思わぬ発見はとても気持ちがいい。
「古本屋」は、わくわくするような偶然の出会いを味わえる身近なスポットではないでしょうか。
休日にじっくり品定めするもよし、仕事帰りのエネルギー補給に立ち寄るもよし。
ふと足を止めて覗きたくなってしまう長野市の古本屋を探してみました。
権堂商店街をぐんぐん歩いて行くと、中ほどに見えてきます。
古本屋「だんち堂」が今回ご紹介したいお店です。
2012年から権堂商店街に店を構えているだんち堂。以前は、商店街から徒歩3分ほどの場所にあるネオンホールの1Fに店舗を構えていたそうです。
取扱いジャンルは幅広い!
でこぼこ不揃いに並ぶ本と、それが収まる木箱やダンボール。
畑でよく目にする採集コンテナに板を乗せてつくられた商品机。
5年でつくりこまれたとは思えないほど味のある店内は、まるで秘密基地のよう。
店名の由来を伺うと、「団地に住んでいるからだよ」と教えてくださった店主の飯田さん。
ゆるいネーミングも、かっちりと作り込まない店のつくりもとても心地よいのです。
新刊を取り扱うお店では手に入らない逸品、初めて出会うタイトル。
店舗によって取り扱うジャンルも多種多様です。
だんち堂には幅広いジャンルの古本が並んでいます。
小説、実用書、絵本、ビジネス書。
広く手にとってもらえる本を取り揃えています。
このお店に並ぶ本は、主に2つのルートから。
ひとつは、飯田さんが足を運んで仕入れたもの。
もうひとつは、近隣に住むお客さんから連絡をもらって集荷したものです。
手にとった本は、もしかしたら元は隣人の愛読書だったりして!
書籍に限らないラインナップに懐かしさと驚きが!
ぐるりと店内を見回すと、並べられているのは古本だけではありません。
「お宝では?!」と手に取りたくなってしまう古道具の数々や、
「うちの戸棚にも眠っているかも?」と記憶を手繰り寄せてしまう、懐かしのマスコット貯金箱。
とっておきは、店頭に並ぶのはカラフルな「ふろく」です。
少女マンガ雑誌や学習雑誌、少年向け雑誌などなど、誰もが一度は幼いころに読んでいたマンガ雑誌。
ふろくが欲しくて雑誌を買っていた方もいらっしゃるのではないでしょうか?(私もそのひとりです)
雑誌をまたいで、ふろくを選び放題なこの環境。懐かしいラインナップに興奮してしまいます!
本を手に取る直感を楽しむ
上へ上へと積み重ねられた本、りんごのダンボールや味のある工具箱も目を引きます。
次から次へと本をかき分け、「冒険しよう!」という気持ちになるのが古本屋。
取材をしながらも、気付いたらすっかり宝探しに熱中してしまいました。
取材中に思わず手にとってしまった、レトロな便箋と1970年に出版されたみゆき書房『ハサミとのりー私のきりぬき帖』。
ポスターのようなポップな本の装丁にひとめぼれし、そのままレジへ。
権堂商店街の真ん中で営業中の「だんち堂」。
通る度に変わるラインナップとレイアウトは一期一会のお楽しみ。
いつもは目で追うだけだった方も今日は足を運んで、お気に入りの一冊と出会ってみませんか?