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ナガラボはながのシティプロモーションの一環です

No.077

跡部

晴康さん

ながのフィルムコミッション

長野を゛魅せる” 
背景のさらに裏側にいるプロフェッショナル

文・写真 Takashi Anzai

撮影支援件数は4年で倍以上

映画やドラマ、CMなどの撮影を誘致する、ながのフィルムコミッションの動きが活発です。2009年に15本だった撮影支援件数は年々増え続け、2013年度は37本まで達しました。

2013年に公開となった映画「清須会議」では、清須城の広場や表門のシーンが松代城で撮影されるなど、メジャーな映画でも長野市が舞台になっています。

その躍進の立役者となっているのが、ながのフィルムコミッションの跡部晴康さんです。跡部さんがフィルムコミッションの担当になってから2年半。その間、撮影の現場に深く入り込むことで制作者から信頼を得てきたといいます。

「手伝うところは手伝っちゃいます。手伝うことによって、彼らの技術も分かってくる。技術的なことが分かっていないと、ロケーションって提供できないんですよ。技術的なところに突っ込んでいって、逆提案ができる、ここだったらこのカメラで、この画角で、こんな画が撮れますね、という提案ができてはじめてプロのフィルムコミッション。そのためには自分で汗をかかないといけません」

現場では制作スタッフとすぐに友達になるよう心掛けているという跡部さん©2013フジテレビ 東宝「清須会議」

日常がロケハンに

フィルムコミッションの仕事は多岐にわたります。
ロケハン、撮影場所の関係機関との調整と交渉、エキストラの手配など。それに加えて上述の通り、現場も手伝ってしまうという跡部さん。必要なときはエキストラとしても出演するし、雨降らしまでやったこともあるといいます。

「撮影期間中は休みはないですし、勤務時間はむちゃくちゃ(笑)。家族サービスはできないですし、家族は諦めていますね」

跡部さんはそう話し苦笑いします。しかし、多忙をきわめるものの、仕事に対する熱意は言葉の端々に伝わってきます。

「街を歩いていても常にロケハンになってしまいます。気になるところがあったら立ち止まって、道草になってしまう。でも、それが結果に結びつくんですよね」

2013年に撮影された市原隼人さん主演の「ホテルコパン」では、今井ニュータウンのケヤキ並木や長野駅前の北石堂町の裏道など市民が見慣れている風景を東京都内に見立て、撮影場所に選ばれました。これも跡部さんの提案です。中学時代は写真部の部長だったという跡部さん。撮影の技術が高いため、画角や構図なども含めて、より具体的な提案ができるのが強みです。

しかし、結果を出すには水面下での努力も物を言います

「ホテルコパンのときは採用された2件のほかに20件くらい提案しています。監督や制作スタッフと一緒に2、3日は回りましたね」

また、機材を自費で購入して、動画を撮って提案することもあるそうです。

「例えば岩肌の雰囲気とか、写真でもある程度は伝わるんですけど、動画で見せると全然違うんですよ。実際、僕がドキュメンタリー風にカメラ持って、見せながら、コメント入れながら、場所によってはそういう提案をします。建物内部とかも見取り図をつけるより分かりやすいんですよ」

撮影支援件数は年々増え続けこの4年で2倍以上となっている

スタッフと市民の距離が近い現場を目指して

これだけ情熱的な活動の源泉となっているのは何か。跡部さんはこう話します。

「でっかい作品を呼び込めると嬉しい。達成感はあります。その現場がオールアップしたときは気持ちいいですよね、マラソンを走り切ったような気持ちで」

そして、エキストラやスタッフ、ボランティアで来てくれた人たちが喜んでくれることもモチベーションになっているといいます。

「楽しい現場は、役者とスタッフ、そして僕らが声掛けして来ていただいている市民の皆さんの距離が近いとき。キャストとスタッフが地元の人とちゃんとふれあえる現場は楽しいです」

上述の「ホテルコパン」のほか、今後、長野市で撮影されたシーンが登場する映画はヒットマンガの実写版「るろうに剣心 伝説の最期編」、直木賞受賞作が原作で小泉堯史監督の「蜩ノ記」など、ヒットが期待される作品が上映となります。
地元の風景がスクリーンに映ると嬉しいものですが、その陰には跡部さんのひたむきな努力があります。それを知ったうえで映画を見ると、さらに感慨深いものがあるかもしれません。

キャストとスタッフ、そしてボランティアとエキストラの距離が近い現場は楽しいと話す

(2014/08/20掲載)

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会える場所 ながのフィルムコミッション
長野市新田町1485-1 もんぜんぷら座4階
電話 026-223-6050
ホームページ http://www.nagano-fc.org/ (エキストラ募集などの情報を発信しています)

フェイスブックページ https://www.facebook.com/NaganoFilmCommission

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