No.384
三橋
亮太さん
SO日本・長野/サッカーコーチ
地域に求められるサッカーコミュニティ
文・写真 小林拓水
「スペシャルオリンピックス略称「SO」」を知っていますか。これは、知的障害のある人たちがアスリートとして活躍している国際的なスポーツ活動のこと。各地域で提供されるプログラムの中で、歳以上の知的障害のある人なら誰でもやりたい種目に参加することができます。長野県の地区組織「スペシャルオリンピックス日本・長野略称「SONN」」が提供するプログラムからは、世界に活躍の場を広げるサッカーコミュニティが生まれました。ここでコーチをしている三橋さんのお話を聞きました。
パルセイロ時代に感じた長野のあたたかさ
実は三橋さんはAC長野パルセイロの元選手。入団を機に移住しましたが引退後も長野に残り、この「第二の地元」にサッカーで恩返しをしたいと思ったそう。
「パルセイロの在籍期間自体は短かったんですけど、その後も地域の方は温かく声をかけてくれるんです。とても居心地がいい場所だなと思いました。」
練習は月に2回、三才駅近くの北部スポーツ・レクリエーションパークで行われます。練習中は活気があり、笑顔も飛び交います。
サッカーを通して獲得するたくさんの感情と経験。
SONNでサッカープログラムが始まったのが2016年。三橋さんは知人に声をかけられてコーチに就任しました。
そして発足からわずか1年たらず、チームは 大阪で行われた全国大会で優勝。2017年には、スウェーデンで毎年開催されている世界最大のユースカップにも出場します。
「サッカーに興味を持った人がいるだけで自分にはありがたいんです。そんな人が勇気を出して一歩踏み出してここに来てくれているからには、楽しいと感じてほしい。シュートを決める気持ちよさ、ボールを奪う面白さ、チームで勝つ嬉しさ…サッカーを通じていろんなことを感じてほしいと思っています。勝ち負けが目的ではないんですけど、勝つことで初めて得られる感情や経験は確実にあって。日頃の練習でも取り組む姿勢が変わりましたし、国際大会の招待も来ました。彼ら自身の頑張りから良い循環が生まれています」
試合中ゴールを決めたメンバーをチームメイトが祝福。シュート音がとても強烈でした。
大切なのは、地域で豊かに暮らすこと
大学時代に養護学校で教育実習をした経験もある三橋さん。社会とのつながりが増え、世界が広がっていく、このサッカーコミュニティに対する想いを最後に聞きました。
「一番の目的はみんなが地域で豊かに暮らすこと。だから、知的障害のある人たちや家族、そのほかの人たちにとっても、”この街にこういう場が在る”、そして”在り続ける”ことは意味のあることだと思うんです。こうして活動する中で選手たちが抱く『勝ちたい』や『楽しみたい』といった想いに僕はこれからも寄り添っていきます。そして一緒にひとつの願いや活動を共有する仲間として居させてもらえるように、彼らにリスペクトを持ちつつ、なにか良い影響を与えられる人間になりたいですね」
選手を見守りつつ、時折声をかけて鼓舞する三橋さん。温かくも真剣な雰囲気で試合が行われていました。
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会える場所 | スペシャルオリンピックス日本・長野 長野市鶴賀上千歳町1120-17 Alegria 電話 026-225-1550 ホームページ http://www.son-nagano.com/ |
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