の日替わりランチ
文・写真 合津幸
こだわりの酒と料理が揃う店
店主おすすめのお酒とそれらに良く合う美味しいお料理が好評の「旬菜居酒家 月あかり」。オープンしたのは今からおおよそ16年前で、同じ敷地内に隣り合って建つ「おやきの店 ほり川」のリニューアルオープンから遅れること約4年の頃でした。
店主で料理人の石井睦昭さんは、「ほり川」を切り盛りする堤さん・堀川さん姉妹の義兄（弟）です。そんなご縁もあり、当初別の店が入っていた現在の建物がタイミング良く空いた際、いずれは自分の店を持ちたいと考えていた石井さんが「厳選した食材で、自信を持って提供できる料理を」と同店をオープンさせました。
以降、約10年は夜のみの営業を続け、6年ほど前に「より気軽に私の料理を味わってもらいたい、夜とは違う雰囲気の当店も楽しんでもらいたい」という思いから、ランチ営業を始めたのです。
長野市街地から国道117号線を丹波島橋経由で南下し、青木島の交差点を東に折れてすぐ。和の落ち着いたテイストながら気取った印象はなく、女性一人でも立ち寄りやすい雰囲気
店主厳選の食材を日替わりで
10種ほどあるランチメニューの一番のおすすめは、「きまぐれランチ」と名付けられた日替わりのセット。毎日変わるメインのお料理に小鉢や汁ものなど2〜3品とお飲物が付いて一律800円！ 推薦者の堤さんも「ひいき目ナシで、どれも美味しくてお得なんです」と太鼓判を押す、味よし・量よし・価格よしのメニューです。
取材当日は、数あるレパートリーの中でも特に人気が高いという天丼がメイン。揚げたてアツアツ＆サクサクが嬉しい海老2尾を含む6種7品もの天ぷらに、嫌味のない甘みと程よい塩気の中にしっかりとしたコクと旨味を感じる特性ダレが相性抜群でした。
「できるだけ手頃な価格で、なおかつ満足していただける内容を意識しています。ランチをきっかけに当店のファンになってもらいたいという思いと、常連さんをはじめとするお客様への感謝の気持ちを伝えたいので」とのことでした。
この日の天丼には海老2尾に椎茸、ピーマン、蓮根、茄子、舞茸の天ぷらが美しく盛られていた。「野菜は季節によって変わることもあります。品数はだいたいこのくらいですね」と、石井さん
「食」の楽しみを丁寧に届けよう
千曲市で食事処を営むご両親の元で育った石井さんにとって、料理はずっと身近な存在だったそうです。特に天然のきのこに精通したお父様の姿に、「より良い食材を追求し、その味・香り・食感を生かした料理を作る」感覚が当たり前のように身に付いていたのだとか。また、都内の日本料理店での修業にくわえて、「月あかり」オープン前にご両親のお店を5年ほど手伝ったことで、「食」に対する感覚がさらに磨かれたそうです。
ちなみに、店名は、「月あかりの下で大切な人とゆっくり過ごすかのように、落ち着いた雰囲気の店内で旨い酒と料理をじっくり楽しんでもらえれば」という願いから命名。そのコンセプトを具現化するため、天然木のテーブルをはじめとする備品ひとつ１つを丁寧に選び抜くなど、石井さん自ら店づくりに取り組みました。
どんなに忙しくても早朝の市場に買い付けに出向き、自身が心から食べたいと思える食材を厳選する徹底ぶりは、オープン当時から変わっていません。さらに、食材の良さを最大限に引き出し、なおかつ、より美味しく楽しんで食べてもらえる調理方法にも工夫を凝らします。
こうして、「食」やお客様に対する愛情にも近い思いを胸に、いつ訪れても飽きの来ない多彩な料理を提供し続ける石井さん。ランチタイムだけで週に何日も通う方や、昼夜共に「月あかり」ファンという常連さんがいらっしゃるというのも納得です。
「料理を召し上がられたお客様の笑顔を見られるのが一番の喜びです」と、店主の石井睦昭さん。ランチタイムは厨房で調理に専念するが、夜は調理が落ち着けばカウンターに立つこともある
店内は照明が抑えられたしっとりとした雰囲気。木をふんだんに使っているため、温かみも感じられる。冬はふぐ料理も提供しているので、会食等での利用もおすすめだ
＜info＞
旬菜居酒家 月あかり
長野市青木島2-2-1
TEL. 026-283-9575
Blog：http://tukiakarinoblog.naganoblog.jp
※ きまぐれランチの内容は、毎朝上記blogに掲載されます
